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シェアする暮らし方を考察する

このテキストはKigoulab.DAO.MOOK「家族3.0」への予備テキストで、「Roopt神楽坂 DAO」の広報記事です。

現代の暮らし方といえば、一人暮らしか、夫婦+子どもという「核家族」を思い浮かべるでしょう。

独り暮らしを「家族」というかは判断が分かれるかもしれませんが、「暮らすこと」が家族することと同義とするなら、ある場所に定着して、同じ屋根の下に、生殖と子育てを目的として、同じ屋根の下で「暮らす」ことを旧来は「家族」と言っていたのかもしれません。

しかし今、生殖と子育てを目的としない誰かと誰がが、水回りを共用(シェア)しながら、同じ屋根の下で暮らす新しい家族のようなライフスタイルに注目が集まっています。そういう暮らしを選択する人は、シェアリングエコノミーの発展と共鳴して、どんどん増えています。

普段はそれぞれ思い思いに暮らしつつも、たまにはご飯を一緒につくって食べて、おかえり、ただいまを言える関係。病気のときにたすけあったり、心配しあう関係。

そんな暮らし方にほっこりする人たちもいるのです。

ここでは、今考えられるそんな新しい暮らし方を「家族3.0」と定義してみて、いままでの家族との違いを整理してみたいと思います。

  • ルームシェア

  • シェアハウス

  • ソーシャルアパートメント

  • コミュニティ賃貸

  • コレクティブハウス

  • コーポラティブハウス

  • コリビング

  • ゲストハウス

  • グループハウス

  • 有料老人ホーム(特養、軽費、サ高住)

これらと、民泊やホテルとの違いは、基本的に賃貸借契約、または分譲である点です。 そして、これらの暮らし方は、ひつじ不動産を始めとしたシェアハウス向けの物件情報サイトで見つけることができます。

ルームシェア

振り分けの2DKをつかって、水回りを共有して暮らすコトから、同じ部屋で共に暮らすコトまでをいいます。シェアハウスとちがって、友達どうして暮らすことを意味することが多いです。主に女性の友人同士が中心ですが、不動産会社が断るケースが増えてるためその数は減ってると言われています。(もともと男性どおしは不可の不動産会社が多かった)

シェアハウス

ルームシェア減る一方、増えているのがシェアハウスです。大きな一戸建てや保養所をつかって、友達同士ではなく、まったく関係性のなかった人同士が出会い、水回りを共用しながら暮らす方法をいいます。水回りは複数人でつかうことを前提に大型のものがリノベされて設置されることが多いです。さまざまな個性的なテーマで募集されてることがおおく、「Roopt神楽坂 DAO」や「めぞんQ」もその1つです。

ソーシャルアパートメント / コミュニティ賃貸

使われなくなった、大型の寮物件など、原則として水回りが専用個室にある物件をリノベして、共用するペースで住民同士が交流したり、イベントを開催したりする暮らし方をいいます。コミュニティ賃貸もほぼ同義ですが、ソーシャルアパートメント自体は株式会社グローバルエージェンツの商標登録です。設備がリッチな所が多いため、シェアハウスよりすこし上の世代の男女が多く暮らす傾向にあります。わたしが暮らす「まちもり本町田」もコミュニティ賃貸のひとつです。

コレクティブハウス

北欧を中心に発達したシェアする暮らし方で、建物の構造はソーシャルアパートメントと同じ、水回り自室を基本としますが、定例会や部活動、係といった暮らしを共につくっていうためのコミュニティ運営への参加が必要な点が特徴です。シェアハウスと比べて、比較的高齢の女性が、終の住処として選択し、多く暮らす傾向にあります(上野千鶴子さんの「おひとりさまの老後」で紹介されたから)CHC社(コレクティブハウジング社)というNPO法人がコーディネートで有名です。わたしはまちもり本町田の中にあるコレクティブハウスに所属していた時期があります。

コーポラティブハウス

賃貸ではなく、分譲マンションを建てるときに、自治会を先に作り、土地の取得から各部屋の設計までを共に行うことによって、より各自の暮らし方にあった部屋を所有できるという暮らし方をいいます。購入前からコミュニティができるため、通常のマンションより共に暮らしてる感はある。株式会社コプラスと言うコーディネーター会社が有名です。

ゲストハウス

シェアハウスとほぼ同じですが、どちらかというと、より短期利用の民泊に近い使い方を想定しているものをいいます。シェアハウスの数室が短期用のゲストハウスとなってるところが多く見られます。もともとは外国人旅行者を対象にした宿泊施設を指す言葉でした。

コリビング

ゲストハウスをよりサブスク化して、多くの拠点を渡り歩き、リモートワークやノマドワークといった職場と暮らしの双方ができるライフスタイルをいいます。居住者をホッパー(アドレスホッパー、住所を転々とする人の意味)と呼び、旅をしながら暮らす方法ですが、国内には、ADDressHalfLiving Anywhere Commonというサービサーがあります。特にADDressは賃貸借契約であるとことが特徴的です。

グループハウス

比較的小さな建物で高齢者が地域で共同生活を行いながら、共に老いることを目的とした暮らし方をいいます。要介護状態によって入居できる所が異なります。

有料老人ホーム(特養、軽費、サ高住)

シェアするという意味では、有料老人ホームも施設や一部の水周りを、旧来の家族ではない人どうして暮らす、新しいライフスタイルと定義できるでしょう。特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、サービス付き高齢者住宅など健康度や要介護状態によって様々な暮らし方があります。高齢になり、パートナーに先立たれたとき、1人で一戸建てに暮らすのを不安になることがあります。そういう人は、たとえ持ち家を持っていてもシェア的な暮らしを終の住処として選択する人がいます。わたしの母もそうでした。ただ、特にシェア的暮らしになれてない男性高齢者はコミュニティに参加するのを苦手に感じることが多いようです。

暮らし方のテーマ

同じような趣味指向を持った人が集まったの方が楽しいため、シェアする暮らし方には、いろんな「テーマ」が設けられてることが多いです。高齢者向けもそのテーマの1つとも言えるし、女性専用もそうでしょう。

多層の大きなシェアハウスでは、階ごとに料理好き、スポーツ好き、映画好きといった「テーマ」が設けられていることもあるし、神楽坂DAOもDAOという新しいコミュニティ作りに興味が集まる一種の「テーマ」です。

個性的なところでは、LGBTQ+フレンドリーシェアハウスも、国内にいくつか存在していて、ジェンダーや指向にかかわらず仲良く暮らしていく安全地帯として存在しています。

以外と、女性のほうがフィットする人が多く、コレクティブハウスも高齢者向け住宅も基本的に女性中心コミュニティであるところが成功してる傾向にあります。ただ男の子が元気なシェアハウスも、いっぱいある。シェア的暮らしを若い時に経験しておき、一度卒業したあと、またシェア的な暮らしを思い出したようにする。若者の暮らし方のように思われるシェアハウスですが、思い出したようにする人もいて、若者だけではなく、子育て世代も現役世代も高齢者もいる多世代の暮らしを実践してるところもあります。

大きな「家族」で暮らしてみる。そんな時代がきてるのかもしれませんね。

参考サイト

http://www.ahla.jp/howto/index.html

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