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おこがましいけれど…

音楽について語ってみたい。

音楽にはまーったく詳しくのないので、あくまでも個人的感想。

https://youtu.be/Y8HeOA95UzQ

「三文小説」King Gnu

お恥ずかしながら、彼らの楽曲は昨年末紅白歌合戦にて「白日」を聴き、
知りました。
良い。良い。

十代、二十代の頃、「どんな音楽が好きなの?」と聞かれても
私はうまく答えることができなかった。
好きな歌とか歌手はいるけれど、なんていうか…
「それって答えるの正解なのかな?」とかいつも迷っているようなところがあった。
アイドルが好きとか恥ずかしくない?洋楽とか分けわからんけど、それって恥ずかしい?とか。

三十越えて、自分が好きなものが変わらないとか傾向がやっとわかってきた。アイドル好きで何が悪い。ベタ好きで何が悪い。俗物で何が悪い。

結局、J-popが好きなんですよ。

それも歌詞に物語があるやつ。

洋楽は結局、英語が深く理解できないから、
物語を感じ取れなくて、そこまで好きじゃないんだな、と。
(英語が理解できればいいだけの話)

で、「三文小説」について。

「白日」もだけど、もう世界観が物語そのものだなと思った。

一瞬、女性ボーカル、しかも宇多田とコラボしたのかなと思ってしまった私。全部男性が歌ってるんですって。ビックリ。ネットで検索してみたら、「ファルセット」ていうんですね。こういう男性の高音。

この世界の誰もが
君を忘れ去っても
随分老けたねって
今日も隣で笑うから

怯えなくて良いんだよ
そのままの君で良いんだよ
増えた皺の数を隣で数えながら

僕らの人生が
三文小説だとしても
投げ売る気は無いね
何度でも書き直すよ

情景が浮かぶ。
なんというか、退廃的。暗いといえば暗い。それが良い。

2016年にボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞して、話題になったけれど、残念ながらやはり英語が分からないのでボブ・ディランの音楽は分からないけれど、個人的に音楽も文学だと私は思う。

back numberも好き。

色々好きだけれど、「ヒロイン」とか「高嶺の花子さん」「クリスマスソング」「HAPPY BIRTHDAY」とか片思い系の歌詞が私的には物語。

雪が綺麗と笑うのは君がいい
でも寒いねって嬉しそうなのも
転びそうになって掴んだ手のその先で
ありがとうって楽しそうなのも
それも君がいい
思えばどんな映画を観たって
どんな小説や音楽だって
そのヒロインに重ねてしまうのは君だよ
行ってみたい遠い場所で見たい夜空も
隣に描くのはいつでも

自分の中のヒロイン=好きな相手。恋愛漫画の王道。
そうやって思い描くほどに好き、という気持ちが伝わる。


https://youtu.be/VPZK72W4Xxw

君の恋人になる人は モデルみたいな人なんだろう
そいつはきっと 君よりも年上で
焼けた肌がよく似合う 洋楽好きな人だ
キスをする時も 君は背伸びしている
頭をなでられ 君が笑います 駄目だ何ひとつ勝てない
いや待てよ そいつ誰だ

https://youtu.be/SII-S-zCg-c

最後の「いや待てよ そいつ誰だ」が好き。
この妄想からのツッコミ。自虐的でコメディっぽい。
自信のない感じの表し方。こういう表現の仕方もあるんだな。

昔から好きだけれど、聴けば聴くほどに「文学」だな、
と感動してしまうのがaikoの「カブトムシ」

少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ
甘い匂いに誘われたあたしはカブトムシ
流れ星ながれる苦しうれし胸の痛み
生涯忘れることはないでしょう
生涯忘れることはないでしょう

好きな人の匂い=甘い匂いにたとえ、
さらにそれに誘われる自分をカブトムシにたとえるところがゾクゾクする。

申し訳ないけれど、好きじゃない人の匂いって不快なんですよ。
その人の匂いを甘くいい匂い、誘われるほどに惹かれてしまう、この想い。
こんなにも好きだということを、これ以上の言葉で伝えることができるだろうかと思う。
この場合の匂いは絶対、「体臭」そのもの。それ自体が好きなんだと思う。
それほどに好きということをカブトムシにたとえて甘く切なく歌い上げるところに、感激する。
ものすごく官能的。

「カブトムシ」は歌詞全部好き。全部書き出したい。

高校生の頃は恥ずかしながら、好きな人が死んだ曲かと思っていた。歌詞を理解できるようになって、いやはやよかった、よかった。成長したな、私。


宇多田も文学的だなあと思う。
海外育ちなのに、なんでそんなに上手な日本語の使い方するんだろう、と不思議。
日本語下手だとかデビュー当時言ってたけど、
彼女の曲には昭和歌謡みたいな物語性を感じる。
https://youtu.be/f_M3V4C8nWY

昭和歌謡は失礼でしょうか?いや、昭和歌謡も好きなんで、つい。

最後に王道中の王道でしょうが、ユーミンはやはり文学的だと思う。音楽的なことは分からないけれど、歌詞を読んでて、この人やっぱり天才だなあと思う。

「翳りゆく部屋」とか。

窓辺に置いた 椅子にもたれ
あなはたは夕陽見てた
なげやりな 別れの気配を
横顔にただよわせ

冒頭から、情景が浮かぶ。

どんな運命が 愛を遠ざけたの
輝きはもどらない 
わたしが 今 死んでも

衝撃的。「わたしが 今 死んでも」というところに
女の情念と諦念が入り混じって感じる。そうなんですよね、戻らないんですよね。終わってしまった感情を呼び戻すことは不可能なんですよね。

歌詞に物語もあって、音楽もよくて…天は二物も三物も与えるんだなと思う。
凡人は日々、天才たちの造形物にあやかって、感情を揺さぶられ、そういう感情もあるんだなと、この感情はこういう言葉で表すのかと知って、少しで自分の人生を豊かにしていきたいと思うのである。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


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