どんな環境でもたくましく生きる!話題のアメリカ映画『ミナリ 미나리』
안녕하세요(アンニョンハセヨ) 南うさぎです。
第93回アカデミー賞で監督・脚本・作品・主演男優・助演女優・音楽賞の6部門にノミネートされ注目を浴びている映画『ミナリ』(日本では2021年3月19日公開)。ゴールデングローブ賞で外国語映画賞を受賞したほか、多くの映画賞で74受賞・157ノミネートされています。お祖母さんスンジャ役のユン・ヨジョンは26もの助演女優賞を受賞しました。
Movie.naver.com から。
この映画はブラッド・ピットらが設立したことで知られる「プランB」が製作し、配給は『パラサイト 半地下の家族』も担当した注目のインディペンデント系製作・配給会社「A 24」。製作費200万ドルと低予算の自主映画です。また、監督をはじめ映画に関わる多くの人が韓国系アメリカ人で、映画ではおもに韓国語を使い韓国情緒が見られますが、韓国映画ではなく「アメリカ映画」になります。そのため、ゴールデングローブ賞での<外国語映画賞>を受賞したことが話題になりました。
ゴールデングローブ賞の規則として、映画で使用する言語の50%以上が英語ではない場合<外国語映画>とされますが、以前クエンティン・タランティーノ監督作『イングロリアス・バスターズ』は英語の使用率が50%以下であるにも関わらずゴールデングローブ<作品賞>にノミネートされたのです。こうしたことからさまざまな論争になり、その点でも映画は注目を浴びています。
映画は、1980年代にアメリカンドリームを夢見て移住した韓国人家族のストーリーです。刺激的な展開はありませんが、国籍も世代も超え、他国で移民者として生きていくすべての人の心に染みる穏やかな作品です。また、家族の絆を描き多くの人に共感を与えています。ビハインドストーリーとしては、撮影中、監督と俳優たちはAirbnb(民泊のマッチングサービス)で一緒に泊まり、生活していたそうです。そうして親密度も高まり、監督が書いた台本の文語体が多い韓国語を自然な口語体に変える作業もみんなでしていたのだとか。ジェイコブ役で韓国系アメリカ人のスティーヴン・ユァンにも、<英語がまだ流暢ではない人の自然な韓国語>をユン・ヨジョンとハン・イェリが教えたそうです。『オクジャ』で一緒に作業していたポン・ジュノ監督も、今回スティーヴン・ユァンの韓国語の成長を褒めています。
Hook Entertainmentのインスタグラムから。
タイトルである「ミナリ 미나리」は韓国語で野菜の「セリ」です。映画ではアメリカに行くことになったお祖母さんが韓国からミナリの種を持って行きます。ミナリはどんな過酷な環境でもよく育ち、どんな料理にも使えるので、主人公たちの移民生活や韓国人魂とも通じるものがあります。韓国では映画の話題で、実際の野菜「ミナリ」の販売量が去年の2倍に上昇しているそうです。
キャストや内容についても、このあと紹介していきますね。
안녕!