第1回、チキチキ!寿司のでない寿司パーティー
寿司が食いたい…!
島嶼国だし新鮮な魚が手に入るわけだから寿司が食えないはずがない!
Sushi riceという謎の日本米はある(おそらくカリフォルニア米)。ワサビもある。醤油もアメリカで充填されたキッコーマンがある。
あとは魚だ!
ぼくたちは水産局で働く隊員の情報網を駆使し、寿司にできそうな魚をリストアップした。
マグロ、ツナ、マグロ…
…マグロしかねぇ。
スーパーで冷凍のサーモンとエビが手に入るけどどうだろう?炙ればいけるのか?
そもそも市場で捌いてもらうマグロは衛生的に大丈夫なのか?そこの包丁やまな板は信用して良いのか?
答えはもちろんNoだ。
週末の寿司パーティーに向けて検討に検討を重ねた。
自宅でキハダマグロを捌くことにした。
ところが、料理長役の栄養士Aさんが体調不良で隣国セントルシアで入院することになってしまった。1週間ほど食欲はなく、熱が上がったり下がったりし下痢が続いていてこっちの病院では原因がはっきりわからなかったのだ。
幸い、血液検査の結果も良好で点滴で体調がもどれば戻ってくることになった。
一安心したところで、
お、俺たちの寿司パーティーは?という話になった。
酢飯をつくるのはコツがいる。Aさんしかその技術を持っていない。
しかし、我々の口は、少なくとも魚の口になっている。
パーティーの気分になっている。
ということで、寿司のでない寿司パーティーを毎度おなじみファン邸で開催することになった。
メインディッシュはサヨリの塩焼き。
魚市場で新鮮だけれど冷凍のサヨリを水で解凍。一応、刺身にできないか少し生で試してみた。
悪くはなかったけれど、ぼく的にはNGだった。少し危ないにおいがした。
塩焼きだけではさみしいからと、ひき肉とインゲンの炒め物、卵とトマトのスープ、わかめスープ、肉じゃが的なもの、カレー風味チキンをつくった。
奥から不思議君ニック、痛風持ちのイエン、セントビンセント6年目ベティ。イエンはアルコアンドピースの平子に似てる。
どの料理もとてもよかった。
この国で一番おいしい中華だった。
残飯処理班の猫。こいつはぼくがおこぼれをくれると知ってるのですり寄ってきて愛想を振りまく。ぼくはその手にまんまとひっかかる。
久しぶりにアルコールも結構飲んだ。ビール、赤ワイン、ピニャコラーダ、ラムショット...
すっかり酔っぱらってしまったけれど、良い夜になった。
2年後にはなぜか中国語がペラペラで帰国することになるかもしれない。
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