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今週のSaaSニュース! Vol.80(12/19週)

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資金調達ハイライト

ノーコード・データ統合SaaS Airbyte $150M調達

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2020年創業のAirbyteは、複数のデータソースからデータ統合を実行するオープンソース型SaaS。顧客は自身でカスタムしたデータコネクターをどんな言語でも作成可能。クラウドデータの活用ニーズが広がる中、クラウドデータのETL/ELTへのニーズが拡大しており、Airbyteはその需要に対応している。本シリーズBはAltimeter CapitalとCoatueがリード。その他にBenchmark、Accel、Salesforce Venturesなども参加。バリュエーションは$1.5B。(Airbyte動画)

Web 3.0バックエンド SaaS Figment $110M調達

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2018年創業のFigmentは、Web3.0に対応するアプリケーション開発のバックエンド/インフラ提供を世界でリードするSaaSスタートアップ。次世代のProof of Stake(PoS)ブロックチェーンの利用拡大をミッションに掲げている。現在までに130社以上が利用しており、Figment上でのデジタルアセットは$7.5Bを超えている。本シリーズCは業界大手PE Thoma Bravoがリード。10社以上が参加。バリュエーションは$1.4B。(Figment動画)

リモートエンジニア採用・管理SaaS Turing $87M調達

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2018年創業のTuringは、世界トップクラスの"リモートエンジニア"に特化したHRtech SaaS。独自のAIによるソーシング・評価、採用、リモートでの雇用管理を一括で行うことができる。世界140ヵ国18万人以上のエンジニアのネットワークを持つ。FiverrやLinkedInは人材ネットワークに強みはある一方、リモートのエンジニア採用・管理をend-to-endで提供できてはおらず、競合優位性になっている。本シリーズDはWestBridge Capitalがリード。バリュエーションは$1.1B。(Turing動画)

人を中心に置いた自動化SaaS Hyperscience $100M調達:エンタープライズに特化した"Human-centered automation"のSaaS。本シリーズEは、Tiger GlobalやBessemer Venture Partnersなどが参加。
SaaSマーケットプレイス上市支援SaaS Tackle.io $100M調達:Tackle.ioはAWSやAzure等のAppマーケットプレイスにSaaS企業が対応をするためのSaaSを提供。本シリーズCはAndreessen HorowitzとCoatueがリード。バリュエーションは$1.25B。
ブロックチェーン解析SaaS Nansen $75M調達:シンガポール発のNansenは独自に保有する1億以上のウォレットの活動データと分析ツールから投資家にインサイトを提供するSaaS。本シリーズBはAccelがリードし、Andreessen Horowitz、Tiger Global、GICなども参加。
デンタルAI×SaaS Overjet $42.5M調達:Overjetは歯科医向けにレントゲン画像から病状診断を自動で行う画像解析SaaS。本シリーズBは既存投資家のInsight Partners、General Catalystが共同でリード。
投資家コミュニケーションSaaS Proximity $31M調達:Proximityは米CitiからスピンアウトしたSaaSスタートアップ。本シリーズBはBNY Mellon、Citi、Deutsche Bank、JP Morgan等から調達。

今週の主なIPO/M&A

米オラクルが米電カル大手Cernerを$28.3Bで買収
米Automation AnywhereがプロセスマイニングSaaS Fortress IQ買収

マーケットトレンド

2021年のFintech IPOの振り返り(と今後)
2021年はグローバルでFintechに注目が集まり、数多くの注目Fintechスタートアップの上場した。しかし直近では過熱気味だったFintech銘柄の株価は調整局面に入って、今年の上場銘柄も初値を割れれる状況(下図)。Insurtech系は全滅。Fintech×SaaS、消費者向けFintechの一部は高いパフォーマンスを維持しつつも、評価が下がっている。一方、Fintechの波は来年も持続しそうな状況。Andreessen Horowitzの記事では、「Fintechの3大テーマ」-Fintech×仮想通貨、Fintech×ヘルスケア、Fintech×サステナビリティ-について解説しています。

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ストラテジー

非連続な成長に向けた打ち手はいつ?どう打つべきか?
HubSpot、Shopifyなどの有力SaaS企業のGrowthチームを率いた幹部経験者による記事。多くのスタートアップのGrowthチーム/PMは、受け身(Reactive)の火消し活動に終始しており、本来やるべき非連続な成長目標に対する積極的(Proactive)な活動ができていない。この記事では、そのために必要な現状診断のフレームワークと、ホームラン狙いの成長を目指すための4つの方向性について事例を交えて解説してます。

ホームランを狙うための4つの戦略方針
1.Product line expansion(プロダクト群の拡張)
2.Growth loops expansion(新規顧客獲得ループの追加)
3.Regional expansion(展開地域の拡大)
4.Segment expansion(顧客セグメントの拡大)

営業&マーケティング

競合とのコンペ勝率の高さは危険信号⁉
競合とのコンペの勝率が90%以上と高いことは、成長への確かな足掛かりになります。但しARR 1億円前後の場合、小さな池で戦っている可能性もあり、中長期の成長を約束するものではありません。こちらのSaaStrの記事は、コンペ勝率が高い状態のSaaSスタートアップが考えるべきポイントを解説しています。

カスタマーサクセス

重要なカスタマーサクセス指標
NRRなどの代表的なCSメトリックスのリスト。カスタマーサクセス初心者にはオススメです。

プロダクト開発

ノーススターメトリックスの考え方と設定方法
North Star(北極星) Metricsとは、企業が事業の成長を目指す上で最も重要な1つのプロダクト指標を指します。このフレームワークは、解決する顧客課題と対応するプロダクトビジョン、その戦略とノーススターメトリックス(NSM)との関係性や、NSMの構成要素であるReach x Engagement x Frequencyという考え方は面白いです。SaaSでもSlackやDropboxのようなB2C要素があるSaaSではNSMの設定がされることがあるので、参考にされてみても良いかと思います。

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Atlassian流 開発優先順位フレームワーク: "BACER"
RICEやMoSCoWなど、開発の優先順位付け(Product Prioritization)のフレームワークは数多くあります。こちらのフレームワークは、Atlassian Head of Productが作られたフレームワークです。ご参考まで。

BACERフレームワーク
B-事業インパクト
A-顧客側での課題の発生頻度
C-顧客側に創出される価値
E-開発投下リソース
R-成功確率
* R以外は1-9で点数評価

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