結果発表:ウィークリーぱか詠み特別編『ゆるガチ』~ゆる部門~
にゅるにゅる……
はじめに
オヒサシブリデス!
というわけで、2週間ぶりの……いつぶりだ?カウントどこからだ?まあいいいや、結果発表です。
最近暑いですね。少しずつエアコンを使う時間が長くなってきました。みなさんも熱中症などにお気を付けください。
……
正直なところ、ここでいうコトがもうない。今まで何言ってたっけ、と思って見返したら謝ってました。今回はたぶん謝ることない、気がする。
というわけで、今回はこちらの短歌をお寄せいただきました。
今回は私も参加させていただきました、規発表作ですけど。また、今回が初参加の方もいらしてくださいました。ありがとうございます。
とはいえ、ゆる部門か?というメンツではありますね。次回やるときは、ゆる部門とガチ部門は別日程で週ごとに交代してもいいかも。いずれにせよ、またどこかで開催する予定ですので、そのときはまたルールを整備しておきます。
では結果発表です。どうぞ~!
結果発表
第3位
モチーフ:サクラバクシンオー
さて、いきなり歌の内容に触れていくのですが、ウマ娘ではよくスプリントレース、とりわけ1200mのレースに「60秒」というワードが使われることがあります。ぱかチューブからは消えてしまっていましたが、短距離ウマ娘にフォーカスしたCMで使われてたり、高松宮記念の実況とかで言われたりするワードですね。もしかすると競馬でも使われる言葉なのかもしれません、すいませんね詳しくなくて。
その理由はなんとなく皆さんお察ししていることでしょうが、だいたい1分くらいでレースが終わることにあります。
戦績を見ていただければわかるのですが、芝1200mのレースは1分7,8秒台での決着であり、特に引退戦のスプリンターズSの1:07.1は、当時のレコードタイムでした。というわけで60秒、つまり一分間というワードをチョイスしたのでしょう。サクラバクシンオーの紹介も兼ねて先に触れさせていただきました。
まずはモチーフについて探っていくのですが、それがレースであるということは前提としつつ、明確なものは無いように思います。トゥインクルシリーズかもしれないし、ドリームトロフィーリーグかもしれない。もしかしたら史実にはない、ウマ娘のサクラバクシンオーだけが走ったレースかも。
ただ一つ確からしいのは、それが大切なレースだったと言うこと。『狂い咲』くような笑顔という表現、ここの『狂い』というワードが勝利の喜びをより強調していますから、そこからレースへの思いを読み取りました。
というわけで、読み取っていきます。
まあ、読み取るとはいいつつ、前半は見た目そのままに素直に受け取るのが良いと思います。『電撃』とは短期間で終わる決戦として用いられたスプリントレースのメタファーでしょう。それと同時にサクラバクシンオーの速さの表現も『電撃』に託しているのかもしれません。
というわけで、後半がメインの内容になってくるんでしょうけど、後半も後半でわりかしそのまんまだったりします。『あなた』とはサクラバクシンオーを指すのでしょうが、その『笑み』が『狂い咲』いている。先に述べたように、大事なレースであり、その勝利の嬉しさが読み取れます。
と、ここまで「みたまんま」としか言っていませんが、この歌における大事な部分は2点であると解釈しました。それが、『呼吸忘れる』と『笑み狂い咲き』です。
まず、『呼吸忘れる』についてですが、ここから読み取れるのは、作中主体が誰であるのかと、レースの凄まじさです。『一分間呼吸忘れる』ですから、レースをしているウマ娘ではなくレースを固唾を飲んで見守るファン、観客の視点でしょう。そして、そんな観客が呼吸を忘れてしまうほどの衝撃。そんな凄まじさが伝わってきます。
そして、『笑み狂い咲き』。レースに勝って笑うのは当然でしょう、嬉しいからね。ただ、『狂い咲き』なのです、ただ咲いて、笑っているのではなく。そもそも、『狂い咲き』とは時季外れに花が咲くことであったり、盛りを過ぎた花が勢いを取り戻すこと、つまり返り咲きを意味したりします。
では、サクラバクシンオーにとって最盛期は、咲く時期はいつなのか。これ、冗談でも誇張でもなく「ずっと」なんですよね。デビューから引退まで、サクラバクシンオーは強くあり続けた。そういう意味で、『狂い咲き』とはあまり合わないように思えます。
というわけで、視点を広げます。サクラバクシンオーの強さについては皆さんご存じの通りですが、先述した引退戦はレコードタイム、4馬身差の勝利であり、そのレース展開も言うことのない、強さを証明するようなものだったそうです。この「強すぎるサクラバクシンオー」そのものを、時代に対して早すぎた、つまり時季外れに咲いた花と解釈できるのではないでしょうか。
トゥインクルシリーズ、またはウマ娘すべての歴史に現れた、早すぎた花。ゆえに誰よりも咲き誇り、誰しもに衝撃を与えたサクラバクシンオーの凄まじさを、それを傍から見ることしかできない観客の視点で表現した、奥の深い一首であると読みました。
第2位
モチーフ:エアシャカール
私のです。評を入れてくださった皆様、ありがとうございました。
あまり自分の短歌についてどうこう言うのは好きではないので、簡単に済まさせていただきますが……ファインモーションをモチーフにした短歌と対になるようなものでした。よければ評をください。
