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【ゲーム日記】アトミックハートとザンギエフにはそのままでいてほしい

XBOXで「ATOMIC HEART」を遊んでいたら「ストリートファイター6」のザンギエフというキャラクターの情報が解禁された。

詳しい人なら一発でわかるけど、両方ともロシア、というかソビエト連邦にかかわることです。

アトミックハートはもしもソ連がこんな方向に発達していたら…という世界観のSF。
科学技術の進化でロボットと人間が共存している世界を歩いているだけで、
「うわあ、なんてリッチなゲームだ」とテンションが上がりまくりだった。
ロボットたちは何者かの介入によって暴走し、プレイヤーはかつて人間のために作られたロボットの監視をかいくぐって奔走する。

戦闘よりも、ストーリーに直接関係ないところまでぎっしり詰め込まれたアートワークにうっとりするゲーム。
「不気味の谷」をあえて越えてないロボットが表情ひとつ変えずに追ってくる。人々はサイボーグ化してて、最後の記録が残った死人とある程度会話ができる。地上のポスターにはきれいごとが書かれているが、実際は地下施設でたいへんな研究がされていた、その世界に自分の操作で踏み込む。

ウクライナはアトミックハートをなるべくやらないように訴えたというが、ゲームを作った人も現実がこんなことになって苦しいはずだ。
ちょっと遊んだだけで、これは何年も何億円も何百人もの規模で、いいものを作ろうとした、胸を張っていいアートだというのぐらいはわかる。

SF6にザンギエフ参入

ストリートファイターの次回作に、ソ連のプロレスラーという設定のザンギさん参入。格闘ゲームの投げ技キャラ代表格。愛国者で必殺技のときのシャウトが「祖国のために」というキャラクターがゲームに影を落としはしまいかと思ったけど、プロレスラーとしてはじけててよかった。

ネイティブアメリカン文化を背負った新キャラも登場。

もともとストⅡが「世界のとんでもないやつら集合」的なコンセプトで、偏見をポジティブに取り入れたキャラクターが集まっている。
アメリカなら軍人とボクシングだけ。そのかわり日本人も相撲と歌舞伎とカラテ。
「そんな人は実際にはいない!」
と突っ込ませることすら野暮に思える。お国柄を誇張しつつ、本当に触れてはいけないようなところまではやらない。キャラクターとしてプロレスラーが出てくるだけじゃなくてコンセプトがプロレス的だ。
それでいて保守的に「逃げた」印象も与えず…いつの時代もこいつらは最高に刺激的。ああ、やりたい。でも近年の格闘ゲームは気楽に遊べるものではなくなった。
プロレスはほとんど知らないんだけどザンギエフがPVで放った、相手の足をとってぐりんと回転するドラゴンスクリューって技が先ほど引退試合をした武藤選手の得意技…なんですよね?

先日リメイクされた「LIVE A LIVE」とか、90年代のゲームを語るうえでプロレス知識があれば見え方が変わるかもしれない。大技以外は基本、実在する技の動きをまねて、あ、これはあの選手のだ、とわかるようになっている。

読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。