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皆本
2014年10月11日 22:58
真上に軽く放り投げたリンゴを受け止める。かこっ、というような音と感触が手に心地よかった。ベッドの中の紫の顔は赤く、冷えピタが額に貼りついている。「紫」と書いて「ゆかり」と読む。ゆかりちゃんだ。そう呼んだことは一度もないけれど。弱っているところなので、そう呼んでみてもいいかもしれない。いつもクールな感じなので、照れたりするかもしれない。世界一かわいいよ、と言いたい欲望はいつもある。 紫様がお望み