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今週のSaaSニュース! Vol.57(7/11週)

今週からフォーマットを刷新して、ライトに読みやすい内容に変えて最新の海外SaaSの情報を中心にお伝えしたいと思います。

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今週の資金調達ハイライト

リモートワーク社員の給与計算SaaS Remote $150M調達:Remoteは、海外からリモートで働く従業員を抱える企業向けに、現地の税制や労働法に則った給与計算を可能にするSaaS。コロナ禍の現在、ホットな分野でOyster、Deel、Papaya Globalが競合。今回のシリーズBでAccel、Sequoia Capitalなどから調達してユニコーン($1B+)入り。(Remote YouTube動画)

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警察署/消防署向けSaaS Mark43 $101M調達:Mark43は、公共の安全を守る警察官や消防士が、効率よく事件対応やレポート作成ができる公的機関向けSaaS。米国を中心に120の公的機関が顧客。本シリーズEで、Tiger Globalなどから$101Mを調達。(Mark43 YouTube動画)

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取締役会の運営支援SaaS OnBoard $100M調達:OnBoardは、企業のかじ取りに重要なボード(取締会)のアジェンダ設定、決議の運営や参加者のエンゲージメント向上を支援するSaaS。取締役会のZoom開催を契機に、デジタル化シフトが機運となり、世界25ヵ国1,000社以上が導入。今回、グロースファンドであるJMI Equityから$100Mを調達。(Onboard YouTube動画

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安全なエッジセキュリティ実装SaaS Netskope $300M調達:Netskopeは、SASE(Secure Access Service Edge)というクラウドセキュリティ分野をリードするSaaS。ICONIQ GrowthやAccel、Sequoia Capital Global Equitiesなどから$7.5Bのバリュエーションで調達。

コード検索SaaS Sourcegraph $125M調達:Sourcegraphは、エンジニアがITの課題や脆弱性を発見するためのコード検索を可能にするSaaS。シリーズDで、$2.6BのバリュエーションでAndreessen Horowitzなどから調達。

次世代 顧客データ管理SaaS Amperity $100M調達:Amperityは、クッキーデータの活用が制限される中で、顧客データを適切に利用できるSaaS。シリーズDでTiger Globalなどから調達し、ユニコーン入り($1B+)。

PLG時代のエンジニア向けCRM DevRev $50M調達:DevRevは、ソフトウェア開発者が、顧客管理(CRM)まで一気通貫で実装できるSaaS。まだ製品ローンチ前だが、Product-led-growth(PLG)へのシフトにより、エンジニアが事業運営をリードするためのSaaSを目指している。SaaSのシードとして異例の$50Mを、Khosla Venturesなどから調達。

パスワード不要のID認証SaaS Stytch $30M調達: Stytchは、元Plaid社員が創業した、APIを通してパスワード不要の様々なID認証方法を実装できるSaaS。シリーズAで、Thrive Capital、Benchmarkなどから調達。

今週の主なIPO/M&A

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オンライン融資SaaS Blend $4B超でNYSE上場

米Zoominfoが音声解析AI×CRM Chorus.aiを$575Mで買収

分散型SQLデータベースSaaS Cockroach Labs EC-1公開

マーケットトレンド

採用競争におけるリモートワーク」ポリシーの重要性:欧米ではオフィス再開の動きの一方で、テック企業を中心に、リモートワークを恒久的な施策として打ち出す企業が増えている。その主要因の1つが、採用競争力の強化だ。英エコノミストの記事によると、リモートワーカーの87%はリモートワーク維持を望んでおり、42%は全日オフィス勤務であれば、退職を考えると回答した。本記事では、英フィンテック企業 Revolutの「年2ヶ月 Work from Anywhere」施策などを紹介している。

ストラテジー

 成長戦略のコアとしてのコミュニティ:SaaSを含む、さまざまなのテック企業で、「コミュニティ」が成長戦略と競合に対するMoat(障壁)として重視されるようになった。こちらのa16zの記事では、コミュニティはただのマーケティング施策ではなく、新規獲得、既存顧客のリテンションの成長のコアであることやコミュティの3つのタイプなどを解説している。

インダストリーSaaSのTAMの広げ方:ホリゾンタルSaaSに比べ、産業特化型のインダストリーSaaSでは、TAMが限定されやすいため、中長期の成長戦略としてTAM拡大の方向性を早期に思考することが求められる。この米VC CRVの記事は、インダストリーSaaSでのTAM拡大の5つの戦略(SaaS追加、値上げ、決済、組込型融資・保険、 組込型コマース)と注意点について解説している。

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セールス&マーケティング

 SaaSの料金プランは公開すべきか?:SaaSの料金プランの公開は、顧客の価格への安心感を与えるため、営業プロセスをシンプルに、セールスサイクルを短くできるメリットがある。しかし、エンタープライズシフトに従い、大型受注の妨げや値下げ交渉の材料に使われるため、非公開にすることが一般的だ。記事では、初期は料金プランを公開することを勧めている。

プロダクト

プロダクトマーケティングの3つの要素:プロダクトマーケティングの際、自社の製品のポジショニングを明確にしたメッセージは必要不可欠。こちらのEventbrite CPOによる記事では、プロダクトマーケティングで重要な3つの要素、①感情に訴えるエモい価値、②理性に訴えるロジカルな価値、③プロダクトの機能的な価値を、事例を踏まえて解説している。

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マネジメント

Atlassian流 効果的な部門をまたぐミーティング:こちらの記事では、米SaaS上場企業 Atlassianで行われている3つの部門間をまたぐミーティングが紹介されている。一般的な企業では、「情報共有のミーティング」と「意思決定のミーティング」の2つが行われているが、Atlassianではこの2つに加えて、"スパーリングセッション"という「生のアイディアを他の部門にぶつけて、アイディアを磨きこむ」ミーティングが行われており、顧客体験(CX)の改善に役立たせている。

 フィンテックのはじめ方:StripeやShopifyなど、近年SaaSでもフィンテックが関わるサービスが増えてる。この記事は、フィンテックサービスをはじめる基本的な7つのステップを解説。個人的には、①法規制を理解することから始める、②開発する前に既存サービスの満足度を調べる、③独自のテックスタックが必要が大きなポイントだと思います。

ファイナンス

 VC調達でのストーリーテリング:VCへの調達ピッチでは、ストーリーをうまく伝えることは、調達の成功や調達期間の短縮に効果的です。この記事では、SaaS特化VC Emergence Capitalパートナーがこのストーリーテリングの5つの要点(以下)を解説している。

VC調達でのストーリーテリングの要点
1) 数字はその背景のストーリーと一緒に語る
2) ポイントをついた"一言"で言う
3) "Why(なぜ)"にフォーカスして説明する
4) お客様のストーリーを語る
5) 創業者のストーリーを語る

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