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4/22週SaaS資金調達ニュースまとめ

今週もSaaSスタートアップの資金調達ニュースを5つピックアップ。

先週はMaaSユニコーン(評価額1,400億円) KeepTruckinやNo.1 営業エンゲージメントソフトのSalesLoft、Ciscoに3,700億円で売却したAppDynamicsの元CEOが創業したHarnessの調達など、大型の調達案件が目立ちました。

個人的にプロダクトが好きな、CX分析のFullStoryの調達が気になります。ちなみに、Salesforce Venturesの出資先で追加出資してます。

最後にお知らせ。週次でのSaaS資金調達ニュースシリーズは、今回を持って終了させて頂きます。今後、調達関連ニュースについては、月次ベースで何かしら発信していきたいと思います。

1.評価額1,400億円のMaaSユニコーン KeepTruckin: シリーズD 149億円調達

KeepTruckinは、トラックやバスの運転手向けに運行・車両管理を行うためのハードウェアとSaaSを提供する、サンフランシスコ発のスタートアップ。元Khosla Venturesのキャピタリストで、ex-GooglerでもあるShoaib Makaniが2013年に創業した。USのトラック産業は、2024年には100兆円になる。しかしデジタル化が遅れ、まだまだ「紙とエンピツ」の世界。KeepTruckinは、GPSでの運行管理やドライバーのパフォーマンスをリアルタイムで把握するなどで、トラック産業のデジタル化を推進している。既に55,000人以上のユーザーがいる。

今回のシリーズDは、物流系スタートアップに多く投資をしているGreenoaks Capitalがリードで、GV、IVP、Index Ventures、Scale Venture Partners等の著名VCも参加している。調達額は149億円で、評価額は1,400億円でユニコーンの仲間入りを果たした。
リンク: TechCrunch記事KeepTruckinウェブサイト

2.顧客評価No.1の営業エンゲージメントSaaS SalesLoft: シリーズD 70億円調達

SalesLoftは、2011年にアメリカ・アトランタ創業の営業のエンゲージメントを向上させるためのSaaSを提供するスタートアップ。同社のサービスは、営業と顧客の間のコミュニケーション・ツールのみならず、顧客とのやり取りの際に顧客データを表示したり、営業のやり取りを分析して営業を"コーチ"してくれる。同社の強みは株主でもあるLinkedInとのSales Navigatorとの連携や、LinkedInの親会社であるMicrosoftのDynamics(CRM)との連携。同社のサービスは、セールス・エンゲージメントの領域でNo.1の評価を受けている。結果、売上は+100%成長を過去2年連続で達成している。今後は、AIによる営業の行動最適化向けのプロダクト開発や、海外拠点の拡大を目指す。

今回のシリーズDでは、Insight Partnersがリードで、EmergenceやLinkedInも含めてトータル70億円を調達。今回ラウンドで、SalesLoftの評価額は、500億円+に達すると見られる。但し、SalesLoftにとっては全く安心できる状況とは言えない。Chorus.ai、Gong、AfinitiやOutreachなど、競合の大手スタートアップも多く、競争が熾烈だからだ。直近では、Outreachが評価額1,100億円で114億円の調達を発表したばかり。
リンク: TechCrunch記事SalesLoftウェブサイト

3. エンジニアが安全・安心にアプリ開発・改善できるDevOps SaaS Harness: シリーズB 60億円

Harnessは、2016年サンフランシスコ創業のエンジニア向けのDevOpsツールを提供するスタートアップ。同社は、Delivery-as-a-Serviceと標榜する通り、エンジニアがアプリのリリースを安全・安心に、素早くできるプラットフォームを提供している。ターゲット顧客は、Facebook、GoogleやNetflix等の大手IT企業を狙っている。Harnessの創業者は、シスコが3,700億円で買収した、ユニコーン企業 AppDynamics 創業者兼CEOだったJyoti Bansal。

今回のシリーズBでは、Menlo Venturesがリードで、IVPやSaaS上場企業であるServiceNow等が参加して、評価額500億円で60億円を調達
リンク:TechCrunch記事Harnessウェブサイト

4.オンライン上の顧客体験のトラッキング/解析するSaaS FullStory: シリーズC 32億円調達

FullStoryは、2012年アトランタ発祥の顧客体験(CX)分析系スタートアップ。FullStoryは、SaaSオンライン上の消費者行動を記録、トラッキング、解析をして「顧客がいつ、どこで、なぜ離脱したのか?」を見える化してくれる。消費者のプライバシー保護を徹底し、安定して使えること、そしてマーケティング/営業担当にとって、すぐにアクションができるインサイトを直感的に提供してくれることが、強み。

今回のシリーズCでは、グロースキャピタルであるStripesがリードして、Dell Technologies Capital、GV、Kleiner Perkins、Salesforce Venturesなどが参加して計32億円を調達。
リンク:VentureBeat記事FullStoryウェブサイト

5.エンタープライズ向け統合型タレント採用・マネジメントSaaS Eightfold:シリーズC 28億円調達

Eightfoldは、2016年 サンフランシスコ発祥のエンタープライズに特化した、人材タレントデータの統合と、そのデータをベースに、タレント探索を人工知能を使ってサポートするSaaS企業。Success FactorsのATS(Applicant Tracking System)やSAPの人材マネジメントシステムとも連携している。アメリカでは日本同様に、人材採用コストが上がり続けており、1人当たりの採用コストは約50万円。Gartnerの調査によると、63%のCEOはタレント/人材の不足が最も大きな企業リスクと回答している。Eightfoldはこの問題にチャレンジしており、タレント採用力を企業の競合優位性にすることを目指している。既に、Conagra、Hulu、Affirm、Twilio、AdRoll Group, Tata Communicationsなど100社以上の大手企業で導入が進んでいる。

今回のシリーズCラウンドでは、IVPがリード投資家で、Lightspeed Ventures、Foundation Capitalも参加して計28億円を調達。
リンク:VentureBeat記事Eightfoldウェブサイト
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