学びのグループを作りたい
以前から考えては実行できずにいたことなのですが、通信制大学で学ぶ人やMOOCなどの仕組みを使って学ぶ人たちを対象にしたアウトプットと触発を共有できる場を立ち上げてみたいと思っていました。
僕は、これといって“売り“になるものも持っておらず、なかなか踏み出せずにいたのですが、人が集まらなかったとして何か困るわけでもないと思い直し、エイやと“場“だけ作ってみました。
プラットフォームは、当面、Facebookグループを中心に使っていこうかと思っています。自分が「学問」する中で考えたことをそのグループ内でもんでもらい、このnoteでは、ある程度まとまれば記事として書いていけたらと思っています。今回は、グループを創ろうと思った趣旨や想いのようなものを書かせていただきます。
グループ名は、『通信制大学を使って学び合う 半独学サークル』としました。
大学での学び、「学問」 ー自ら「問い」を立て、考える
放送大学をはじめ通信制の大学では、どうしても『講義型』の科目が中心となります。マークシートやオンラインシステムを利用した『選択肢式』での試験が唯一のアウトプットという大学も増えているようにも感じます。
自身で調べ考えて書くようなレポート方式は、学ぶ側にも採点する側にも負担が大きいのは確かです。しかし、「高校までとは違う、大学での学び」としては少しもったいないのではないでしょうか。
自ら「問い」を立て、検証・考察し、発信する。そして、出来ればその話題について意見を交わす。それが、大学での学びや「学問」と呼ばれるような学びの一番面白い部分です。
「学び」にとっての対話 ーアウトプットとレスポンスと『触発』
自ら立てた問いを考えていくことに、正答や答え合わせのようなものはありませんが、独り良がりにもなりがちなのも確かです。
最近、『哲学』分野の講義を受ける中で、実験や統計調査のような『実証』を行わない、あるいは実証する方法がないテーマを考えるような学問は、どうやって客観性を持つのだろうということを考えていました。哲学は自分が納得できれば良いもので、そもそも検証するということを考えないのだろうかとも。
しかし、その科目で提示されている参考文献や、関連する書籍で学びながら、「『哲学』での検証にあたるのは『対話』なんだ」と考えるようになりました。対話のなかで違う視点を見つけたり、考えをブラッシュアップしていくのが「哲学」のやり方なんだなと。(もちろん、哲学には、書物の中の哲人と対話するような研究方法や、自分のなかで批判的な考察を繰り返すというやり方もあると思いますが。)
この対話の有用性は、昨年に『アカデミックスキル』や『アクティブラーニング演習』といった科目を受けたなかで感じた「学びの要点」にもつながるものでした。主張や意見だけでなく、なぜそう考えたのかというプロセスも含めたアウトプットを共有しあうことで、それぞれが触発を得ていくことが「学び」においても大切になっているのです。
アウトプットを共有できる場を作りたい
ただ、通信制の大学を選択する際に、よくデメリットとして話題にあがることに、孤独な学びになってしまうことがあります。これは継続性においての問題でもありますが、通学制でのゼミのようなアウトプットの場が持ちにくいという点では、学びの質にも関わってくる問題とも言えます。
そこで、SNSよりかはある程度クローズなオンラインの場で、「まだ世間一般に向けて発信・主張するほど深まってはないけど、レスポンスがあったら嬉しい」というくらいのアウトプットを共有する場が作れないかなと思いました。
まだ未成熟でも、「何故そのような考えになったか」が含まれているアウトプットには、最終的な主張や意見は違いっていても、触発される何かが生じます。自分とは違う視点だったり、発想だったり、「そういう考え方もあるのかー。」という感覚です。
この「違う視点」に触れる機会というのは、既存の知識を教えられるのではなく自ら学ぶことにおいては、特に重要なことになります。グループ名に『半独学』とした入れたのは、独りだけで学ぶという意味ではありません。誰か先生に「教えてもらう」のではなく、自分で考え答えを見つける学びをしたいという意味です。そして、自分で考えて答えを見つけるためにこそ、『対話』する仲間が必要なのだと思います。
各大学にも独自のSNSを設けており、そういったものを活用するのも手だとは思うのですが、若干、単位の効率的な取り方などの情報交換だったり、同窓生の交流といった意味合いが強いように思います(いくつかの大学のものしか体験してませんが)。一方、このnoteに限っても、自身の読まれた書籍についてや考えをブログなどで発信されている方も多くいらっしゃいます。しかし、特に僕がそうなのですが、考えをまとめるのに時間がかかったり、考えている途中のものは発信するのに躊躇があるということもあるのではないでしょうか。
そこで、比較的クローズな環境で、途中のものでも意見や考えを交換できる場という位置づけでできないかなと思いました。
これまでの経緯とか、想いとか
noteの最初の記事として書いた自己紹介で少し触れていますが、僕はうつ病経験者です。今でも、社会人としてちゃんとやれているとは言えません。
