ディーパ・アーナパーラ「ブート・バザールの少年探偵」
インドのスラムで起きた、子供の失踪事件。
スラムが題材の作品は「スラムドッグミリオネア」、小説だと「三つ編み」を読んだけど、それらが航空写真としたらこっちはハンディカメラで潜入したよう。
子供の視点まで姿勢をさげて、風景を細かく切り取る。
インド出身で貧困層の取材をしていたジャーナリストでもある作者が描く、スラムの少女が見つめる手のひらの描写はこんなだ。
「指のまわりにぐるっとできたマメやタコを見た。水くみで運んだバケツの数、切ったナスの数、洗ったシャツの数のぜんぶの記