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4/15週SaaS資金調達ニュースまとめ

今週もSaaSスタートアップの資金調達ニュースを5つピックアップ。

先週はZOOMの時価総額2兆円でのIPOも派手なニュースでしたが、金曜日に発表されたsalesforceのMapAnythingの買収、そしてCRM×SaaSのoutreachが114億円の調達でユニコーンの一員になったことがニュースでした。

個人的には、MIT卒の連続起業家3名のUS版freee Pilot.com院内の患者データを統合するRedoxITヘルプデスク向け自動解決AIのMoveworksと日本でもポテンシャルのある領域での資金調達ニュースが興味深かったです。

1. B2B向けロケーション情報活用SaaS MapAnythingをsalesforce.comが買収

MapAnythingは、生産性の向上を目的にユーザーがデータを地図上で視覚化して、インタラクションが取れるように支援するSaaSを提供する、2009年カリフォルニア発のスタートアップ。既に1,900社以上の顧客ベースを持ち、既に累計84億円以上を調達している。

今回、MapAnythingがCRM大手のセールスフォース・ドットコムが買収した。買収額は非公開。あくまでも個人的な見解だが、今回のMapAnythingの買収は、いくつかの戦略的な意図がありそうだ。

1つ目は、MapAnythingは、Salesforceのプラットフォーム上に開発されたソフトウェアであり、Salesforceプロダクトとすぐに統合可能であること。MapAnythingは、創業当初からsalesforce向けに地図ベースのプロダクトを開発をして、成長をしてきた。またMapAnythingは、数年に渡りsalesforceのB2BアプリストアであるAppExchange上で販売実績がある。同社のアプリ開発パートナーであるISVパートナーであり、ISパートナーでもある。

2つ目は、サービス領域CRM市場での成長とプロダクトの競争力強化である。マーケティング、セールス、サービス(コールセンターやフィールド・サービス等)などCRM領域の中で、サービスは、成長性×規模でホットな領域と言われている。一方、ServiceNowやZendeskなどの大手のみならず、数多のスタートアップが出ており、競争が激化している。その中で、Map Anythingのロケーション情報に基づく、生産性向上は強力な武器となる。
リンク: TechCrunch記事MapAnythingウェブサイト

2. 営業の商談時間を3倍に増やす! SaaSユニコーン Outreach: シリーズE 114億円調達

Outreachは、2013年シアトル創業の営業のエンゲージメントを向上するSaaSを提供するスタートアップ。メールやCRMなど既存のデータソースが多大になり、そこから営業活動のための有意義な情報を得ることは難しく、営業にとっては情報収集/整理は労力がかかる。その仕事を自動化するのがOutreachだ。同社の製品を使うことで、営業は商談の時間を3倍に増やすことができている。既に、Adobe、Okta、Zendesk、DocuSign等の名だたるSaaS上場企業を中心に、3,000社以上、5万人以上のユーザーを抱える。CRMの導入が広がる中、そこの利活用を支援する「セールス・エンゲージメント」は急拡大している。来年中にARR100億円を達成する見込み。

今回のシリーズEでは、Lone Pine Capitalがリードで評価額1,100億円、114億円を調達。既存投資家である、DFJ GrowthやMicrosoft Ventures、Sapphire Venturesなども追加出資。今回の調達資金で、累計239億円を調達し、晴れてユニコーン企業になった。今回の資金で、機械学習ベースのプロダクト加速化に向け、開発人員を倍増させる。
リンク: VentureBeat記事Outreachウェブサイト

3. スタートアップ/SMBむけ会計SaaS Pilot.com: シリーズB 40億円調達

Pilot.comは、2017年にサンフランシスコ創業の、主にスタートアップ向けの会計・税務管理を行えるSaaSを展開するスタートアップ。既にPilot.com上では、月間100億円以上の会計処理が行われている。創業チームのWaseem Daher(CEO)、Jeff Arnold(COO)、Jessica McKellar(CTO)は、全員MITの同級生で、有名な連続起業家グループ。1社目に起業したKspliceは2011年にOracleが買収、2社目に起業したZulipは2014年にDropboxが買収。

今回のシリーズBでは、Index Venturesがリードで、既存投資家である決済大手のStripeも追加出資し、計40億円調達。
リンク: PR Web記事、Index Ventures記事、Pilot.comウェブサイト

4. ウィスコンシン発!患者データを統合するヘルスケアSaaS Redox: シリーズC 33億円調達

病院やクリニックでは、書類の電子化が進む中で、患者データが様々なシステムで作成、管理されるようになった。その結果、異なるシステムで同じ患者データをバラバラに管理される問題が出てきた。その患者データを一元統合するAPIソリューションを提供するのが、2014年ウィスコンシンに創業したRedoxだ。

今回のシリーズCは、Batter Venturesがリードで33億円を調達。シリーズBのリード投資家のRRE Ventures、シリーズAのリード投資家の.406 Venturesも追加出資。
リンク: Xconomy記事Redoxウェブサイト

5. 企業のITトラブルを人工知能で自動解決するSaaS Moveworks: シリーズA 30億円調達

2016年カリフォルニア創業のMoveworksは、独自の人工知能アルゴリズムを活用して、企業のITトラブルを自動解決できるソリューションを提供するスタートアップ。既に企業のITヘルプデスクのチケットデータを、2,000万以上学習させ、Broadcom、Western DigitalAutodeskなど、複数社の大企業が開発に協力してくれている。

今回のシリーズAでは、Bain Capital VenturesとLightspeed Venturesがリードで30億円を調達。
リンク:Forbes記事Moveworksウェブサイト

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