そんな中でとった社会福祉士の資格は、再就職を与えてくれるということは残念ながらありませんでしたが、「通信制大学で学ぶ」ということや、学ぶことそのものの面白さ、学問への関心を与えてくれました。また、「通信制大学」はもっと活用できるインフラというのか“制度“なんじゃないかと思うようにもなりました。
このグループは、学位や資格を取るためTipsであったり、それらをキャリアや経済的に活かすようなアドバイスを提供することを目的とした場ではありません(自分にできるかぎりの情報提供は頑張りますが)。そして、通信制大学は、様々な状況や事情があっても学位や資格を諦めず目指せる、その為の場所ではあります。
だけど、僕がこれまでに感じ、誰かと共有したいと思ったのは、「学ぶことそのものも面白いし、その面白さは誰でもどんな状況でも享受する権利がある」ということなのです。そして、この日本では、それを可能にしてくれる社会が営まれています。
不登校の経験、社会的養護、経済的な困難、ヤングケアラー、困難というほどではなくても「勉強」が学ぶことだと教えられてきた勉強嫌いの人、地方住まいで都会に出ることを選ばず地元で就職や家事を選んだ人。そういった人たちは、経済的な競争においては不利となってしまう事情を持っているといえるかもしれません。しかし、事情がゆえに他にない視点を持っていることは、こと「学問」をするということに置いてはこの上ない強みとなります。そういった人達にこそ、学問することの面白さ、自ら考え学ぶ楽しさを人生に取り入れてほしいと思います。
FBグループ『通信制大学を使って学び合う 半独学サークル』について
活動内容は、単純で、それぞれが学びの中で考えたことや意見を共有しようです。未熟な状態の考えでもアウトプットして互いの触発につなげたいというスタンスなので、いくつかルールは設けたいと思いました。
また、Facebook自体が用意した内部ルールの雛形のようなものもあったのですが、若干趣旨的に合わないところもあり、「ガイド」という機能を使って独自ルールを掲載しています。なので、もしかしたら他のグループに比べ、一般的でない内容になっているかもしれません。
例えばですが、政治や宗教についての話題も禁止はしていません。政治学や宗教学を学んでいる方もいらっしゃると思うし、その分野の方にも是非参加してほしいからです。
ただ、「勧誘行為」は禁止しています。当然、中傷やヘイトも厳禁です。
逆に、その投稿内容への批判的なレスポンスもあるでしょう。学問や学術といった場では、「批判」は、「間違いを正してやる!」というものでなく、反証を試みるとか別角度から考え意見を出すという意味で、どちらかというと推奨されるレスポンスになります。そのため、政治や宗教は熱くなりなりやすい話題ではあるので、中傷やヘイトに及ぶような投稿が増え、未承認や削除をしなくてはならないことも多くなる可能性はあります。
また、宣伝や営利行為も全面禁止はしていません。書籍やセミナーの紹介というのも情報交換もあって良いですし、そのセミナーが、有料で本人の企画であれば営利行為といえますが、情報としては禁止すべきものでもないと思います。これもスパム的な勧誘は消しますし、グループとしてその書籍などの内容を保証するものでもありません。
「どっから中傷で、どっから勧誘行為なのか、ラインをはっきりしてもらわないと分からないよ!」という方もいるかもしれませんが、流石にそういう方は参加を見合わせていただければと思います。
あと、著作権やプライバシーに関して、引用をもちいた投稿は、大学のレポートでやるような一般的な引用ルールで問題ないのですが、グループ内での投稿に関しては引用であっても本人の承諾をとっていただくようお願いしたいと思っています。これは、このグループが考えている途中の意見や考察でも共有しあえる場にしたいからです。
最後に、お誘い
僕の関心は、不登校や社会的養護といった立場の人に何かできないかといった児童福祉から始まっていました。noteを書き始めた頃に思い描いていたこととは幾分違ってきており、実は今回、「これが僕の辿り着いたソーシャルワークです!」と宣言したかったのですが、正直なところ、結局、僕はそういった人たちと繋がりを持って、一緒に学問したいから、それができる場を創りたいと考えたのだと思います。
このグループが上手くいくか、人が集まるのか、誰かのためになるのかわかりません。でも、僕も今、修士取得を目指そうと思っています。これは、取ることが目標というより、“やってみる“ための方向づけなのですが、考え学びたいことはたくさんあります。「“役に立たない“と言われる学問は、本当に役に立たないのか」「社会が求めている成果を追求しなければ、学問は自己満足なのか」「生産性だけでしか成果は測れないのか」、、、。自分自身が当事者であるテーマで、教育学とも社会学ともつかないのですが、学びに関心を持つ人との繋がりがもてれば自己満足だけでない何かが得られるのではと思っています。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
一緒に、学びを楽しんでみませんか?
Facebookグループ『通信制大学を使って学び合う 半独学サークル』
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