絢游

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かみさまのはなし

僕がちょうど7歳の頃、僕はかみさまと一緒にいた。     .  .  .  . そのかみさまが自己紹介してくれたわけではないが、僕はかみさまだとわかっていた。 かみさまといることは、とても楽しかった。 かみさまといっても、あれそれと願い事を叶えてくれるわけでない。 僕が欲しいおもちゃをお願いすると。さっと気配を消した。 僕がテストで100点をとりたいとお願いすると。そっと気配を消した。 僕がカレーライスが毎日続くようにお願いすると。すっと気配を消した。 かみさまが気配を消

    • 小説:風船インフィニティ 103-02

      「お茶、ご馳走様でした」 急ぎ早に、お茶を飲み干し彼女にお礼を言う。 「こちらこそ、ありがとう。今度お礼に何かご馳走させて」 彼女から、連絡先を受け取り。僕は、そこをあとにした。 幾日か経って、ふと彼女のことを思い出して。連絡をとった。彼女が良く行くという、イタリアで食事をご馳走してもらうことになった。 こじんまりとしたバーカウンターと、小さめの4人がけのテーブルがいくつか。愛想の良さそうな店員が、愛想の良さそうな客と、なにやら楽しそうに話している。良い店だと思った。

      • 恋愛ユニバース 104-03

        宇宙人の彼女との関係を続けて、幾月か経った。 いつもの居酒屋に呼び出された。 「インスタグラムは見た? 今日は牡蠣の日よ」 彼女は、生牡蠣にケチャップをかけて食べる。 何度か進められたが、こればっかりは僕には合わなかった。というより、僕は、生牡蠣より牡蠣フライの方が好きだ。 「僕らって、もともと1人じゃなかったっけ?」 「そうよ」 「何故、僕は生牡蠣が苦手で、君は生牡蠣に目が無いんだい?」 「私は、生牡蠣が好きすぎるの。」 そういうことよ。 「あなたの分まで

        • 小説:風船インフィニティ 103-01

          彼女は、追いつけるか追いつけないかのスピードで僕の前を走っている。 彼女はとある建物に入っていった。 僕が、諦めて警察署に向かおうとすると。 僕の、横の窓が勢いよく空いた。 窓枠の中に、彼女がいる。 「あ、これ。落とし物です」 彼女は、目を丸くして、こちらを見つめていた。 「目の前で、落とされたんで。追いつけるかなと思ったんですが、なかなか距離が縮まらなくて」 「...ありがとうございます!すごい汗。仕事に遅刻しそうで、すごく急いでたので...時間あれば、何か飲み

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        かみさまのはなし

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        • 無題
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          恋愛ユニバース 104-02

          宇宙人の彼女との関係を続けて、幾月か経った。 いつもの居酒屋に呼び出された。 彼女は、いつも、何を頼むかに真剣勝負だ。 ひたすら同じものを頼み続ける時期もある。 「決めたわ。 今日は、日本酒を飲みましょう。 あと、黒板にある、おすすめの刺身の盛り合わせ」 基本的に、僕は彼女の飲むもの、食べるものに合わせる。もともと、食に執着がなく、酒もなんでも飲める事もあるが。 毎回、最後の晩餐のかのように。 真剣に注文を考える彼女が、微笑ましく。 それに寄り添いたくなるのだ。

          恋愛ユニバース 104-02

          恋愛ユニバース 104-01

          「へぇ、なるほど。君は宇宙人なんだ。 証拠を見せてよ」 「証拠。あなたは、自分が信じるために、他人から貰う何かが必要なの?」 「君が宇宙人だという事を信じてしまったら。僕は、数年後一文無しになっていると思うよ。」 「あなたが、信じたいか、信じたくない。どっちなの?」 「そんな事わからないさ。だって信じるためには、証拠だったり、その類のものが必要だといわれて生きてきたんだから」 「あなたは今日、宇宙人と一夜を共にする。もしくは、自称宇宙人の頭の変な女の子と一夜を共にするの。あな

          恋愛ユニバース 104-01

          小説:風船

          地平線の向こうで大きな風船が膨らんでいる。 いつからか太陽より、彼女の風船の方が大きくなってしまった。 元は何色だったか思い出せない半透明な大きな風船は、今日の太陽に照らされて。橙に光っている。 僕の初恋の相手は風船を膨らませる仕事をしていた。彼女は干渉を嫌い、無限に憧れていた。 いつかひとりでどこかに落ち着いて、無限に膨らむ風船を膨らませ続けたいと言っていた。 ある朝、あるニュースの話を彼女とした。 無限に広がったアインシュタインの脳内と宇宙は同一になっていたという。 無

          小説:風船

          小説:無題 2015

          地平線の向こうで大きな風船が膨らんでいる。 だんだん大きくなる色を、いつも愛おしく思う。 その先の人影を追い、息苦しくなって目を覚ます。 僕の初恋の相手は風船を膨らませる仕事をしていた。彼女は干渉を嫌い、無限に憧れていた。 いつかひとりでどこかに落ち着いて、無限に膨らむ風船を膨らませ続けたいと言っていた。 あるニュースの話を彼女とした。 無限に広がったアインシュタインの脳内と宇宙、世界は同一になって いたという。 無限に大きくなるものは、無限という新しい要素を持ち

          小説:無題 2015