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【読書日記】クロノ・トリガーのマヨネーを覚えているか

苦手だった文芸雑誌と和解した。紙も柔らかくて、折りながら読むの快適

すばる8月号のトランスジェンダー特集。
スーパーファミコンの「クロノ・トリガー」の敵キャラ、マヨネーの話がおもしろかった。

映画「バービー」で男がゴッドファーザーの話を語りだすと止まらないシーンがあるそうだけど、日本のアラフォーを一定時間捕獲しておく必要がある場合は、
「私、ドット絵のRPGが好きなんですけど、スクエニになる前のスクウェアの名作を教えてください」
って呪文を唱えてみてください。そしたらみんな捕まるから。クロノトリガーの音楽がどれだけかっこいいか語りだすぞ。

でも、「マヨネー」なんてキャラクターはいくら語らせても出てこないはず。
鳥山明作品ぽい名前だから記憶のはしに引っ掛かかっていたけど、ふつうは覚えてないようなちょい役の敵で、「オカマキャラ」で、
「ムキーッ! ど~せ、アタイは男ヨ!」
と言うらしい。あのゲームの言葉のセンスだ。
たまたま手に取った文芸誌でこんな再開があるなんて、読書はおもしろい。

90年代から少年漫画を読んでた人なら、そういうキャラがちょいちょい出てきては通り過ぎていったのが、記憶にあるはず。

エッセイを寄稿した方の、体と気持ちの性別は知らないけど、僕にとってはすぐ記憶から消えていくようなキャラクターたちを、偏見にまみれた描き方であっても大切な仲間として、すくいあげて人生を共にしていることにぐっときた。

体と心が違うキャラクターで、僕が唯一思い出せるのは、こち亀のマリアだ。
美女のようで、脱ぐと男という…当時そういうのが流行ってなかったかな?

↑この右の人…記憶あいまいなんだ。古本屋で1巻から買おうとしたんだけど戸塚巡査のほうが覚えてる。

マリアは「美女が実は男」だったけど、途中から魔法で体も女になった。
というか、週刊ジャンプのギャグ漫画だから、一目でわからない設定を持って登場した人は、だいたい「なかったこと」になって、庶民に近いものが長期連載で残っていく。

他の「オカマキャラ」に関しては、改めて並べられると散々な扱いで、幽遊白書の魅由鬼は(知らなかった)股間を確認して男だと判断されてから倒されるらしい。

ワンピースもそうだけど、テレビのバラエティ番組の影響がでかい気がする。
ハゲ、ブス、ブサイク。それからもいろんないろんな少数派は、ほんとうのことを語れば面倒くさいやつとして距離を置かれる。
デフォルメした道化を演じて
「ムキーッ! どうせ私は〇〇よー!」
と叫べば、仲間に入れてもらえる。


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南ミツヒロ
読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。