The Best American Short Stories 2022(159)

The Best American Short Stories 2022(159)
The Souvenir Museum(10) by Elizabeth McCracken from Harper’s
今は、レオは母に邪魔されたくない、あるいは払拭してほしくない、恐ろしい私的な恐怖に襲われた。
彼は戦争の本を読んだ;彼の母親は知らなかった。
兵士たちはお土産を持ち帰った:耳や歯、縮んだ頭、頭皮などを。

 彼の母親は、無邪気で、塩と胡椒の瓶の入った最初のガラスケース感心してみていた。
白と黒の、2匹のスコッチテリア。
片方のスコッチテリア(塩)が赤い消火栓の前に(胡椒)脚を持ち上げている。
次のガラスケースも塩と胡椒の調味料入れでいっぱいだった。
頭痛がするほど、または物理的に認知症を示すようにたくさんあって、もっとも単純なものにもそれが意味する名前が付いていた。
:パリと記された陶器のエッフェル塔、ロンドンと記された合金のロンドン橋。
それは明らかに個人の収集物で、デンマーク人の問題のある貯蔵物だった。
明らかに全ての塩と胡椒の調味料入れは日本か中国の大きな工場で作られ地理的な場所(パリやロンドン)のスタンプを押され、輸出されたものだった。

 「この後、」と、彼女は言った、「私達、ヴァイキング村に行くわ。あなたのお爺ちゃんならここが嫌いだっただろうけど。 どうしたの?」

 僕は見たくないよ、と彼は思っていたが、彼は見たくもあった。

 彼は禁じられたお土産の所に足を踏み入れた。
彼が見ているものが何なのか理解するのに少し時間が掛かった。
:サンゴ、象牙、鰐皮の靴、あらゆる種類のエキゾチックな獲物、略奪された骨董品。

 「大丈夫?」 
「大丈夫だよ」と、彼が言った。

 顔のないマネキンが素肌にヒョウ柄のジャケットを羽織り、その痩せた白い特徴のない体は卑猥だった。
「お祖母ちゃんはミンクのストールを持っていたわ、」と、ヨハンナは言った。
「それをどうしていたかは覚えていないけど。」

 いくらかの物はその元の動物を誇示しているものもあった。
:ワニの頭が札入れを閉める口金に使われていたり、白狐の両手がストールからぶら下がっていたりした。