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【映画感想】楽園の夜、と夫について
せらせらさんの記事を読んで、観てみようと思ったこちら。
やはり苦手なノワールってやつ。
裏社会とかは好きなんだけど、バイオレンスが過ぎると
どうにも観てられない。
「刑務所のルールブック」にてどうしようもないチンピラだけど、どこか憎めない舌ったらずなカンチョルトゥを演じていた、パク・ホサンが、今作では本気の、最低なチンピラを演じていた。どうしようもなく救いようのない人間がなんだか似合う。
「ヴィンチェンツォ」のヒロイン、ホン・チャヨンの陽気な魅力は今回なりを潜め、徹底的に退廃的な空気を醸し出していたチョン・ヨビン。
東洋的な顔立ち、ミステリアスで影のある雰囲気は、ピッタリと今作の空気感にハマっていた。
オムテグもかっこいいし、チョンヨビンも魅力的だけど、如何せん血が…
というよりもリアルノワールが我が家にいるので、どうにも、もうお腹いっぱい。
何も銃弾が飛び交ったり、刃物が…なんていう話ではない。もちろん。
裏社会が我が家にあるわけでもない。
先日、夫が飲んで帰ってきた。
翌朝、リビングのソファで寝ている夫の顔を見ると、
「楽園の夜」にてボコボコにされたオムテグのようになっている。
オムテグはボコボコにされても、血まみれでもかっこいいが、
我が家のノワールはただ見るに堪えない。
髪は血で顔にへばりついているし、
見た目はどちらかというと、マ・ドンソク。
顔はパンパン。目は開いていない。
そして、マ・ドンソクやオムテグのような殴り合いが
あったわけではなく(そう信じたい)
玄関でこけて顔面を強打したそうだ。
ただただ見た目がバイオレンス。
もうお腹いっぱい。
病院に行けというのに行かないし。
現実に近くにこんな人間がいると暴力はもういらん、と思ってしまう。
夢のような癒しのドラマを観ていたい…
もちろん内容については、せらせらさんに大共感である。
いつも観ないであろう映画を、noterさんの記事や
好きな俳優さんによって観てみるというのは
自分の引き出しを増やしてくれるようで大変ありがたいと思う。
この映画における「楽園」というのはチェジュ島のことでは?と
私は思う。
そして、彼らの人生そのもの、あの数日が「夜」なんじゃないかなと。
ラストシーンが夜明けだったんじゃないかなと私は思っている。
なんとも悲しい話だけれど。
書きながら、思う。
夫はこういうノワールやバイオレンス、スプラッタもの、ホラーなどが大好きだ。
私とは趣味が全く違う。
でも…あなた自身がバイオレンス映画から出てきたような人生なのに、
どうして好んでそういうものを映画にまで求めるんだろう。
理解できない…
私は隣にジェットコースターみたいな人間がいるから、
もう乗り物ですらいらないと思っているのに。
不思議でならない。
一体、何を求めているんだ…。
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