短編「時間の隙間」


今日は大晦日、明日は元旦です。
大晦日と元旦の間に時間の亀裂があることを知っていますか?
私はこの時間に村の古い神社の前に立っていました。
この村の老人が、その地震で亡くなった娘に会えると言ったのを聞いたからです。
遠くからお寺の鐘が鳴り響いていましたが、神社の敷地内には私以外に誰もいませんでした。
というのも、それが建てられた当時は栄えていましたが、津波の後では村人に忘れられていたからです。
この神社は、津波が来たときに到達しなかった場所に、その大きな津波を忘れないように建てられたものです。
真下に黒い海が見えました。
神社の中庭に向かって開いている小さな木のドアを見つけました。
「以前はこんなドアがあったのかな?」と私はつぶやいた。
私はドアを通って庭に入りました。
その大きな津波が私たちを襲ったときに濁流の中で繋いでいた手を離したことを娘に会って謝るために。

件の老人が庭の岩の上に座っていました。
『いらっしゃると思っていました、さあ中にお入りください』と老人は言った。
老人に案内され私は神社の拝殿に入った。
予想に反して、あたかもパーティーのようなものを開催しているように楽しく話す多くの人々がいました。
老人は「彼らはここに来てから結婚し、毎年今夜パーティーを開いています」と説明します。
わたしは自分の娘がみんなの中にポツンと立っているのを見つけました。
私の娘は、「あの時私は老人に助けられ、それ以来ここに住んでいる」と言った。
彼女はこう付け加えます、「私はここで幸せに暮らしています。 しかし、私は大人になったので、素敵な若者と結婚したいと考えています。」

パーティーの翌日の朝、私は再び神社を訪れました。
神社の同じ部屋の壁には、昨夜会った人たちを描いた絵がたくさん飾ってありました。

これらの絵は、あの世界に住んでいる死んだ人々のために、この世界に住んでいる家族によって奉納された絵です。