USCPA | #3 出会いから学習開始まで ~Road to USCPA~
こんにちは、水瀬です。
今回から全5回に分けて、私がUSCPAの全4科目に合格するまでの体験を書いていきたいと思います。
第1回:出会いから学習開始まで(準備~単位取得編) ← 今回の記事
第2回:FAR受験編
第3回:AUD受験編
第4回:BEC受験編
第5回:REG受験編
前回の記事はコチラ
この記事の対象者
USCPAに興味を持っている方(学習中の方)
海外駐在を実現したいと考えている方
何かに挑戦してみたいと考えている方
事前準備(挑戦開始までの8か月)
すぐに挑戦しなかった理由
以前の記事で紹介した通り、私がUSCPAの存在を知ったのは社会人1年目の7月でした。その日のうちにネットで色々と調べ、各予備校からの資料を取り寄せて動き出したのを覚えています。
しかしながら、すぐに”挑戦”、すなわち”入塾⇒学習開始”という道を取ったわけではありません。これには主に以下3つの理由がありました。
社会人1年目の抱える研修の多さ
教育訓練給付制度の利用
難関資格に対する不安
社会人1年目の抱える研修の多さ
1つ目の理由は”受講必須の研修が多かったこと”です。
私の場合、社会人1年目は教育期間として全社及び部署レベルで非常に充実した研修プログラムが用意されていました。そのため、毎月何らかの試験が用意されており、それに向けて業後や週末は同期と一緒に学習する必要がありました。当時の考えとして、『社内で用意されている研修は全て最高評価で修了したい』という思いがあったため、USCPA取得よりも眼前の研修を優先したのです。
今思えば、たかが新人研修で評価されるわけではなく、上司も研修の評価を都度人事から共有されているわけではなさそうでしたので、『この行動はコスパが悪かった』と感じています。教育訓練給付制度の利用
詳細はこちらのリンクをご参照下さい。
2つ目の理由は”教育訓練給付制度の利用を検討していたこと”です。
この制度を受けるためには”雇用保険の加入期間が1年以上”という条件を充足する必要がありました。私の場合、社会人2年目以降でないと給付制度を活用できない、という状況でした。
USCPA取得にかかる一連の費用はとても安いものではありません。
予備校代+出願手数料+受験料(会場代+各州試験料)をすべて含めると100万円を超える出費となります。(アメリカの試験なので予備校代以外の費用は基本的に全て米ドルですから、円安下だとその出費はさらに上がります。)
そのため、この制度を活用して少しでも安くしたい!という思いがありました。(※USCPAの場合、当時は10万円の給付を受けることが出来ました。)
なお、今振り返るとこの選択は『あまり重視すべきものではなかった』と思います。社会人1年目にとっての10万円はとても大きいように感じますが、その反面、『仕事でもアサインメントの少ないこの時期に出来る限り学習を進めることが出来ていたらもっと受験が楽になったかもしれない』と思います。
”取得費用の負担よりも学習に取り組みやすい時期を重視する”という意味では、大学生でお金に余裕が無い状態であっても、お金を工面できるのであれば学生の内に受講を進めるという選択はありだと個人的には思います。(最近、大学生のうちからUSCPAに挑戦される方が増えているようです。先日もOB訪問でUSCPA学習中の学生さんとお会いしました。皆さんの勇気と英断に、私は心から敬意を表したいと思います。どうか最後まで走り切って下さい。)難関資格に対する不安
3つ目の理由は、”働きながら難関資格を取得することへの不安”です。
USCPAの情報を収集する過程で、実は社内にもUSCPA取得を検討していた方が多くいることを知りました。しかし、その多くが業務繁忙を理由に途中で脱落していたのです。(ネットでもUSCPAを撤退した方の情報を見つけることは可能ですが、あまり多くはありません。”生存者バイアス”という言葉通り、脱落者のの多くは無言で去っているのだと推察します。)
自分の会社で働きながら学習を継続することへの不安が拭えず、挑戦に踏み込めなかったのでした。
以上がUSCPAを知ってから挑戦までに約8か月の期間があった理由です。
もし、今の私が当時に戻って選択できるとしたら、『挑戦を先延ばしにせず、即断即決で取り組む』と思います。
