見出し画像

蘇生措置を試みない?DNARが守る患者の尊厳とは

こんばんわ、ゆう太郎です。本日はDNARという馴染みのない言葉かもしれませんが、多くの人がいずれ向き合うテーマについて記事にしていきます。ぜひ読んでみた下さい。

救急出動におけるDNAR(Do Not Attempt Resuscitation)と家族との向き合い方


日本は超高齢化社会を迎え、今後ますます多くの高齢者が医療の現場に登場します。特に救急医療の現場では、患者の状態を迅速に判断し、最適な処置を行うことが求められます。しかし、すべての患者が蘇生措置を必要とするわけではありません。ここで重要になってくるのが「DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)」という概念です。DNARは直訳すると「蘇生措置を試みない」という意味ですが、この指示がなぜ重要なのか、そして家族との向き合い方について考えていきます。


1. DNARとは何か?


DNARは、医療現場で患者が心停止や呼吸停止に陥った際に、人工呼吸や心臓マッサージといった蘇生措置を行わないという指示です。多くの場合、この指示は終末期にある患者や回復の見込みがない患者に対して出されます。例えば、重い癌や神経難病、末期の臓器不全など、治療が無意味とされるケースです。


DNARが設定される理由:


患者の意向:患者が治療を希望しない場合や、無駄に延命を図ることに反対している場合。


医師の判断:蘇生措置が施されても回復の見込みがない、または患者にとってのメリットがないと判断された場合。


患者の尊厳を守るため:延命治療により不必要な苦痛が増す可能性がある場合。



2. 超高齢化社会におけるDNARの重要性


日本は急速に高齢化が進んでおり、今後ますます高齢者が医療を必要とする場面が増えることが予測されています。そのため、救急出動時においても、蘇生措置が必要かどうかを判断する際にDNARを考慮することがますます重要になります。


特に高齢者においては、疾病が重篤であり回復の見込みが薄い場合でも、救急隊が無理に蘇生措置を試みることが多いです。しかし、患者がすでにDNARの指示を出している場合、その指示を尊重し、無駄な延命を避けることが患者にとって最良の選択となります。


3. 家族との向き合い方


救急出動時にDNARの指示が関わる場面では、家族の理解と協力が欠かせません。特に高齢者の家族にとって、親の命を救うためには全力を尽くすべきだという強い気持ちがあるかもしれません。しかし、無理に蘇生措置を行うことが患者にとって本当に最善なのか、冷静に考える必要があります。


家族と向き合う際のポイント:


1. 事前の話し合い:DNARに関しては、事前に家族と話し合っておくことが非常に重要です。患者本人が健康なうちに、どのような医療を受けたくないか、または希望しないかを確認し、家族全員でその意向を理解しておくことが大切です。



2. 説明と理解:もしも急病や重篤な状態に陥った場合、救急隊員や医師は家族に対してDNARの意味とその背景を丁寧に説明する必要があります。多くの人はDNARという言葉に馴染みがなく、その意味を十分に理解していない場合があります。説明を通じて、無理に蘇生を行わないことが患者の尊厳を守る最善の方法であることを納得してもらいましょう。



3. 感情への配慮:親しい家族の死を受け入れるのは非常に辛いことです。特に、高齢の家族に対して「もう治療しない」と決断するのは感情的に大きな負担となります。そのため、家族の不安や悲しみに対しても共感し、支える姿勢が必要です。



4. 優先順位の共有:家族と一緒に、最期を迎える過程で最も大切にしたいことを再確認します。痛みや苦しみを和らげることが最も重要であり、延命がそれに反する場合には、DNARが適切な選択であると伝えましょう。




4. まとめ


超高齢化社会において、DNARは単なる医療方針の一つではなく、患者の尊厳を守り、家族が最期をどのように迎えるかを考えるための重要な指針です。救急出動の際には、事前に患者や家族とDNARについての認識を共有しておくことが、無用な苦痛を避けるために大切です。


家族との向き合い方としては、事前の話し合いを持つこと、十分な説明を行い、感情に配慮しつつ、患者の最良の選択肢を共有することが求められます。最期の時を迎える際、患者にとって最も安らかな道を選ぶことが、救急医療における最も重要な役割です。

私も、家族と向き合いたいと思います。では、また!

いいなと思ったら応援しよう!