どうだ、強盗は楽しいだろう!「RDR2」が俺の価値観を揺する(プレイ日記その4)
ベイブも星の王子も食人族も、「RDR2」の主人公アーサーも都会に行く。聞きなれない外国語のあいさつや、選挙権を求める女性。路面電車や盗品市場。
見慣れないものばかりで、視界をくるくる回して楽しんでいた。「トムとジェリー」でジェリーが都会に行ったときみたいに。
少し街を出ると、沼地、対立するギャング、ミシシッピワニが待ち受ける。馬がワニにおびえて振り落とされたりする。カバンにしてやる!(©シュワちゃん)
年齢性別さまざまなファミリーと共同生活するゲームなので、たとえば父親のいない少年ジャックと釣りに行く。
ゲームの釣りをこんなに「退屈」って言う人はじめて見た。
このゲームでの釣りは、あくまでも狩猟ができない子供にもできるメシの調達手段。ジャック少年とふたりで釣りに行ってはみたものの、待ってる間に退屈しはじめて、ジャックはそのへんの花をお母さんに摘んであげていた・・・何だこのイベント!
あとゲーム用にデフォルメされた巨大なブラックバスに慣れてるから、Rスティックぐるぐる巻いて釣り上げたバス見ても、何だこの小魚!
一方で、ファミリーの問題児「マイカ」から、ギャングの資金源にするために、行き当たりばったりな強盗をもちかけられる。
「前につかまったときに、ここを金持ちの馬車が通ると聞いた。」
それだけの情報で、無計画な強盗をもちかけて、奪った財産をボスへの手土産にする。高台で顔の下半分を覆って、待って、待って。
湖のほとりで魚がかかるのを待っていたときとは、みんなのテンションが違う。そしてタイミングを見計らって、馬のいななきと共に現れる! 逃げまどう金持ち!迫る保安官!銃弾が顔をかすめる!
強盗をもちかけたマイカが叫ぶ。
「どうだ 楽しいだろう!」
家事や釣りは退屈。強盗は楽しい。そういう価値観。ゲームの中のプレイスタイルの話じゃなくて、プレイヤーの実人生でも、常識からはずれることで得られる充実感があることを思い出させる。
現代劇の強盗なら罪悪感があるけど、西部劇の強盗の絵づらだとワクワク感が勝つ。リアルなゲームでずっと持ち物や移動に制限がかかっていたぶん、馬と列車を並走させて飛び移るとか、早撃ちで一気に勝負を決める無茶もきわだつ。
ゲームも人生も、お行儀のよいスタイルでは触れられない「旨み」の部分がある。そんなことを、絞首刑スレスレでもこりないヤバいファミリーから教えてもらった。