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罪悪感があるからクセになる(RDR2プレイ日記5)

「人をバンバン撃ち殺したくはないけど、空き家の引き出しくらいなら開けてみたくない?」ってゲームが誘ってきたんです!あいつらが先に誘ってきたの!だから僕は悪くないんです!

ドット絵時代のドラクエのタンスを開けてお金を手に入れても罪悪感はないけど、匂いを感じるほどの作り込まれた世界なので、犯罪が楽しい。

罪悪感があるからやめられない。爽快感だけなら、飽きる。隠し味程度に罪を感じるから、やめられない。

主人公アーサーたちギャング団は、追っ手の目をのがれて少しづつ南下している。工場の煙が空を覆う都会に入ってため息をつく。

馬をつないでおく場所がない。新しい生活を始めるにはカネの足りないファミリーがゆっくりと追い詰められている。シカやクマを狩って食料にしていた身だったのに、髪型とスーツをあしらえて外国人たちのパーティーに参加して、街の権力者と談笑する。

大規模なギャングを制圧できるほど強くはない。いまさら一般人にまじって生きることもできない。役人の見てない離れで強盗やケンカに巻き込まれる。

荒野でキャンプして生活していたときには頼りがいのあった、強面で武装したガンマンたち。
なのに、今は街の近くの空き家で隠れて生活している。その見た目が時代遅れ感を出し、シルクハットの文明人どもに田舎者扱いされる。

やっぱり強盗だ、俺たちはやれる、大仕事をして新しい生活を始めるんだ、と自分に言い聞かせるように話し合う大男たち、針で軽くつつけば弱音が噴き出して止まらなくなりそう。

印象的だったイベントは、女性の選挙権を求めるデモ隊に協力したこと。クマ撃ちしかとりえのない山男は護衛ですけど。髪型縦ロールのお嬢さまって本当にいたんだ。今ではギャグ扱いの髪型に、100年前のアメリカで遭遇。

わかりにくいけど、何十時間も遊んで初めて天気雨に遭遇。「うお!これ再現するか!」って唸った。ゲーム的には何の意味もないのに。

突然の雨のあとで虹が出るあの感じとか、地元労働者の反応でわかる鉱山の街の血の気の多さとか、都会に出たらアメリカの田舎育ちの大男として扱われる気分とか、ゲームで見るいろんな「はじめて」がある。

これが現代アメリカだったら重い。
西部劇の世界で、うすくファンタジー的なフィルターがかかってるから、ちょうどいい。GTAに馴染めないけどRDR2にはまってる理由が、そのへんにある。
現代日本でカッターを振り回すより、時代劇で日本刀を振り回すほうが見れるのと同じだ。

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南ミツヒロ
読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。