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結果発表:ウィークリーぱか詠み第12回『ユキノビジン/ヒシアマゾン』
はじめに
こんにちは、藤井柊太です。
遅くなりすみません。
ユキノビジン回でしたね。ヒシアマゾンさんは史実に即すとマル外のとんでもない女傑で、ウマ娘では寮母キャラでもしかしたら抒情と言うかナラティブな要素に欠ける存在なのかもしれませんが、二択にした場合にどちらで作るか、みたいなときは不利でしたかね……。 はっきり申し上げると、実物のユキノビジンの現役時代についてはほとんど知見がないのですが、ウマ娘のユキノビジンは『うまゆるラップでプチョヘンザ』でのラップ(中の人のスキルが遺憾なく発揮されててワロタではあるのですが)が良かったです。史実では厩舎の空き待ちの腰掛けで岩手に在籍していたので、ウマ娘での過剰な田舎娘キャラ付けは史実を踏まえると少々大袈裟な感も否めなかったのですが、結局はなぜかラップがうまいという属性の付与?はよかったのではないでしょうか。
さて、今回の詠草です。
![](https://assets.st-note.com/img/1691747839262-z7xTyJVgZw.png?width=1200)
今回、背景が黒で見づらくて申し訳ありません。(南の柳)
ありがとうございました。それでは選の結果とともに評をさせていただきます。
結果発表
第3位
「あと一周」夢のためにと動く脚 夕焼けの色は東京の赤
モチーフ:ユキノビジン
今回もそれぞれ1票差だったので、接戦だったということが言えるのではないでしょうか。 ウマ娘のユキノビジンは岩手出身ということで朴訥とした性格ですが、ゲーム内では走りの実力よりもアイドルホースとして評価される場面が多いようです。とはいえその性格から頑張り屋さん属性であることは間違いないというところをしっかり捉えた一首だとおもいます。夕焼けの色を特に「東京の」と限定することにより、岩手の夕焼けとの見え方の違いを示唆しているのだとおもいます。と、ここはユキノビジンと付記があるので想像できる範疇で、上の句の汎用性の高さがユキノビジン固有の物語としての読み味を薄めてしまっているような気もしました。
第2位
アスファルト突き破り咲くかきつばた いつかぜったいシチーガールに!
モチーフ:ユキノビジン
かきつばたの花としてのイメージは湿地や沼地に咲く夏の花というイメージですが、ここでは大胆にアスファルトを突き破る花として描かれています。そこにユキノビジンという根性娘の個性を重ねているのだとおもいます。そのイメージに乗ることができれば、そのあとに続くユキノビジンが「シチーガール」に憧れていること(ゲーム内でも彼女がよく言うセリフかつ、ゴールドシチーに憧れているという設定があります)もすんなり入ってきます。一首の構成として上の句の意外なイメージの立て方と下の句のユキノビジン自身の発話の整合性に賭けたことはある程度決まっているのだとおもいます。
第1位
衣川岸辺を灯す雪の花 栗毛のとりガみに星流れて
1着おめでとうございます!
モチーフ:ユキノビジン
コメント:衣川は平泉で北上川と合流する川で、陸奥国の歌枕です。夜の川岸を灯しているのは雪の白さかユキノビジン本人か 「とりガみ」とは南部弁でたてがみのことです。あっちの世界ではウマ娘の髪のことを指してそうですね。
衣川はコメントにもある通り陸奥の歌枕とのことで、歴史的には蝦夷と大和の実質的な境界だったこともある由緒ある川です。そのことを地方と中央になぞらえれば意味合い上の奥行きが出てくるのだとおもいます。初句で「衣川」と歌枕の扱いと上の句が景の叙述、下の句は馬の佇まいに馬産の盛んだった南部地方の言葉を引用しながら(トリガミは競馬的にはうれしくない言葉ではありますが……)フォーカスした叙述になっています。歌意だけ拾うとユキノビジンにまつわる、非常に美しい岩手の叙景となっていました。惜しいのは下の句、結句が「星流れて」の6音になっているので、韻律面で上の句のいい意味での固さが活かされていないように見受けました。上の句の歌枕からの和歌っぽさを下の句でも活かせない内容ではなかったかとおもうので、7音7音に整えていただいたほうが個人的には好感が持てたかな。とおもいます。
総評
今回は以上です。遅れてすみませんでした。ありがとうございました!
次回のお題
次回のお題は未定です。
週明けの8/14(月)までにTwitterとDiscordにてお知らせいたします。
『ウィークリーぱか詠み』についてはこちらから。
『ぱかたんか』について、詳しくはこちらをご確認ください。
それでは第13回でお会いしましょう。
南の柳