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ほぼ絶縁していた実家の父の家族葬をしたよ日記 閑話休題その2

4着のブラックフォーマルのこと

今回の喪服は、人生4着目の喪服です。
もう、いい。もう、喪服にからだは合わせなくていい、と思っています。

1着目と2着目は、今から約25年前、結婚前に母が用意したものです。
1着目は着物で、黒の喪服でした。なんか紋がついてたような。これは、訪問着といっしょに当時家に出入りしていた着物屋さんにしつらえてもらったのでした。
(いっぺんも袖を通していないので記憶もあやふやです(;’∀’))

2着目はほぼ同じころ「嫁入り前だからきちんとした喪服、数珠、フォーマルで使う真珠のネックレスとイヤリングぐらいは揃えておかないと」と言われ、なすがまま、地元の西武で、カツラユミかなんか、デパートに入ってる系のブランドの洋装の喪服を購入したのです。
たしか、ワンピースに、ボレロかなんかはおるタイプのもの。

店員さんの「奥さまになって、ふっくらされても着られるように、ゆとりのあるものをお選びになってくださいね」というアドバイスなんて、そのときはまるっきり他人事で、なんだそれ、ふっくら奥さまって、などと思っていたのです。

3着目は、東京にいたころに購入しました。
吉祥寺の東急デパートのブラックフォーマルのコーナーで買ったものです。
たしか、2014年ごろ、今からおよそ10年前で、結婚前に持たされた喪服がきつくなっておおり、お通夜出席のために慌てて購入したのです。
ふっくら奥さまという言葉を笑った私ですが、ふっくらにはなってしまっていました。

そのとき購入したのは、ツーピースっぽく見えるワンピースに、ジャケットをはおるタイプのもの。
そのときも、長く着ようと価格帯は3、4万円あたりの、しっかりしたものを選んだ記憶があります。

なぜ価格帯を覚えているかというと、そのとき、なぜかお会計を間違えられて、家に帰ってから気づいて連絡し、2万近くを返金してもらったからです。
デパートでもそういうの間違えることってあるんだ!! 大都会東京ではぼうっとお会計していてはいけない……と、しばらくは会計時にかなり神経質になっていた記憶があります。

で、4着目が今回です。
3着目を着るには、私は、さらにふっくらしてしまって、もうぱっつんぱっつんなのでした。
いくら家族葬だとは言っても、それは、いけない。
新しい喪服を買わなければ。

振り返ってみると、3着目の10年前ぐらいまでは、今までのアドバイスの刷り込みがきいていたのか、大枚をはたきました。
いわく、
「一生使うものだし……」
「黒は値段によって質感と光沢が全然違うから、お葬式のように見られる場ではいいものを身につけないと、みずぼらしくなってしまう……」

みたいな、親世代の意見の刷り込み。

今回は、私の中の刷り込みがうすれていて。
あれ、そうかな? その意見、必ずしもそうじゃなくね?
光沢って、あんな場でわかる?
百歩ゆずって、真珠・パール。あれのよしわるしは光沢でわかるかもしれないけれど。
家族葬ならなおさら、喪服は、たとえばコットンのゆるふわブラックワンピでも許されるのでは?

ていうか、女子的なからだの変化の嵐の前には、一生使える服なんてものは滅多になく、というのも布は劣化してしまうからで、古くて質のいいものより、新しくて質はそれなりの方が、見栄えはいいこともあって。
デザイン面の流行も移ろっていくものだし。

それでいろいろ思い出しましたが、お姉さん世代、たとえば山咲千里さんとかの「アライアのこの服を着続けるために、このボディを死守」とかいうノリで、喪服も「これ着られなくなるほど太ったらほんとうに女子としてダメ」みたいには、実はちょっとだけ思ってました。

それは確かに一理あるんだけれど、それこそボディの在り方も多様になったんだから、そういうの思いすぎるのもちょっと違うな、ってなって。

今回は、マルイの通販で買いました。
もう、喪服にからだは合わせない(合わない)。
喪服のほうが合わせてこいや!!!!

マルイはサイズも豊富で、お手頃にいいものを買えました。2万もしてないと思います。
ウエストが絞られていない、すとんとしたタイプのワンピースにジャケットです。
できれば、ラストの喪服にしたいとおもっています。

ていうか、お葬式は悲しいからいやだな。
みんな、健康で長生きしてほしい。
みんな、どうか死なないで。

けっきょく、母に持たされた黒の喪服は、一回も袖を通していないのです。
訪問着も、桜の模様で季節を選ぶものなので、タイミングが合わず着ていなくて。

体形を服に合わせるなんてもういいや。
そう思ってはいますが、でも実は、体形の変化にともない、内面もゆるく優しくなり、昔のキレがなくなってきたのを感じます……。

夫もたまに言います。「ナオは昔のほうが厳しかった……今は、やさしくなったっていうか……(体形のゆるみにつれ?)昔のキレは、なくなったよね……」と。
弛緩しすぎても、ダメ、かもしれない。
ごめんね。

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ほぼ絶縁していた実家の父の家族葬をしたよ日記です。 没後から49日ぐらいまでのあれこれをまとめてどうぞ。

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