僕の小規模な退職 その50
6年前に転勤で来た。
5年前には会社を辞めたいと思った。
人が信用できなくなった。
他人が何を考えているのか怖くなったのだ。
自分がどう思われているのか。
何かに利用されるのか。
利用しようと思っているのか。
常に値踏みされているような気持ちになる。
5年という年月は長い。
人を信用する気持ちがなかなか復活できない。
5年前に辞めていたら違ったのだろうか。
人を信用する気持ちがここまで無くなってはいなかったのだろうか。
あの時、辞めていたら良かったのだろうか。
今よりも5年も若い自分。
マイナス5歳分のやる気と可能性があったかもしれない。
5年前に辞めるべきだったのだろうか。
いや、そんなことは無い。
辞めたいと思いながらも辞める決定打は無かった。
だから辞めなかった。
あの時辞めていても「次どうしよう」と今と同じように悩んでいただけだ。
いや、今よりもひどいだろう。
もっと苦しんでいたかもしれない。
辞める事で他者を恨んだりしていたかもしれない。
自暴自棄になっていたかもしれない。
だから当時辞めなくてよかったんだ。
5年前は、その時じゃなかったという事だ。
今がまさにそのタイミングだったのだ。
今だって「今年こそ辞めよう」と決めて辞めたわけじゃない。
何も起きなければズルズルと辞めずにいたはずだ。
でも辞めるきっかけがあった。
それで辞めた。
だから辞めるべくして辞めたんだ。
今年、まさにその時が来たのだ。
運命で決まっていたのだ。
辞めることが。
辞めて良かったのだ。
44歳。推定無職。5年前じゃなく今年だったんだ。
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