USCPA | #4 FAR受験編 ~Road to USCPA~
こんにちは、水瀬です。
全5回にわたってお送りする、私がUSCPAの全4科目に合格するまでの体験記シリーズ、”Road to USCPA”
第2回は、”FAR受験編”を書いていきたいと思います。
第1回:出会いから学習開始まで(準備~単位取得編)
第2回:FAR受験編 ← 今回の記事
第3回:AUD受験編
第4回:BEC受験編
第5回:REG受験編
前回の記事はコチラ
この記事の対象者
USCPAに興味を持っている方(FAR学習中の方)
海外駐在を実現したいと考えている方
何かに挑戦してみたいと考えている方
スケジュール(予定 / 実績)
FARの学習は仕事の都合により(後述)、途中で計画を修正しました。(総学習期間:9か月)
予定:学習計画1.0
実績:学習計画2.0
英文会計入門は必要か
FARに入る前に、Abitusで提供されている”英文会計入門”という講座についての私の意見を述べたいと思います。
”英文会計入門”とは、簿記・会計知識の全くない初学者を対象に、英文会計の原理をわかりやすく解説した講座です。
私の場合、簿記2級の知識がありましたので、教材にざっと目を通して受講不要と判断しました。
簿記2級の知識を持っている方は不要だというのが私の主観です。
私の学習サイクル
FARからBECに至るまで、私の学習サイクルは一貫して下記の通りでした。(【】内の数値は全体を通じた進捗率です)
※REGについては諸事情により変更しました。(REG編でお伝えします。)
【0-10%】まずは教科書を通しで学習する (講義倍速視聴×教科書通読)
※この時点で問題は解かない / 1章ごとに自分なりの言葉で説明してみる【10-35%】教科書1周後、MC問題は朝の1時間+隙間時間のみで演習 / 残りは教科書の精読に充てる
【35-40%】通勤などの移動時間で”耳学”を実施 (教室講義の聴講)
【40-70%】MC2周後、MC3周目+TBS問題に着手 (教科書精読から切替)
【70-75%】試験1か月前に模擬試験を受験 (教室受験)
【75-80%】模擬試験の復習+苦手論点の確認⇒復習
【80-90%】直前対策講座の受講・リリース問題(5か年分)
【90-100%】MC4周目+TBS問題 (間違えた問題のみ)
進捗率は上記の通りですが、実際にやってみて、以下のことを感じました。
・想像以上に教科書・講義を1周するのは大変
・MC問題を1周するのも大変(TBS未着手の不安も大きい)
・MC3周目以降、急激に理解が深まる(4周目は間違えた問題のみでOK)
・模擬試験で実際の試験形式を知る(想像以上に出来ない)
・TBS問題は初見では難しく感じる(解説を聞いて理解を深める)
FAR1-3
FAR 1:Financial Statement(FS)全体像(難易度:★☆☆☆☆)
FAR 1はFinancial Statementの全体像について学ぶ章です。
各章の細部を学びながらも常に全体像を意識することが深い理解に結びつくと思います。
FAR 2:"BSの構成要素” ”主要会計論点”(難易度:★★★☆☆)
FAR 2はFAR 1で学んだBSを構成する要素について学ぶ章です。
また、LeaseやBondといった、主要な会計処理も取り扱います。
MC問題はもちろん、TBS問題の大問のテーマとして丸々取り上げられることもあるため、深い理解が必要です。
FAR 3:"主要会計論点その2" (難易度:★★☆☆☆)
FAR 3では、Equityや収益認識、年金といった会計処理について学びます。
難易度はそこまで高くありませんが、FAR 1・2の復習と並行して学習を継続するのが難しくなってきます。(全体像を掴むためにも、まずは1周することを心がけるとよいと思います。)
計画凍結 ~突然の海外出張~
ここまで非常に順調に学習を進められていましたが、突然の海外出張を言い渡されます。熟考した結果、思い切って一度USCPA学習から少し離れることを決めました。
延べ3か月間にわたる長期出張では、生活リズムが変わってしまうところもありましたが、それでも学習するリズムは乱さず”週20時間学習”を順守出来たことが再びUSCPA学習に向き合えた大きな要因だったと思います。
FAR 1-3 ~Restart~
海外出張から戻ってきた後、再びFAR 1-3の復習から取り組みました。50%くらいの知識は残っていましたが、基本があやふやなまま応用論点のある章に取り組みたくなかったため、一から学習し直しました。
今思えば、『もう少し濃淡をつけて学習してもよかった』と感じます。(全て一から学習したのは効率が悪かったように思います。)
FAR 4-5
FAR 4:”主要会計論点その3” (難易度:★★★★☆)
FAR 4では、SecurityやDT、CFおよび企業結合、TAといった会計処理について学びます。
FAR 1-3の内容が頭に入っていることが求められます。総じて難易度はかなり高い上にTBS問題でも頻出の内容であるため、細部まで確りと理解する必要があります。
FAR 5:”公会計” (難易度:★★★☆☆)
