カレーのとろみ | 1stアルバム『ナタクラゲ』制作日記#14
ナタクラゲです。
今日は音楽ではなく、千本槍みなものほうの作業をしていました(います)。
ショート動画です。
最近流行りのスリックバックです。
浮いてるように見えるやつです。
流行に疎い私でも知ってるということは、相当流行ってるのでしょう。逆に言えば、私のような靴磨き少年が語ってるということは、流行の終わりが近いのかもしれませんが。
千本槍みなもはVTuberなので、これをバーチャルでやりたいという発想です。リアルとの違いは、バーチャルなら本当に浮くことができるという点です。
これを実現するために、スマホで撮った動画をThreeDPoseTrackerというソフトでモーションキャプチャーし、BVHファイルというものに書き出してBlenderで読み込みました。このときThreeDPoseTrackerの方でEnforce Humanoid Bonesのチェックを外しておかないとアーマチュアの構造が違うものになってしまったので気をつけましょう。
そしてBlender上でみなものVRMファイルを読み込み、アクションというものをBVHのアーマチュアからVRMのアーマチュアに移すということをしました。
ここで問題があって、そのまま移すだけだと、全体が平行移動するだけで、全く動かないんですね。
理由は、回転方法の違いでした。BVHの方のアーマチュアはオイラー角なのに、VRMの方はクォータニオンだったのです。アクションはオイラー角を指定しているが、VRMの方はそれに対応してないから動かなかったというわけですね。これはBVHを読み込むときのオプションでクォータニオンを指定すれば動くようになります。
しかし、もう一つ問題がありました。ボーンの動きがおかしなことになっていたのです。これを解消するのにかなりの時間を溶かしました。
まず気付いたのは、名前が対応していなかったということです。もとのVRMファイルのボーン名にスペースが含まれているのがあったらしく、ThreeDPoseTracker→Blenderの処理のどこかでこのスペースがアンダースコアに置き換わってしまったため、アクションの指定するボーン名と対応がとれなかったようです。ここはBlenderの方でVRM内のスペースが入ってるボーンをすべてアンダースコアに置き換えることで解決。
(ちなみにこのスペースは頭に動くクラゲを付け足したときにボーン名を適当にしたツケが回ってきたものでした)
次のほうがクリティカルな条件だと思います。Blenderに読み込まれたBVHをよく見ると、腰あたりのボーンが1箇所だけ異常に小さく、しかも向きがおかしかったのです。テールの値がVRMの方と違っていました。VRMの方を合わせることで、ちゃんとした動きに修正されました。どのタイミングでずれたのかは、判然としません。
ともかくこれでモーションキャプチャーのとおりに動かせるようになったので、今はBlenderでそれっぽい動画を作ってます。
いやあ、こういうのはトラブルがつきものですね。ググっても出てこなかったりするので、結局は根気なのかもしれません。
ナタクラゲのアルバムも、根気よく作っていきたいと思います。
料理をしていると、「ラインがわからない」ことが多いです。
レシピに「玉ねぎが透明になるまで」とか「野菜がしなしなになるまで」とかよく書いてありますが、どこからがしなしななの!? となってしまうわけです。
流石にアルファ値まで指定するわけにはいきませんから、適当に書いてるのだと思いますが、もう少し親切でもいいと思うのです。
じゃあなんて書けばいいのかと言われると、難しいですけどね。3分とか時間で指定しても環境によって再現しないこととかあるので。
他の例だと、「じゃがいも、どこまで緑ならOK?」問題があります。じゃがいもの緑のところには毒があるから食べられないのですが、正常な黄色の部分との明確な境目があるわけじゃないので、判断に迷うことがあります。最終的にすべてが緑色に見えてきて、もう全部捨てたくなります。
他にはカレーのとろみですね。カレーは水の量を間違えるとシャバシャバになってしまいますが、煮込めばある程度調整できます。そこでどれだけ煮込めばいいのかが難しいのです。どこからがとろとろで、どこからがシャバシャバなのかがわからなくなります。今まで食べたカレーの記憶をたどりますが、そんなに細かくは思い出せません。漢字テストを受けているような気分です。
何回も食べたはずなのにわからなくなるカレーのとろみのように、人生とはそういう「地味に重要だけど割とどうでもいいこと」忘れてしまうということなのでしょう。
それでは。
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