第1位
モチーフ:ヒシミラクル
まず初めに言いますが、弊トレセン学園にはヒシミラクルがいません。故に彼女の物語に触れられていないし、史実のヒシミラクル号が活躍していた時代も知らないため、調べながらのフワフワ解釈になっていきます、ごめんね。
というわけで、ヒシミラクルのデータはこんな感じ。
ウマ娘としての彼女はこう。
で、今回初めてしっかりヒシミラクルの戦績を見たのですが、率直な感想としては「なんだコイツ」です。G1を3つ勝っているものの、どれも人気があまり高くないところからの差し込み、なんなら重賞はG1しか勝ってません。こういうところが、キャラクター一覧の紹介文にある「ミラクル」なんですかね。
ウマ娘としての彼女も自称平凡ウマ娘……の皮をかぶったウマ娘(有馬記念3年連続三着の人とか、朝日杯とダービー勝った人とか)とは違い、本当に平凡なウマ娘といった感じです。明確に勝ちたいレースや達成したい目標があるという感じでもない、トレセン学園における普通とはこんな感じなんだろうな、と思わされました。
さて、具体的なモチーフとしては、『ロングスパート』というワードから菊花賞か天皇賞春なのかなと思います。『あなた』とはトレーナーですかね。私はキャラストーリー4話までしか知りませんが、トレーナーに自分を見出してもらった、という感覚がヒシミラクルには強くあるように見えますし。
そして、この歌を捉える上で重視したいのが句切れです。具体的には、二句切れなのか三句切れなのか。
この場合だと「気まぐれみたいなロングスパートで勝利して、それは傍から見ていたら奇跡のように思えたかもしれないけど、最初から信じていたらそれは奇跡じゃないよね、とあなたが笑ってくれた」という意味合いに取れます。信じる対象がヒシミラクルというイメージ。
こちらは、「気まぐれでやってみたロングスパートだけど、それを信じて勝てたなら、それは奇跡なんかじゃないねとあなたが笑っている」という意味合いに取れます。信じる対象がロングスパートというイメージ。
で、この二つのどちらなのか、という話ですが、今回は二句切れのほうでいかせていただきます。理由は単純にそっちの方が好みなので。違ったり、あなたの好みじゃなかったりしたらごめんなさいね。
というわけでこの歌を「気まぐれみたいなロングスパートで勝利して、それは傍から見ていたら奇跡のように思えたかもしれないけど、最初から信じていたらそれは奇跡じゃないよね、とあなたが笑ってくれた」という歌であるとして話していきます。
とは言いつつ、その解釈ができて、大意を把握できた時点でもうほとんどゴールなんじゃないでしょうか。以前(NHKマイルC)もそうでしたが、二次創作短歌に関して、藤井柊太氏の作はかなりストレートに届きますので。
ただ、ひとつ気になる点がありまして、それが結句『笑うあなたの』。あえてそういう終わり方にして余韻を誘っているんでしょうが、その先にはなにがあるのか。結論から申し上げますと、「わかりません」。
二句切れで解釈し『あなた』をトレーナーとした場合、作中主体は全体を通してヒシミラクル自身だと思われます。場面はヒシミラクルが勝利して、トレーナーのもとへ帰っていったところですかね。
ヒシミラクルは、G1を勝つことに対して「奇跡でも起きなきゃ」と言いました。そんな自分が本当にG1を勝ってしまって、そこに導いてくれたトレーナーが「奇跡なんかじゃないよ」と笑っていてくれたら。ヒシミラクルは何を思うのでしょうか。
それは、あなたがヒシミラクルのトレーナーとして彼女を導いてあげて、彼女との間に確かな絆を得られてはじめて、答えが出るものだと思います。そういった意味で、深く余韻の残る一首でした。
総評
全然ゆるくないじゃん~~~~~。
というわけでゆる部門でした。このあとガチ部門の結果発表と、次回分の結果発表も控えていると思うとちょっとあまりの遅筆さに笑えてきますね。すいません、がんばります。そもそも言いだしっぺですし。
さて、今回は月峯秋霞氏が初参加で来てくださいました。ようこそ~!
にしてもお名前がカッコいいですね。花鳥風月ライクな趣を感じます。
で、今回はお題が無しの自由詠みだったんですけど、そうなると背景に詳しくあるモチーフを探す取っ掛かりが普段より少なくて、そこで少し苦労しました。ただ、その自由度から面白い観点で色々と解釈で来たと思います。ここに書いていないだけで、こういう捉え方もできるな、という別解釈もしましたし、皆様からしても別視点での捉え方があるかと思います。
そういった解釈を、一旦アウトプットしてみて、文章で整理すると、また違った魅力や発見があります。というわけで、ぜひとも評を書いてみてほしい。単純にめちゃくちゃ楽しいのです、これが。私の短歌も使っていただいて構いませんしね!
というわけで、ゆる部門はいったんここで。ガチ部門の執筆がんばります。
次回のお題
次回のお題は『宝塚記念』です。
投稿の締め切りは 6/23(金) 23:59、
投票の締め切りは 6/25(日) 12:00です。ぜひご査収ください。
『ウィークリーぱか詠み』についてはこちらから。
『ぱかたんか』について、詳しくはこちらをご確認ください。
それでは第7回でお会いしましょう。
南の柳