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「や団」が「矢弾」になった夜 #キングオブコント2022

や団とハリウッドザコシショウのラジオを聞いてるから不安いっぱいで迎えた(実はあらびき団直後で爆笑していた)キングオブコント感想です!
とりあえずひと言。
や団が名前を残してる!

あれだけ華がない、ギャグをやったら怒られる、もてない、ださい、自己紹介「ラーメン大好き」は普通すぎる。ラジオをやったらおもしろエピソードが出ない以前に、声のトーンが似た3人で話すから誰が誰だかわからなくて、すぐ存続できないのがわかる。タダで見れるYOUTUBEのコントでも再生数一けた、どれだけ売れてないかをあげたらきりがない40代トリオがキングオブコント2022決勝まで来ました。

それが良かったの。
2本目の天気予報を見てから外出する人が雨宿りしてる気象予報士に八つ当たりする話は、もう特に好き。ホワイトジーンズを汚したり浅い水たまりに顔つけたり、ちゃんと雨に関連してる。
今は天気予報もスマホアプリで見る人が多いし、おじさんと着ぐるみが天気予報してる感じを「ああ、あれね」ってわかる人じゃないとピンと来ないかもしれないけど。3人目の正体がマネージャーかつ着ぐるみの中身なのも、ちゃんと予想できず楽しんでしまった。(今年はプロポーズをテーマにした人が多かったの何だろうね!?)

最終決戦は会場をわかせたビスケットブラザーズの圧勝だったけど、「笑い」と「よくできてる」では笑いが勝つジャッジになってるのも、なんだかんだで演劇じゃなくてお笑いであることはブレてなくていい。

や団の決勝進出について、先輩のハリウッドザコシショウがラジオで真剣に語ってたんだけど、厳しいことを言っていた。
いはく。KOCは優勝してもその後食えないコンビがいるぐらいだから、一発で決めないといけない。
優勝を逃したら、一番いいネタを使い切った状態で、新鮮さを失った2回目以降もズルズル挑戦していくことになる。だからコンビが一番いいとき、パワーがMAXになってるときに一撃で決めないといけない。シショウ本人やバイきんぐはそうだったと。

コロチキやハナコは若いときに一撃で決めた。
一方、過去に二度ファイナリストになった「だーりんず」松本りんすは給料0.5(5千円)

そういう状況を見てるから、や団はまだ厳しい、一撃で決めることはできない、へたしたら決勝に進出できないほうが良かったかもしれん。
おおむねそんなことを言っていた。

前年のKOC初決勝組の「蛙亭」「男性ブランコ」「ザ・マミィ」がフレッシュで、新しい価値観のコントがすごく良かったから、正直KOC2022が始まるまで、
「や団とかいうオジサン見るぐらいなら去年のメンバーで見たかった」
ぐらいの酷評は覚悟してたんだけど・・・

全然良いじゃねえかオイ!!良かったなや団!!ビスブラのテンションに付いていけなかった客からは、なんか渋めの技巧派だと勘違いされるぞ!男子校出身でシンプルに華がないだけなのに!

一番良かったのは、「この年まで苦労してやって来ました~」
って、しみったれた臭いを出すんじゃなくて、ネタは黒めなのに爽やかな印象を残したところ。
#GERAラジオ では、ネタ終わりにどんなコメントを出せば印象残せるか考えていて、やる前から負けたときの受け身を練習していたけど、本番ではネタやった直後に
「気持ちいいー!」
のひと言が発せられた。この大会のハイライトといってもいい瞬間。すべてが考えて考えての立ち回りを要求される場で、あの一言だけは心から出ちゃった感じがした。や団が矢弾になった一夜でしたね。今後どうなるかわからんけど、ともかくおめでとう!今後もモテるなよ!

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読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。