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2023年6月の記事一覧

「つけびの村」が他人事とは思えない

限界集落で行われた連続放火殺人事件の犯人を取材したノンフィクション「つけびの村」が、まあ怖かった。恐怖を与えるために書かれた本じゃないのに、不安になるツボを刺激する内容だった。 それは、ぼくが電車内で叫んでいる「どうかしてる人」を見ていられないのと関係がある。 そういう人が、向こう側の人間とは思えないのだ。 「つけびの村」では、連続放火殺人をおこして、殺害予告のような川柳を残した犯人の印象を聞いてまわる。 生まれも育ちも凶悪、理解できない悪人なら単に憎めばいいけど、昔の印象