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【南区役所若手職員プロジェクト 取材企画】地域とのつながりを担う図書館として-開館30周年を迎えた吉祥院図書館-

 南区役所では、区政に関する情報や南区の魅力を効果的に発信することを目的として若手職員プロジェクトを行っています。今年度はその一環として、区役所若手職員が区内施設等を取材、記事作成する取組を行っています。
 今回は、塔南高校東館の1階にある吉祥院図書館に訪問させていただき、副館長の井山さん(好きな本のジャンル:エッセイ)と、司書の小島さん(好きな本のジャンル:ミステリー)にお話を伺いました。
 吉祥院図書館は今年度、開館30周年を迎えさらに地域とのつながりを広げられるよう工夫を凝らしています。

Q、地域とのつながりを大切にされているということですが、どのような取組を行っておられるのでしょうか。

 吉祥院図書館は地域の身近な図書館として、近くにお住いの皆さんが読書のためや、ふと気になったことを調べてみようというときに気軽に利用していただける場所です。図書館の主な取組としては、子どもさん向けに絵本の読み聞かせや工作などを行う「おたのしみ会」やボランティアグループ“京都南この本大好きの会”さんや南保育所の先生、図書館職員による「赤ちゃん絵本の会」も実施しています。読み聞かせだけでなく育児相談の時間もあり、他の参加者との親子同士の交流の場としても好評です。最近はコロナ禍で制限もありますが、デイサービスや児童館へ出向いて読み聞かせをする出張事業にも取り組んでいます。
 また夏休み前に、唐橋、吉祥院、上鳥羽、祥栄、祥豊の5つの小学校に、新一年生に図書館利用を促すためにカード発行の呼びかけをしています。夏休みの読書や宿題をきっかけに、図書館に足を向けてほしいと願っています。
 ほかにも、写真が好きな地域の方から提供いただいた鳥の写真を図書館入り口に展示するなど、地域の方とのコミュニケーションも大切にしています。地域の皆さんが図書館に期待してくださっていることを受け取り、少しでも活用いただけるよう考えながら運営しています。 

絵本の読み聞かせに参加する親子

Q、多くの人に利用してもらうために工夫しておられることを教えてください。
 
 月ごとに、テーマに合わせた図書展示をしています。11月は古典の日(11/1)にちなんで古典に触れるコーナーを設置しました。また、本の作者の記念の年に合わせた展示などをして、普段手にしない本にも触れてもらう機会を作るようにしています。他にも日々のニュースや受賞などで話題となるものがあればその都度紹介コーナーを設置しています。読みたい本が決まっていないときでも、まずは来館してみてください。
 また、利用者の層に合わせたコーナーを作ることにも力を入れています。「TEENSコーナー」「シニア向けコーナー」「パパ・ママ子育て応援コーナー」など利用者の方の興味を考えながらの空間づくりを意識しています。
 ほかにはホームページに行事予定を掲載したり、人気のある本や新着の本が入ってきたのを見ていただけるようにしています。ネットで、本の予約もできるので活用していただきたいです。

10代の利用者におすすめの本を集めた「TEENSコーナー」

Q、吉祥院図書館は塔南高校東館の1階にあり高校とのつながりが深いことも特色の一つかと思いますが、特色を生かした取組などはありますか。
 
 吉祥院図書館ほど高校とつながりがある図書館はとても珍しいと思います。塔南高校とは約8年間にわたり、共に沢山の取組をしてきました。
 図書委員の皆さんは、おすすめの本を選定し、それを紹介するコーナーを作ってくれています。例えばテーマが「不思議」であれば、そのテーマにあった本をカラフルなイラストを添えて紹介しています。そのコーナーで紹介された本はよく貸し出しされています。
 書道部は、年に数回中庭で書道パフォーマンスを披露してくださいます。音楽に合わせながら、踊りも交えてとても迫力のあるパフォーマンスで、作品は館内に展示しています。
 美術部には、吉祥院図書館が発行する「TEENS便り」の表紙作成を担当してもらったり、クリスマス会では子どもさんと工作づくりもしてくださいます。他にも部員の作品を展示し、館内を彩ってくれています。
 科学部は、夏休みに子どもたち対象に「科学遊び」というイベントを開催し、子どもたちと工作などを行っています。科学の楽しさ、親しみを持てるきっかけとなり、子どもたちはとても楽しんで参加しています。
 教育みらい科の生徒さんは、お楽しみ会などで絵本の読み聞かせをしてくれています。当日読む本選びも熱心で、図書館側も読み聞かせノウハウなどを事前レクチャーしてサポートしています。

塔南高校図書委員がメッセージを添えておすすめ本を紹介

Q、開館30周年という節目の年ですが、なにか特別な取組はありますか。
 
 現在、30周年スタンプカードを配布しています。来館ごとに一つスタンプを押し(一日一回)、30個集めた方には特製キーホルダーをプレゼントしています。
 また、10月には「講談と音読を楽しむ会」を30周年事業として実施しました。成人向けサービスの充実のため、シニア層に向けた事業を何かできないかとの思いから、昔懐かしいと思われる世代の方に向けて取り組みました。好評でまたやってほしいという声もありました。
 夏休みには図書館縁日や怖いお話会を実施したり、12月には京都芸術大学(瓜生山学園)の学生サークルによる人形劇をしました。
 ほかにも、図書館で不要になった本を、利用者に持ち帰ってもらえる「ブックリサイクル」を実施しています。雑誌のバックナンバーや旅行ガイドブックを目玉に列ができるほどたくさんの方が来館されます。

Q今後の展望、皆さんへのメッセージをお願いします。
 図書館ならではの良さとして、皆さんからの質問、相談を受けて資料を探すお手伝いなども行っていますし、本での調べものは関連する情報などもたくさん得られ、インターネットにはない面白さがあると思います。
 図書館には赤ちゃんから大人まで様々な年齢の方に読んでもらいたい本がたくさんあります。たくさんの方に、身近に図書館があって良かったと感じてもらえる「豊かなおうち時間の相棒」になりたいと願っています。お気に入りの1冊を見つけにご来館ください。

吉祥院図書館のキャラクター「きっしょうくん」


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