自分なりの研究計画書 その1
「頭で考えてちゃダメだ。まずは行動しろ」というのは重々承知のうえで、しばらく自粛をいいわけに、自分のやろうとしていることをまとめる期間としたいと思います。
「情報生産者になる」(上野千鶴子,2018)を参考に、研究計画書風に。
主題(問い);ソーシャルワーカーとは何者か?
ソーシャルワーカーが「何をする人なのか」を簡潔に、具体的に説明できる人に会ったことがありません。
養成課程でも「人と環境の交互作用に介入しナントカカントカ」と説明され、現場でも相談員などの所属機関における役職名をなのるか単に相談員と呼ばれることがほとんどです。これは社会福祉士資格においても同様です(名称独占資格なのに)。
職能団体である社会福祉士会においては、社会福祉士の認知度向上が叫ばれていますが、新米の身ながら「それよりまず」と思うところです。
内容(この研究で何を獲得したいのか);
子どもたちにも役割を説明できる言葉
機関に所属する当てのない僕としては、社会的信頼性をどうするかが最初にくる問題なのですが、まずは「何となく話しかけてくるオジサン」から始めるしかありません。もっとも、アウトリーチと呼ばれる活動(窓口で待つのではなく、SOSの出せない人に積極的にかかわる活動。福祉における営業やマーケティングのようなもの)を行なっている人たちは、そこから始めているようです。オジサンかはともかく。
ただ、経験の浅い身としては、だいぶ心許ない。「何となく」で受け入れてもらえれば良いが、自分自身を説明できなければ、「怪しいオジサン」にしかなれない。せめて子どもらに自己紹介したときに「そうなんや」くらいの反応はほしいところです。
ポジショニング(自分の立ち位置);
当事者でも専門家でもない人
僕は、子どもらに関わりたいと思っているだけで、何らかの当事者、経験者というわけでもありません。専門家や専門職といったスタンスにも違和感を持っています。
先行研究;
国際ソーシャルワーカー連盟 グローバル定義 ほか
上野さん(2018)によると、「先行研究」で明らかにしておくことは、それまで問いを問いとしてこなかった研究や、問いとなるものを「問題(レッテル的な意味で)」にしてしまった研究や人々へのクレームの申し立てだそうです。なので、皮肉的になるかと思いますが、以下を見ていただきたい。
国際ソーシャルワーカー連盟は、日本社会福祉会なども加盟しているソーシャルワーカーの国際組織です。
“ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす。ソーシャルワークの理論、 社会科学、人文学、および地域・民族固有の知を基盤として、ソーシャルワークは、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかける 。この定義は、各国および世界の各地域で展開してもよい 。”
子どもへの自己紹介に使えるとは思えません。
福祉にかかわる助言や指導を行う人、と説明されることもあり、簡潔で具体的とは言えるものの福祉に携わる人なら誰でもやっていることと言えます。それを専門的に行うのだ、という説明もあるかと思いますが、助言や、特に指導の専門家であることの弊害というのはあると思っています。
仮説(思い込みや先入観の自覚);
前の投稿で、自身が感じてきてきた違和感やノイズを、情報や物語に作り変えて発信したいと書きました。子どもらにとっても、自分のありのままに納得できる物語を見つけ、発信することは意味のあることだと思っています。僕は、その過程に伴走し、勇気づけたり一緒に悩んだりするソーシャルワーカーになりたいと思っています。
一方で、ビジネス書などを読んでいると「プロダクトアウト」「マーケットイン」という言葉が出てきます。プロダクトアウトは、「これがiPhoneだ!」というように作り手の拘りの品やサービスを発信するやり方。マーケットインは、ニーズを聞いてから作れるものを考える方法。
グローバル定義が詰め込み過ぎなことや、相談者の話を聞き本人も気づいていないニーズを見つけること(アセスメント)が相談業務(対人援助)の基礎とされていることから、ソーシャルワークは、マーケットインで考えることが前提になっているのかも知れません。
逆にいうと「何となく話しかけてくるオジサン」からであっても、まず動かないことには仮説も立たないと言えるかもしれません。
採用するアプローチ;
「情報生産者になる」(上野千鶴子,2018)
「子ども・若者が創るアウトリーチ」(荒井和樹,2019)
「ナラティヴ・ソーシャルワーク“〈支援〉しない支援”の方法」(荒井浩道,2014)
研究対象;子どもの居場所やサードプレイスに集まる子ども ほか
制度の狭間問題(既存の制度の対象になっていないが困っている人はいること)のこともあり、限定はしたくないのですが、第一歩として。
研究方法(データの収集方法・分析方法);ナラティブ・ソーシャルワーク、参与観察
別の機会に改めて説明したいものですが、ソーシャルワークの手法の一つであるナラティブソーシャルワークというやり方で子どもたちに関わり、関わりのなかで感じたことを記録していく形でデータを集める方法を取りたいと思います。
あくまで僕の感じたこと、自分の目を通したことを集めます。参与観察という都合の良い言葉があるようなので書いてみましたが、子どもたちが持つ物語は、子どもら自身が発信するかどうかも決めることで、勝手に語れないという思いがあります。
分析方法は、ある程度客観的にみるためにkj法での言説分析というのに挑戦したいと思っています。
研究の意義と限界;
子どもの居場所づくりに取り組んでいる方たちからみた子どもたちのニーズについては、すでにいくつかの報告がされていますが、少し離れてた立ち位置からみたものとしては意義があると考えています。
学校におけるものはスクールソーシャルワーカーの領域になり、不登校の状態で外につながりを持てていない子どもについては、ニーズが予想されるものの、どう関わっていくかもふくめ今後の課題となります。
日程;新型コロナの状況次第で調整
今後 各項詳細の検討、計画の見直し
4ヶ月後 地域へのアプローチ、篠山イノベーターズスクール参加など
7ヶ月後 分析およびレポート、計画の見直し(2回目)
まとめてみると
まとめてみると各項目についても自分でも浅さが見えてきますね、、、
時間だけはあるし、ひとつひとつも見つめ直せたらなと思います(意見とか付かないかな)。
本来は、費用についての項目も計画するのですが、どこからか研究費をもらう宛もないので、省略します(書けませんでした)。収益化やマネタライズというのも考えていきたいとは、思うもののまずは行動できてから。また、計画倒れと言われないようにしないと、、、