空白期間も後述の通り、最大限有意義に活用したつもりではありましたが、『社会人1年目の”ゆとり”期間をもっと最大限活用した方が良かった』と痛感しています。
事前準備:情報収集
次に、私が空白期間で行った情報収集についてです。
『ネット』と『リアル』の双方から多くの情報を集めました。具体的には以下の通りです。
『ネット』:学習当事者から間接的に集めた情報(太字は特に役立った情報)
各予備校の情報:『費用』『合格者数』『合格確率(推測)』
合格者体験記:『経理経験』『事前知識』『学習期間』『学習方法』
撤退者体験記:『受験理由』『撤退理由』
『リアル』:学習当事者から直接集めた情報
社内のUSCPAホルダーに話を聞く:3つ上の先輩から二回り歳上の上司まで、ランチミーティングをお願いしました。
社内のUSCPA学習者に話を聞く:後に予備校を紹介して頂きました。
各予備校主催の合格者体験セミナー聴講:オフラインで参加、終了後にお話を伺うこともありました。
事前準備:簿記2級
私が簿記2級の受験を決めた理由は以下2つです。
短期合格者の多くが簿記2級程度の知識を有していたこと
学習ペースの把握
短期合格者の多くが簿記2級程度の知識を有していたこと
情報収集の過程で『USCPA挑戦前に簿記2級程度の知識は持っていた』という方が多くいることを知り、受験を決めました。学習ペースの把握
2点目は”学習ペースを把握するため”です。
当時の私は、自分が働きながらどれだけ学習に向き合えるか、正直わかりませんでした。『簿記2級に苦戦するようでは到底USCPA取得は不可能だ』と思っていたので、学習開始から1.5か月で取得すると決めて短期集中で取り組みました。
結果、自分の立てた計画通りに合格することが出来ました。この経験が、『自分ならUSCPA取得まで完走できる』という自信にもつながりました。
簿記2級の知識がUSCPAに役立つ側面はもちろんありますが、100%役立つわけではありません。(複式簿記の基本を理解する、という意味では簿記3級で充分だと思います。)
それ以上に、『挑戦前の前哨戦として簿記2級で自分の学習ペースを測る』という意味で大変有用だと感じました。
事前準備:英語力の把握(TOEIC受験)
普段仕事で英語を使う機会はあれど、私はもとより英語に苦手意識がありました。そこで、入塾前にTOEICスコアを測るために受験をしました。
ご参考まで、私の学習開始時点のTOEICスコアは『880点』でした。
予備校入塾
私がAbitusを選んだ理由
社会人2年目の春、満を持してAbitusに入塾しました。
私がAbitusを選んだ決め手は以下3つです。
当時合格者数が圧倒的に多かったこと
先輩の紹介を受けられたこと
受験手続きまでのサポートの手厚さ
当時合格者数が圧倒的に多かったこと
事前の情報収集の段階で、合格者数が圧倒的に多かったのがAbitusでした。合格者体験記や体験談セミナーも充実しており、自分が取得する明確なイメージが出来たのが大きかったです。先輩の紹介を受けられたこと
2つ目は、”先輩の紹介を受けられたこと”です。
1点目の理由とも重複しますが、身近にAbitusで成功している方がいたことで、自分も完走出来るという気持ちが強くなりました。(紹介割引により、入会金が安くなったのも大きかったです。)受験手続きまでのサポートの手厚さ
3つ目は、”受験手続きまでのサポートが手厚かったこと”です。
USCPAの試験を受けるためには、出願州の求める要件を充足する必要があります。その中には、”会計学○○単位”といった単位要件が含まれているのですが、アメリカの試験なので日本の大学を卒業している場合は英文成績書を取り寄せてアメリカの専門機関に郵送し評価を受ける必要があるのです。
また、私の場合は後述する通り、大学卒業時点で履修した単位数が出願州(アラスカ州)の要求する単位数に満たなかったため、追加で単位を取得する必要がありました。Abitusではアメリカの大学と提携しているために簡単に単位を取得することが可能でした。
学歴評価から単位取得まで、ノンストップでサポートをしてくれること(資料が用意されているだけなので各自で確認の上勧める必要はあります)が非常に魅力的だったのです。
学習計画1.0
入塾する前に、私は”予備校から取り寄せたUSCPAに関する情報”と”簿記2級で得た自分のデータ”を基に学習計画を作成しました。
当時、私が立てた計画は大まかに下記の通りです。