FAR 5では、”公会計”について学習します。
非営利目的の会計についての内容であり、これまでのFAR 1-4で学んだ内容とは毛色が異なります。(公会計の対象は非営利組織であるため、”経済活動によってどれだけ儲かっているか”ではなく”寄付等で集めたお金をどのような活動に使用しているか”の報告が求められる、というようなイメージです。)
仕事に生かすためにUSCPAに挑戦している身からすると、この分野はあまり実務に結び付かずモチベーションが下がってしまいがちでした。
しかし、USCPA試験のルールを考えると、公会計は実に全体の20%超の配点が与えられており、学習することで確実な得点源となるのです。(受験当時、MC問題(得点比率50%)の内、40%が公会計より出題されている、というデータがありました。)
試験1か月前 ~模擬試験~
模擬試験の結果
試験1か月前に受験した私の模擬試験の結果は以下の通りです。
受験者平均:52(MC:28.9 / TBS:23.1)
合格者平均:59.8(MC:32.3 / TBS:27.5)
私の得点:59(MC:33 / TBS:26)
復習の徹底・苦手領域の把握
模擬試験の結果、ほぼ合格者平均点ではありましたが、Leaseに関する設問が苦手であることが判明しました。
そこでLeaseに関する章に立ち返り、教科書の精読と自分なりの理解を簡単に纏める作業を行いました。
私はUSCPA学習を通じて、”自分の理解を確認する目的”で”学習後期”に纏めノートを作成することが効果的だと感じました。
試験当日 ~初受験~
会場情報(御茶ノ水ソラシティ)
東京会場は御茶ノ水ソラシティです。
ビル1階にStarbucksが入っているので、余裕をもって試験2時間前にStarbucksに入り、最後の復習を行いました。
また、USCPA試験は午前・午後の2つのスロットから選択することが出来るのですが、私は最終科目のREGを除いてすべて”午後”に受験していました。(REGは直前に予約をしたので午前しか空きがなかったため)
余談ですが、御茶ノ水ソラシティは就活のSPI試験など様々な試験で使用されているため、多くの方がカフェで学習されていました。(そこまで混んではいなかったです。)
当日の持ち物
当日の持ち物は下記の通りです。
パスポート(身分証明に必須)
受験票(印刷済み)
iPad(紙の教科書は重いので持ち歩かず)
ミネラルウォーター 500ml 1本(休憩時間に飲む用)
in ゼリー 2本(開始前・休憩時間に飲む用)
試験時間の使い方
試験時間の使い方ですが、基本的な時間配分通りだと思います。
・Testlet 1:45分
・Testlet 2:45分
・Testlet 3:36分
~途中退席20分~
・Testlet 4:54分
・Testlet 5:54分
試験開始前に配布される紙に上記予定時間を記載して、気持ちを整理するようにしていました。
受験後の手ごたえ
試験規則上、出題された問題を共有することは禁じられているので紹介しませんが、夫々のTestletの手ごたえは下記の通りです。
・Testlet 1:95%程度(ほぼ完答)
・Testlet 2:85%程度(明らかに難化)
・Testlet 3:80%程度(一部うろ覚えの論点あり)
・Testlet 4:30%程度(全く自信なし/とりあえず埋めた)
・Testlet 5:70%程度(初見の形式であまり自信なし)
正直、Testlet 4・5で自信がなかったため、『もしかしたら不合格かもしれない』という気持ちでした。
結果発表 ~初の合格を手にした瞬間~
午前9時あたりにNASBAから試験結果の通知が届きました。(自分で申し込みページから見に行く形式でした。)
結果は『86点』で合格。
試験日から合格発表まで1か月超の期間がありましたが、次の科目のAUDを学習する傍ら、正直『FARが落ちていたらどうしよう』という気持ちでいっぱいでした。
まずまずのスコアで合格できたことに安堵したのをよく覚えています。
終わりに
正直なところ、途中の海外出張で3か月学習が停滞した時期がこのUSCPA学習期間で最も辛かったです。
一度は撤退の二文字が脳裏をよぎったこともありましたが、事前に書き記しておいた”USCPAを目指す理由”を読み返すことで、再度奮起して取り組むことが出来ました。
最初の1科目を受験するまでに9か月の時間を要しましたが、思えばFARが最も分量の多い科目だったと痛感しています。
”FAR受験時点で全体の1/4ではなく1/2くらいの達成度がある”と私は思います。
ここにたどり着くまでにおそらく多くの撤退者がいると思いますが、逆に言えばFAR受験までたどり着いた方は気合次第で完走出来るものと思います。
参考書の量(実に4冊!!)に臆することなく、一歩ずつ着実に積み重ねれば合格は近いはずです。
次回は、"USCPA試験の鬼門"ともいわれているAUDについて、私の経験を書いていきたいと思います。
最後までご覧頂き、有難うございました。それでは。
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