“Heart of Darkness” by Joseph Conrad (30)
“Heart of Darkness” by Joseph Conrad (30)
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彼はしばらく黙っていた。
最後に、「彼は天才だ、彼は哀れみと科学と進歩の使者で、それ以外の事は誰も知らない。」
と言った。
彼は突然、「私たちには、我々にゆだねられたヨーロッパからの理念の導き、いわゆる高い知性、幅広い同情心、目的の単一性が欠けているのです。」と熱弁し始めた。
「誰がそう言うのですか?」と、俺は聞いた。
「彼らの多くが言うのです。」と、彼は応えた。
「その事を書いている人さえいます、それで彼はここに来たのです、あなたが知っているべき特別な存在です。」
「何故私が知らなければならないのですか?」と、俺は本当に驚いて彼の話を遮った。
彼はそれには気をとめず、「そうです。今彼は最も良い局の主任で、来年には副支配人になるでしょう、二年後にはもっと、しかし敢えて言いますが、二年後に彼がどうなっているか知っています。
あなたは新しいギャング、美徳のギャング、なのです。
特別に彼を送ったのと同じ人々があなたをも推薦したのです。
ああ、どうか「ちがう」と言わないでください。
私は自分の目を信頼しています。」
その時俺は光明を得たのだ。
俺の愛すべき叔母さんの影響力のある知り合いたちがこの若者に予期せぬ影響を与えていたのだ。
俺はほとんど笑いだしそうだった。
「君は会社の秘密交信録を読んだのですか?」と、俺は聞いた。
彼は何も言わなかった。
それはとても楽しい事だった。
「カーツ氏が総支配人になれば、あなたはそのチャンスは無くなりますよ。」と、俺は厳しく続けて言った。」
「彼は突然ロウソクを吹き消し、俺たちは外に出た。
月がのぼっていた。
黒い姿が力なくうろつき、白熱した火に水をかけ、そこからシュ―シューと言う音が出続けていた。
月明かりの下で水蒸気が立ち昇り、鞭で打たれた黒人がどこかでうめき声をあげていた。
「このけだものは何て騒ぎを起こすことやら」髭を生やした不屈の男が俺たちの所に来て言った。
「彼を厳正に処分しろ。犯罪、処罰、バン!無慈悲に、無慈悲にだ。
それが唯一の方法だ。