総学習期間:1.5年間
単位取得:2か月
FAR:6か月(FAR1-3:2か月 / FAR 4:1か月 / FAR 5:1か月)
AUD:4か月(AUD上巻:1か月 / AUD下巻2:1か月)
BEC:3か月(BEC :1か月 / WC:1か月)
REG:3か月(REG1-2:1.5か月)
学習時間/週:20時間+α
学習時間/日(平日):2時間+α
学習時間/日(休日):5時間+α
総学習期間:1.5年間
私が総学習期間を1.5年間としたのは下記2つが理由です。
当時は1科目合格後から1.5年以内に全科目に合格する必要があったこと
短期合格者の総学習期間の上限値が1,500時間であったこと
”前哨戦”の結果、100時間/月の学習が可能だと判明したこと
当時は1科目合格後から1.5年以内に全科目に合格する必要があったこと
私の受験当時、1科目目の合格後から1.5年以内に全科目合格をする必要がありました。そのため、不測の事態に備えてその倍の速度で合格するプランを立てました。(上記図のFAR受験タイミングが8か月目です。合格通知は大体1か月後でしたので、8+1=9か月目から最終科目REGの受験(18か月目)までの期間がちょうど9か月(18/2)になるように調整していました。)短期合格者の総学習期間の上限値が1,500時間であったこと
事前リサーチの結果、1年半以内に合格した方の中で最も学習していた方が1,500時間でした。このデータから、”最大1,500時間の学習時間が確保出来れば十分に合格することが出来る”と判断しました。”前哨戦”の結果、100時間/月の学習が可能だと判明したこと
”前哨戦”である簿記2級の受験時に日々の学習時間を計測していました。結果、私の場合は100時間/月であれば無理なく学習を継続出来ると分かりました。”前哨戦”で得た自分自身の情報をUSCPA学習に活用出来たのは非常に大きかったと感じます。
学習時間/週:20時間+α
これは”前哨戦”で実際に得た私自身の情報です。
内訳を記載すると以下の通りです。
平日:2時間+α
始業前に2時間の学習が可能であるため。(5時起き習慣の常態化)休日:5時間+α
平日同様、早朝の学習+余暇時間3時間の捻出が可能であるため。
※勿論、終日友人と遊ぶ予定が入っていたり、時には宿泊イベントもありましたが、平均して5時間程度であれば捻出可能でした。
この学習時間をどのように4科目に割り振ったかについてですが、これは予備校のカウンセリングを基に作成しました。
ご参考まで、当時のメモによると以下4点に留意して作成したようです。
・学習開始から半年以内に1科目目受験を行うこと
・FARとAUDが全体の70%の負担と感じやすいこと
・AUDとBECは2・3科目目(順不同)を推奨していること
・REGは毛色の違う科目のため、最後に集中して取り組むこと
単位取得まで
一連の学習計画を立てた上で、出願要件を満たすための単位取得および各種手続きを開始しました。
私の場合、かなりの単位を追加で取得する必要があったため、ほぼ全科目の学習を幅広く行う必要がありました。
単位取得当時は”確りと理解して100%で合格してやる”という気持ちで取り組んでいたのですが、今思えば『時間をかけすぎた』と感じます。(単位取得時に学んだ内容を後続の各科目の学習時に振り替えることになるのですが、お恥ずかしい話、半分以上忘れてしまっていました。)
ともあれ、当初計画していた通り、2か月ですべての単位を取得し、もろもろの受験手続きを開始。学習3か月目より、いよいよFARの学習へと移りました。
終わりに
以前の記事の繰り返しになりますが、予備校に入塾してから最終的に4科目の試験を受けるまで、私は約2年かかりました。(当初予定していた1.5年から若干遅れています。この点についても次回以降の記事でお伝えしていきたいと考えています。)
この記事を通じて今から挑戦しようとしている方にお伝えしたかったのは、
・(クリティカルな理由が無い限り)挑戦を先延ばしにすべきでない
・途中で撤退しないためにも、事前の情報収集は徹底すべき
・簿記2級は必須ではないが、”前哨戦”としての受験は推奨
という3点です。
私自身の失敗や反省が少しでも参考になるよう、次回以降も各科目の経験を書いていきたいと思います。
最後までご覧頂き、有難うございました。それでは。
次回の記事はコチラ