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今週のSaaSニュース! Vol.79(12/12週)

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資金調達ハイライト

オーストラリア発!ECマーケティングSaaS Rokt $325M調達

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2012年創業のRoktは、EC利用者にキャンペーン提示をパーソナライズ化するEC事業者向けSaaS。最近ではオンラインアドのROI計測とマーケティング投資最適化のSaaSもリリース。Groupon、Staplesなど世界で3,000以上のブランドが、顧客エンゲージメント向上や顧客獲得を拡大するために利用されている。本シリーズEはTiger Globalがリードし、さらなるR&D投資やグローバル展開を加速。バリュエーションは$1.95B。(Rokt動画)

分散型SQLデータベース管理SaaS Cockroach Labs $278M調達

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Cockroach Labsは、Googleのオープンソース技術Spannerを商用化したCockroach DBを提供するSaaSスタートアップ。「ゴキブリのようにしぶとくダウンしない」という意味を込めて命名された。有料顧客は200社で、過去1年でARRは3倍に成長。現在はセルフホスティング版が収益の中心だが、今後ホスティング版が急速に成長する見込み。本シリーズFは、Greenoaksがリードし、Benchmark、Tiger Globalなどの有力な既存投資家も参加。バリュエーションは12か月前の2倍超の$5B。(Cockroach DB動画)

エンプラ企業の自動化を加速するiPaaS SnapLogic $165M調達

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SnapLogicは、セールスフォース傘下のMulesoftのようにエンタープライズ企業向けにオンプレ/クラウドソフトウェアを統合するiPaaS-Intregration Platform as a Service-分野の新興スタートアップ。エンプラ企業向け自動化iPaaS市場は大きく成長しており、SnapLogicはプロダクトのUI/UXの優位性で急成長している。本ラウンドはSixth Street Growthがリードの他、既存投資家のAndreessen Horowitzなども参加。バリュエーションは$1B。ユニコーンの仲間入り。(SnapLogic動画)

OKR特化テンプレMP+SaaS Gtmhub $120M調達

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2015年創業のGtmhubは、LatticeやWorkboardなどに代表されるOKR SaaS企業の一角。他のOKR SaaSはall-in-one化でトータルHRソリューション化を目指す一方、Gtmhubのアプローチはユニーク。OKRソフトウェアに特化し、OKRのテンプレートのマーケットプレイスや、他SaaSとの連携に注力している。2021年の売上は3倍増。本シリーズCはIndex Venturesがリード。バリュエーションは非公開。(Gtmhub動画)

All-in-oneコラボレーションツール Airtable $735M調達: 以前から一部報道されていたAirtableのシリーズFが発表された。Franklin Templeton, Salesforce Venturesなどが参加。バリュエーションは$11B。
クラウド・コンテナセキュリティSaaS Sysdig $350M調達: Sysdigはエンタープライズ特化のサイバーセキュリティSaaS。本シリーズGは欧州最大手PE Permiraがリード。バリュエーションは$2.5B。
クラウドコミュニケーションSaaS Dialpad $170M調達: Dialpadは企業の音声コミュニケーションの統合と音声認識/解析AIを得意とするSaaS。ICONIQ Capitalがリード。バリュエーションは$2.2B。
患者のリモートケアSaaS Cadence $100M調達: Cadenceは病院と自宅で療養する患者をつなぎリモートケアを実現するSaaS。本シリーズBはCoatueがリード。バリュエーションは$1B。
企業の支出を統合管理するSaaS Mesh Payments $50M調達: 企業で使っているSaaSやアプリを統合し支出を一括管理するSaaS。本シリーズBはTiger Globalがリード。バリュエーションは非公開。

今週の主なIPO/M&A

米SamsaraがIPOデビュー: 時価総額は$12Bに到達
クラウド会計SaaS 弥生をKKRが買収
米Autodeskが建設業向け見積りSaaS ProEstを買収

マーケットトレンド

進化する教育と学生起業を支援するSaaSトレンド
コロナ禍の教育のオンライン化に伴う、プロジェクト型学習(Project-based learning)の進化とその学習を実践する学生起業を支援するSaaSトレンドに関するBessemer Venture Partnersの記事。学生起業家(Student builders)の勃興は、1)独学のコストダウン、2)Low code/No codeの勃興、3)ゲーム産業の教育プラットフォーム化、4)オンライン/オフラインの特化コミュニティ、5)学費高騰と学生ローン増加などの複数のトレンドにより追い風を受けている。学生起業を支援するSaaSの例は下図の通り。

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ストラテジー

リーン・スタートアップの優位性と限界
『Lean Startup』は起業を一般化した名著です。この科学的な実験アプローチは、スタートアップの成功確率を上げる上で有効であることは様々な研究で検証されている。そのため起業家やPMのみならず、VCもこのアプローチを前提に投資判断を行っている。しかしLean Startupアプローチには大きく2つの欠点があるため、革新的かつ戦略的なビジネス創出を産みにくいと指摘しています。そもそもLean Startupの考え方は、トヨタのリーン生産方式の発展形の考え方なので、漸進的な改善に向いていて、破壊的イノベーションと相性が悪いという指摘は納得感があります。

SaaS事業の「売上成長の方程式
SaaS企業の起業価値評価が、売上成長率に大きく影響を受けることはご存じの方も多いと思います。それでは中長期も持続する売上成長には、どのような要素があるのか?こちらの米Workday Corporate Strategy部門の方の記事は、この戦略的な思考を深める上で非常に参考になります。通常、営業やマーケティングに目が行きがちですが、中長期の持続性を得るのは難しいです。このフレームワークは、1)TAMをいかに広げるか?、2)プロダクトと事業モデルでTAMを獲得するスピードをいかに上げるか?の視点で戦略オプションを解説しています。

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営業&マーケティング

営業による"チャーンとバーン"増を減らす5つの方法
顧客の解約(チャーン)は当然ながらカスタマーサクセスの問題だけではありません。営業プロセスにも大きく影響を受けます。またSaaS企業の成長に伴い、人件費の高い営業はバーンレートが上がりやすくなります。こちらのSaaStrの記事は、チャーン&バーンを最小化するためのtips(以下)を紹介。

1)営業の成果報酬制度にクローバック条項(短期で解約した顧客の受注をカウントしない条項)を付ける
2)営業の人事評価を売上とNPS(営業NPS)で決める
3)営業トレーニングを実施する
4)営業の電話を録音してレビューする
5)大型商談のフェーズアップ時にCSの承認をプロセスに加える

プロダクト開発

PMが知っておくべきエンジニアリングの5つのこと
元Airbnb シニアPMによる記事。PMは必ずしもプログラミングスキルは必須ではありません。しかしエンジニアとコミュニケーションする上での最低限のエンジニアリング知識が必要です。この記事はその得るべき知識の5つのポイントを解説しています。

1) 自社のテックスタック
2) コードベースの課題になりそうなポイント
3) 開発とデプロイプロセス
4) コーディングに貢献できるポイント
5) エンジニアリングブログの購読やエンジニアの友人

スタートアップのPMに求められる素養
一言にProduct Manager(PM)と言っても、求められる素養は扱うプロダクトのタイプや企業/プロダクトのフェーズによって大きく異なります。こちらの記事は、特にアーリーステージのスタートアップで求められるPMの長所・短所と求められるスキルについて解説しています。日本語の要約はこちらのTweetstormを参照。

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