【レシピ】ドラマ『愛の不時着』でも見られた「キムチ」作りと、食べ始めると止まらない韓国のおこげ「ヌルンジ」について
今回は「キムチ(김치)」のもっと美味しい食べ方と、素朴なお菓子にもなる韓国のおこげ「ヌルンジ(누룽지)」について。「ヌルンジ」「ヌルンジ湯」のレシピも紹介します。
秋の終わりごろになると、韓国の各家庭で冬から春の間に食べる白菜キムチを作り置きする「キムジャン(김장)」という恒例行事が行われます。作る量は家によって違いますが、たいていは何十束にもなるので大仕事です。
子どものころ、キムジャンの日には自分好みの浅漬けキムチが食べられるので、とても楽しみにしていました。できたてのキムチをお母さんが手でちぎって、暖かいごはんの上にのせてくれたのがとても美味しかった記憶があります。白菜キムチは包丁で切るより、手でちぎって食べるほうがより一層美味しいのです。
その理由はキムチの作り方にあります。キムチの薬味(ヤンニョン)を白菜に挟んでいくとき、根元のほうはどうしても挟みにくく、そのまま包丁で切ると、しっかりヤンニョンがしみた葉っぱのほうに対して根元のほうは味が薄いキムチになります。手ちぎりなら、ヤンニョンのバランスを整えながらちぎれて、食感もよく美味しいのです。
また、鍋でごはんを炊いたあとおこげ(ヌルンジ)を作り、そのおこげにお湯をかけた「ヌルンジ湯」は、作りたてのキムチとの相性が抜群なのです。
◆キムジャン◆
11月下旬~12月上旬にかけて、各家庭で白菜キムチを漬け込む一大行事。その昔、野菜が手に入りにくい冬を乗り越えるため、野菜を塩漬けにして保存したことが始まりと言われています。大量の白菜を、一族や地域でつながりのある人たちと、総出で漬け込む共同作業です。気候や地域によって行う日は異なります。
◆ヌルンジ(누룽지)◆
おこげのことを韓国ではヌルンジと言います。お湯をかけてヌルンジ湯にするほか、そのままでおやつとしてもよく食べます。
ドラマ『愛の不時着』でヒロインのセリ(ソン・イェジン)がヌルンジに砂糖をまぶしたお菓子を食べるシーンがあります。ソウルでは「小食姫」と呼ばれていたセリですが、手が止まりません。カリッとした食感がくせになり、素朴で懐かしく香ばしい味は食べ始めると止まらなくなってしまうんです。
◆ヌルンジ&ヌルンジ湯の作り方◆
①鍋でごはんを炊きます。
②ごはんが炊けたら、上のほうのごはんは取り出し、残りを鍋の底や側面に薄く伸ばします。
③鍋を10~15分ほど弱火にかけます。
④ごはんがキツネ色になり、自然に鍋から外れるようになったら出来上がり。
砂糖をまぶして食べると止まらなくなります。
④で、出来上がってから火を止めてお湯をそそいでから、蓋をして5分ほどそのまま蒸らすと、ヌルンジ湯になります。出来立てのキムチと是非一緒に食べてください。