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interview:第一期生 山野邉浩平さん

いつか農業をやりたい、移住して理想の生活送りたい、という想いを持っている方は、きっと多くいるはず。でも、これまでの仕事や生活を変えて、新しい世界に足を踏み入れることは、決して容易なことではありません。しかし、みらい農業学校の第一期生は、15人もの仲間がその決断を経て入学してくれました。この世界を志したきっかけも、未来の展望も、15人15色でみんな違う。であれば、全員にお話を訊いてそのエピソードをみなさんに紹介させてもらおう! というのがこのインタビューのはじまりでした。あなたの未来に背中を押す、ちょっとしたきっかけになれば幸いです。

さて、第一期生の全員インタビュー、3人目はいわき市ご出身の山野邉浩平さんです。高校卒業後に雇用就農で就職した先で芽生えた「農業がやりたい」という気持ちを、周囲の方の理解や応援を糧に温めてきた山野邉さん。今回満を持して入学に至り、次の扉をしっかりと開きました。聞き手は、みらい農業学校の運営事務局です。

ー山野邉さんはいわき市のご出身で、現在も毎日ご自宅から通学されていますね。早朝出発を続けておられて、素晴らしいです。

6時過ぎに起きて、7時には出発しています。サマータイム期間(6月中旬~8月下旬)はもっと早くなるので、がんばります(笑)。

初めての田植え機に緊張の面持ち

ー昨年12月に開催されたふくしま農業人フェア(主催:ふくのう)で当校に出会ってくださったときは、当時のお仕事の兼ね合いで今年度の入学は難しいと伺っていたと思います。そこから電撃入学を決断された経緯を教えてください。

自分の「農業をやりたい」という気持ちを改めて当時の上司に相談しました。上司は僕を心配してくれて、「甘くない世界だよ」と言ってくれていたのですが、どうしても自分の気持ちが変わらなくて。それを見て「どうしてもというなら、やってみたらいいんじゃない?」と背中を押してくれたんです。それが大きかったですね。

ー相談を聞いてくれるだけでもありがたいところですが、山野邉さんの熱い気持ちが、上司の方にも伝わったんですね。山野邉さんは、独立就農の意志を強くお持ちだと伺いました。いつ頃から、農業への想いが芽生えていたのでしょうか。

高校を卒業してから、トマトを栽培する農業法人に就職して、その時初めて農業に出会いました。就職先を探す時点では農業がやりたいと思っていたわけではないのですが、自分の得意なところ・不得意なところや、性格をよく知ってくれていた担任の先生からの勧めもあって。その時の経営者の方たちとの出会いが大きかったと思います。僕の考えていることも理解してくれたし、考え方に影響を受けたというか、すごく共感できたことが一番強かったです。

ハウスで育てているきゅうりを真剣に観察

ーその後、他業種でも働かれながらその想いが消えず、今挑戦するしかない、と決断されたんですね。

現実的には厳しいんだろうなという、ちょっとした葛藤というか、そんなものもありながら、諦めきれなくて。

ー振り返ると、高校時代の担任の先生の見通しが、山野邉さんにすごく合っていたんですね。その後その先生とお会いする機会はありましたか?

自分のアルバイト先のお蕎麦屋さんに食べに来てくれたことはありました。今、農業を勉強しているということは多分ご存じないと思うので、びっくりすると思います(笑)。

ーそして晴れて入学されて数か月経ちました(インタビューは6月末の実施)が、印象に残っている講義や実習、もっと学びたいと感じたカリキュラムはありますか?

実習で実際の作業を少しでも多く学びたいです。農業はとにかく体力勝負になってくると思うので、しっかりと経験と知識を積んで、作業と体力のバランスがとれるようになりたい。座学は少し不安があって、講義内容が本当に理解ができているのか…。

夏からは法人研修を重ねています

ーそうですよね、座学は知識として聞いた内容が、すこし時間が経ってから実際にほ場で同じ場面に遭遇してやっと合点がいくというか。そうやって経験とあわせて身に付けていく部分もあるのではないかなと思います。独立就農するならなおさら、質問できる人がそばにいる今のうちに苦手な知識の部分も深めていけると良いですね。

そうですね、自分はほかの人よりも勉強が苦手だと思うところもあるので…実習で体感する方に重きを置くなど、自分なりの学び方を模索していきたいです。一番楽しかったというか刺激を受けたのは、特別実践演習で訪問した葛尾村の葛尾胡蝶蘭合同会社さんの胡蝶蘭と、川俣村のスマイルファームさんのイチゴとアンスリウムです。圧巻でした。

葛尾胡蝶蘭合同会社 圧巻の胡蝶蘭たち


川俣町の新しい名産品となったスマイルファームのアンスリウム

ー今後栽培したい品目は定まっていますか?

多品目ではあるのですが、ネギやジャガイモなど、自分がやりたい品目でありつつ安定した収入につながりそうな品目を育てたいです。

ー「安定」というキーワードがあると思うのですが、卒業後いきなり独立就農をするとなると、安定ではない道からスタートすることになりますが、卒業後の進路はまずどうされる予定ですか?

会社勤めが自分に向いているのか、自分のペースでやった方がいいのではと思うところもあって。農業法人に就職するというよりは、自分ができる規模から畑を始めて、収入面で足りない部分は(品出しなどの経験がある)スーパーだったりでパートをしたりして生活をしていって、徐々に拡大していけたらと思っています。

人参を播種し、2人1組で栽培管理を担当します

ーでは最後に、現在の話に戻りまして、せっかく学校に通っているうちに挑戦してみたいことはありますか?

個人圃場で育てた野菜を販売できればと思っていたのですが、色々な兼ね合いで(卒業後に受けられる助成金などに関係)難しいと聞いたので、まずは育てた野菜を食べてもらうところからですね。今は大根とゴーヤを育てているんですが、ゴーヤの花を咲かせるのが意外と難しくてコツをつかみたいところです。家族がゴーヤチャンプルが好きなので食べさせてあげたいですし、自分が作ったゴーヤで食べてもらって、ちゃんと頑張ってるよ、と安心してもらいたいですね。

ー喜んでもらえる、というのはすごく糧になりますよね。山野邉さんに合う農業の道をぜひ見つけてください。

この気持ちを大事にしたいと思います。がんばります!

第一期生インタビュー#3
山野邉 浩平(やまのべ こうへい)さん
いわき市出身/20代。高校卒業後、トマト栽培をおこなう法人に就職し、農業に出会う。ゆくゆくは独立就農を目指して勉強中。


▼△山野邉さん的、とっておきの2枚△▼

9月に入り、個人圃場にあたらしく定植を行いました。さて、何の苗でしょう?
正解は、白菜でした!大きくおいしく育ちますように。

おしらせ

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