「デッドオアアライブ エクストリーム3」で、あやねがマロングラッセを食べた感想の話
格闘ゲーム「デッドオアアライブ」シリーズから選抜された女子が、無人島にあつまるだなもと言われて来たものの、やることがないのでミニゲームに興じたり、プレゼントを贈りあったり、水着を交換したり撮影する。
なんだか開き直った設定の「DOAX3」は、プレステ4を代表する無人島ゲームだ。
キャラクターごとに「好きな水着」「好きな色」が設定されているのは気づくけど、それぞれに「好きなスイーツ」があることにはスルーしてしまう人も多いと思う。
20年前にゲームセンターで始まった、格闘ゲームのときから、メインヒロインのかすみの好物が「苺のミルフィーユ」なのには気付いていた。
現代に生きるNINJAがいて、クローン戦士を作る計画に巻き込まれて、そこに格闘大会が開催されて、記憶喪失の兄がいて、天狗も襲ってきているよ。好物はいちごのミルフィーユ。
整合性なくおもちゃ箱にぶちこんだような設定。
「忍者」がスニーカー履いたりするのは、現代アニメ的忍者表現として有りだけど、過酷な抜け忍で追手に追われている身の「ミルフィーユ」?
セガサターンに移植され、そのあと初代プレイステーションに移植されたときに、かすみをの追ってでライバル的存在の「あやね」が参戦する。
綾波レイの影響っぽい、紫髪、冷めた目、幼いわりに強く慈悲のない振る舞い。
そして彼女の好物が
「マロングラッセ」
という、これまた忍者にそぐわない設定だった。
苺のミルフィーユのライバルはマロングラッセ。
その後も、シリーズが進むごとに新キャラが加入していった。
好物は「ザッハトルテ」のヒトミ。
好物は「ホイップシュークリーム」のほのか。
好物は「あんみつ」のこころ。
好物は「プリンセスバーケルセ」マリー・ローズ。
新作に登場するNiCOの好物は「ヨウルトルットゥ」。これ↓
売り上げのカギを握る男受けのよさそうなキャラクターは、そろって、本物の格闘家は好まなそうな、いい感じのスイーツ好きになっている。お前ら、生か死かってタイトルのゲームに出演してんやぞ、死闘のさいちゅうやぞと思うけど、20年もそんなお約束を続けていた。
「DOAX3」では、彼女らのスイーツ好き設定に、なんとか後付けで説得力を持たせようとした跡が見られる。
プレゼントを渡して満足度をあげると新しいイベントが見られるのだが、
同じフルーツを食べても、人によって「甘酸っぱくておいしい」「カロリーが気になる」など違うコメントが出る。
あやねが、長年の好物だったマロングラッセを食べた感想がこれだ。
「焼き栗の最高級品ね」
デッド・オア・アライブ史上最高の名セリフ。
くのいちとマロングラッセ、どう考えても無理のある好物設定に対して
「焼き栗と認識しているから」
という理由をつけて説明しようとしている。
ほかにも、トマトをあげたら、おばあちゃんちでよくもいで食べたとか、お寿司は初めて食べたとか、何となく人里離れたところで生まれ育ったような、不憫なリアクションがくる。
正直水着しか特集されないゲームなのに、ひとことで個性を出そうとしている。
「シェンムー3」で何を食べても体力の回復量が違うだけでさびしかったのは、この一言が欲しかったんだ。
マロングラッセをたびたび食べる機会はないけど、いつかスイーツ特集で見たとき
「おっ、マロングラッセだ。焼き栗の最高級品。…このフレーズ、どこで知ったんだっけ」
と、水着の豊富さよりもしぶとく、フレーズだけ脳に沈殿して残り続けるかもしれない。
読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。