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これは、本棚に納めたら芸人のほうも納まった三四郎

三四郎を読んだら三四郎が結婚した。

このエピソードトークがウソっぽい上に面白くないのはさすがの僕でもわかる。

けど、本や音楽が思い出のトリガーになってて、
「たいしたことじゃないけど、この曲はあの年の通勤中に聞いてたなあ」
とか、覚えるつもりないのに毎回思い出すってこと、あるでしょう。

ちょうど角川文庫の紙の表紙の文庫シリーズが好きで、江戸川乱歩を一通り終えて、夏目漱石の草枕が想像以上に好きになって、次、「三四郎」を手に取ったとき、

「たしかお笑いの三四郎は三四郎を読んだことないって、Wikipediaに書いてたな」
と、軽く思い出しつつレジに持って行った。別に熱狂的なファンじゃないです。ただ水曜日のダウンタウンを盛り上げてくれたメンバーのひとりとしてやや好きなぐらい。

勝手に姿三四郎だか、せがた三四郎だかのイメージで上書きされてて、普通のシャイな田舎から出てきた大学生だったことに驚いたり、美術が出てくると西洋絵画の話にそれていって、ぜったい漱石は愛媛での教師時代も、生徒にアートの話を振られると、つい授業からそれてユーチューブの山田五郎みたいになったんだろうな、とかいろいろ考えて、

すごい時間かけて読んで…

本棚に置いたら、まるで納まるべき場所を見つけたように結婚したらしい。

次に手に取るときも思い出す。
「これは、本棚に置いたら芸人のほうも納まった三四郎」

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南ミツヒロ
読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。