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【覚書】キムタクになりたい夫

昨日、夫が美容院へ行くと言ってきた。
「パーマ当てようと思うねん〜」みたいな感じで
意見を求めくる顔をしていたので、
「ええんちゃう?」と返事をする。

夫は私と違って、柔らかくてコシがない髪質なので、
ぺちゃっとしてしまうらしい。
ふわっとしたい、と。
正直、夫の髪型に興味はないのだが、そんなことを言ってはいけないので
「ええんちゃう」と返事をする。

ところで、夫は今年還暦を迎えたが、
50を過ぎるまであまり白髪がなかった。
私も今のところまだ真っ黒なのだが、こういうのって髪質の問題なのだろう。
私の母も50過ぎまで白髪がなかったらしい。
早くから白髪に悩む人も悩ましいが、
夫みたいに生え際だけまだらに白髪が出るのも
全体を黒に染めたとて、すぐに生え際だけ白くなってしまうのが
悩みどころらしい。
全体に満遍なく白が混じる、とかいっそグレイヘア〜ともならない。

最近、高校時代の友人に会った時、
友人の一人が髪を明るく染めて、さらに
部分的にメッシュを入れていた。
「メッシュ、おしゃれやーん」と言うと
「今はハイライトっていうらしいで」とすかさず指摘された。なるほど。

街中でもよく見かける、明るい髪色にあえて銀っぽいのを入れたりして
色味を変えることで、生え際が白くなっても目立ちにくい感じのやつ。

あれ、したらいいやん、と夫に提案する。
「え?どういうこと?」と聞かれたので、
「ほら、キムタクの最近の髪型もそんな感じやん」というと
「あーわかった!」とイメージを描いてくれたようだ。

普通の会社員ならあんな髪色は難しいが、
夫が働く業界は坊主だろうが、髭面だろうが、ロン毛だろうが
全く問題のない業界。
あんなふうにしてみたら?と言うと、
「やってみようかな〜」と乗り気。
「ちょっとキムタクの髪型検索してみてよ」と言うので、
検索してスクショを送信してあげた。
それを美容師さんに見せるという。

快く送り出したが、ふと、
美容師さんにキムタクの画像を見せて「これにしてください」と
我が夫が言うのだろうか…と思うとなんだか気恥ずかしくなった。
「キムタクにしてください」って言うの?
大丈夫?
いや、美容師さんは慣れてるだろうけど。
そういえば夫は一時期、野村萬斎さんの画像を持ち歩いて
美容師さんに「これにしてください」とお願いしていた。
なんていうか偏見なのは百も承知だけれど、「野村萬斎にしてください」は
許せても「キムタクにしてください」と言うのは100倍勇気がいるのでは?と
思ってしまう。
いや、「野村萬斎にしてください」と言う人はなかなかいなさそうだから、
逆にレア感があって美容師さんの心に残ってしまう?
「あ、野村萬斎から予約きたよ」とか裏で言われてそう。私なら言う。
キムタクは何人もいそうな気もする。

とかなんとか考えていたのだが、帰ってきた夫はまだキムタクに
なっていなかった。どうやらキムタクにするには時間が足りなかったらしい。
パーマとカラーを両日に同時にしようとしたのかしら?
キムタクにするなら、パーマはいらないんじゃない?と思うのだが、
まあいいや、予約をし直して帰ってきたと言う。

年末、果たして夫はキムタクになることができるのだろうか。
似合ってたらいいんだけど、ちょとニヤニヤしてしまいそうなので、
「似合ってるよ」とコメントする心の準備を今からしておこうと
思っている。


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朝月広海
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