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鳥と飛行機

オーストラリアに滞在中、現地の大学にも語学学校にも通っていない私は、締め切りが明日までの課題もなければ、これといって強制されてすべきこともない。

何時に起きようが、何時に帰ろうが、24時間自由である。


こんなに自由度の高い生活は何時ぶりだろうか。


そんな風に考えていたのだが、そもそも私は自由だった

大学に行くのだって自分で選んだ時間の使い方ではないか。何故、まるで自由が無いかのように捉えてしまのだろう。そして今だって、こんなに自由だと自覚しているのに「何かしなくては。」と焦る気持ちが頭を離れない。


小中高と守られた環境のなかで教育を受け、当たり前のように大学に通っていた。

数ヶ月前までの生活は

電車に乗って通学し日中から夕方にかけて授業やサークル活動に参加、課題に追われる日もあれば深夜12時までバイト先でパソコンに向かい眠い目を擦りながら帰宅して夕飯を食べながら寝落ちる日もあった。休日は6〜8時間のバイトを終えその足で友人と会っては終電まで尽きぬ話題に花を咲かせていた。

そう、常に次の予定が詰まっていた上に、終わらせるべきタスクは日々増えていくばかりだった。


しかしながら、オーストラリアに到着して以来、正反対の日常に戸惑いを隠せない



今日はホストダディに教えてもらった「Mount Coot-Tha(マウント・クータ)」という場所に行ってみた。

ブリスベンの中心からバスに乗り、窓の外の景色は高いビルから段々と広々とした住宅地に変わり、舗装された道路は林の中へと続いていた。

大きな川を横目に蛇行しながらゆっくりと坂を登り、バスに揺られて30分ほど経った頃、ブリスベンの街が一望できる高台に到着していた。


ああ、たったの30分でこんなに美しい場所に辿りつけるなんて。


自分の存在なんてちっぽけに思えるほどに人で溢れている街とは全く違う光景だった。

私はたしかにオーストラリアに存在している。

Mount Coot-Thaのてっぺんから望む光景は、私の存在を、そして私の自由についてもう一度考えさせてくれた。


鳥になりたい、そして自由に空を飛び回りたい


見上げた空に、鳥と飛行機。


人類は飛行機という移動手段を生み出し、半ば鳥のように地球上を飛び回ることが出来る。

飛び回りたいなら手段は備わっている、あとは行動するだけではないか。

鳥と飛行機を見上げながら、そんなことに思いを巡らせてた。



すぐ左側にはオープンスペースのあるレストランがあり、新郎新婦が幸せそうに手を取り合っていた。

そして右側には、雨上がりの空に虹がうっすらと架かりはじめていた。



一歩踏み出すのは、心の中で、実はいつも億劫である。

しかし、文章にしてとっておきたくなるような瞬間はすぐ隣にあるのかもしれない。

明日もそんな出会いに期待して、また一歩踏み出してみようと思う。





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みなみ【ワーホリ✳︎スタバ✳︎ミスコン】
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