「あなたに届いた私の声は、もう色あせましたか?」
時間の経過、ということですね?
先日、ある人の投稿を読んでいて、ふと、前に読んだ小説を思い出しました。
プルーストの「失われた時を求めて」は、「紅茶に浸った一片のプチット・マドレーヌの味覚から幼少時代のあざやかな記憶がよみがえる」、と言う話ですが、色あせて記憶の奥に埋没したものがあるきっかけで鮮やかに蘇る。
逆に、蘇らない記憶もあります。
先日、叔母さんと話していて、「・・ちゃんは小さい頃、何が食べたい?って聞いたら「バケツくらい大きなプリンが食べたい」、って言ったんで、大きなプリンを作った」という話をしてくれました。
僕は、それを聞いても、ちっともその記憶が蘇ってこない。
孤独で寂しい子供時代を送った、と言うイメージを自分自身に創り上げてしまっていた僕には、彼女の声は届かなかったのか、色あせて消えてしまったのか。
ある人が「過去は変えることができない」と言う事を言っていたけど、過去って変えられる、と気付いた瞬間でした。