【覚書】ゴールデンウィークと私
夫の仕事はゴールデンウィークとあまり関係なく、私の日常も、まあ、
子どもに合わせてカレンダー通り、と言った具合である。
ただ、ゴールデンウィーク中には私てき人生イベント。
初めて子供が産まれた日(息子の誕生日)がある。
私が親となってもう十数年経つのかあ…と毎度感慨深い。
そんな中、今年のゴールデンウィークは友人の出産祝いのため、
実家に帰省し、友人宅へお祝いに伺った。
赤ちゃんって…なんと可愛いのでしょうか。
みんなそれぞれに、ご主人のご予定だったり実家の予定だったり上のお子さんの都合があったりと忙しいので、ほんの数時間の再会であったが、幸せなひとときだった。
友人3人。
高校の同級生だが、1人は数ヶ月先に二人目を出産。
数ヶ月前に、その友人宅で同じメンバーで集まり、やいやいした時は残り二人は妊婦だった。
残り二人も無事元気な二人目を出産。
二人とも女の子で、ふわふわしていて抱っこしていて飽きない。
よく言われる男の子は硬くて、女の子は柔らかい、それは確かに実感としてあり、女の子はなんだか抱くとふわふわっと綿菓子みたいな感じがする。
プニプニしていてふわふわしている。
これは小学生になっても続いて、娘はいつまでもふわふわと柔らかく、息子はカチカチしている。
私も今でもふわふわしているのかしら?(え、ぶくぶく?)
まだ生後2ヶ月の彼女たちは、ちょっとでも眠いとふにゃふにゃと泣き、
機嫌のいい状態は存在しない。
抱っこして揺らすとスッと寝て、降ろすと泣き出す。
ああ、存在だけで可愛い!!!
まあこれが毎日となると、その可愛さは喜びだけではなく日々の大変さへと変わるのだが。
過ぎてしまった私、その瞬間だけを愛でればいい私からすると、ああっ泣き声あげてるだけで愛おしい!!!と喜びこの上ない。
友人たちと話している間中、抱っこさせてもらい、大満足である。
「ちっ」と舌打ちすることも、「ふんっ」と鼻で笑うこともない、ただふにゃふにゃの存在。
実家に戻ると、十数年前に、ふにゃふにゃ泣いていた我が子は、もはや私の身長をゆうに追い抜いており、漫画の話ばかりしている。
誕生日のプレゼントにおじちゃん(私の兄)からワンピースをもらうことになったと喜んでいる。
この息子は、私の実家では初孫で、しかも娘の子どもだから遠慮もなくあれやこれやと可愛がってくれた。母には子守り、寝かせつけ、おむつ替え、ずーっとお世話してもらった。顔が兄に似ていることもあってか、おじちゃんに特に懐き、ずっと遊んでもらっていた。
亡き父も口が達者な息子と話すのが楽しかったらしく、よく二人で将棋を指していた。すぐ根気がなくなるパパとは違い、じいじは何回でも将棋を指してくれるから息子もじいじが大好きだった。
ゴールデンウィーク中に誕生日があることもあり、小さい頃は毎年のようにじいじばあば、時にはおじちゃんも一緒に祝いに来てくれていた。
だんだん歳をとった父に運転させて来させるのも忍びなく、コロナ禍もあり、どちらからともなく誘わなくなったが、本当はじいじばあばに祝って欲しかったのだろうか。父が亡くなってからは、ますます祝ってもらっていなかったが、今回、実家で「みんなで祝ってもらいたい」というようなことを言った息子。
あまりそういうことを自分から言うタイプではないので、驚いたが、実はばあば達に祝って欲しかったのかなと思うとなんだか心が痛む。
娘は対照的に「いつもお兄ちゃんばっかり祝ってもらってずるい!」とはっきり言い、娘の誕生日は必ずしも休みとは限らないので、こちらから連れて行ったりして祝っってもらったこともあった。
三つ子の魂百まで、というが、物心つく前に可愛がってもらった存在に対する安心感と信頼感というのは深く根強いのかもしれない。
私には反抗的な息子も、ばあばに対しては決して反抗的な態度は取らない。
誕生日にLINEのお祝いメッセージがたくさんきたという話になり、ばあばから「女の子からもきた?」と聞かれた息子は、照れくさそうに、「うん、まあ」と答え、すかさずそこにパパが「マジで!?女の子からも来たん?」と重ねると心底鬱陶しそうな顔で「もういいって」と答えていた。
父親と母親にどんなに反抗的な態度をとっていても、老人に優しければそれでもう成長としては合格だと自分に言い聞かせたい。
友人宅で、先に二人目を出産していた友人は、2歳になる上の子と下の子を旦那さんに預けて参加していた。上の子は母親が一人でいなくなると大泣きするらしく、こっそり出てきたらしい。1時間ほど経った頃、震えたスマホをみて「やばい。バレた。帰るわ」とそそくさと帰る準備を始めた彼女。
ああ、私にもそんな時代があったなあ〜
今生の別れか、というような絶望的な表情で大泣きし、私を引き留める息子。
今や、出かける私に、行き先だけは確認し、
「あーあ、息子の誕生日に出かけるとはな」と嫌味だけは欠かさないが、
あとはおじちゃんの部屋でゲームor漫画に没頭。
母には見向きもしない。
「楽しんできてね」ぐらい言ったらどうだ、と思うが赤ちゃんのような可愛さはなくともいつまでも可愛らしく油断した隙を狙って背中から抱きしめる。