『ダンゴムシと私』の巻
私は小さい頃から生き物が好きな子だった。よく捕まえていたのはどこにでも歩いているダンゴムシ。
透明のビンの中に捕まえてきたダンゴムシを入れて、彼らのご飯に葉っぱも一緒に入れてあげた。蓋をしないと逃げられてしまって、家のあちこちダンゴムシ状態になってしまうので、上からラップをし、輪ゴムで留め、息ができるように爪楊枝でポツポツ穴を開けてあげた。数日もすればダンゴムシたちのお家は黒くて小さなウンチだらけで、こんな小さな生き物もちゃんとウンチが出るんだと覗いていた。
そんな風に可愛がっていたダンゴムシだったが、ある日ダンゴムシにとても似ているヤツに出会ってしまう。ダイオウグソクムシだ。深海の生き物らしいので海でばったり会う心配はないが、水族館で出会ってしまったのだ。
少し濁った白色の硬そうな殻は、何重にも段々になっていて触覚が伸びていて、なんといってもデカくて気持ち悪い。そこからだった、私がダンゴムシの事を無理になってしまったのは。ダンゴムシの見た目はダイオウグソクムシの小さい版なのだ…。
しかし今振り返ると、ダンゴムシの細かい足で手のひらをこしょこしょ走られるのが好きだったな、触ると丸まってしまうのも可愛くて、石の下とかに隠れているのも可愛くて……と思う。
もしかしたら今なら触れるかもしれないので明日、試しに庭のダンゴムシを見に行こうと思う。
みなみ まる