2022の振り返りのデザインとアート
こんにちは!
こちら、隠岐・海士町は急に寒くなって、一気に冬になった12月でした。
アメリカ北部では歴史的寒波がやってきて大変なことになっていたし、少しでも無事であることを祈るばかりです。
地球規模で毎年何らかの大きな災害が起きていますが、寒冷化なのか温暖化なのか全然わかりませんね。
そんな不安定な時代、準備を怠らず、すぐに行動できる用意をしておこうと、年末片付けをしながら思います。
さて、いよいよもう来年ですね。みなさん、どんな1年だったでしょうか?
今回は一年の締めくくりとして、タイトルとトップのサムネのように、自分の一年をデザインとアートの軸で振り返ってみようかなと思っています。
この一年、何したかなーと振り返るには、スマホでどんな写真を撮ったかを見返すことで一目瞭然。日記のようなスマホの画面をそのままサムネにしています。
(便利な時代になりましたね)
2022年、後鳥羽院遷幸800年な一年
今年もたくさんの仕事やデザインをさせていただきましたが、どれか、といえば今年はこれですね。
仕事のボリュームでも大きな割合を占めていましたが、何といっても、後鳥羽院の時代の文化、アート・デザインに触れて、デザインという点でも学ぶことが大きかったです。
それに、遷幸800年タイミングで「鎌倉殿の13人」があったのもよかったですね。
去年から続くこの事業。コロナでいろいろなイベントが延期になってしまいましたが、今年2022年にはたくさんの記念イベントを開催することができました。写真と共に簡単に紹介します。
3月、島民劇。
(島民が一丸となって作り上げた、島民劇)
6月、献茶式。
(裏千家の家元が来島し、神社にお茶を奉納)
9月、島一周神輿渡御。
(2日間かけて神輿を島一周させて、島が一つに)
10月、牛突き。
(知夫や西ノ島出身の牛を島後から海士に連れてきて、4島がつながる)
10月、和歌短歌シンポジウム。
(和歌短歌の大御所と和歌に触れ、時代の時を超えて)
そして去年行われた、刀奉納。その刀の制作現場を見に奈良の月山道場の見学にも行くことができました。いよいよ来年に奉納となります。どんな刀になるか、楽しみですね!
また、それ以外にも、能や蹴鞠など、後鳥羽院が楽しんだたくさんの一流の文化が島にやってきて、時代を超えた文化に触れることができた1年でした。
アーカイブはHPで見れますのでぜひ!
https://www.gotobain-kensyo.com/
その中で、僕が制作で携わってきたのは映像制作のプロデュース、ポスター等の制作です。
2022年度バージョンのポスターは、2021年度に作ったモノクロのロゴポスターとは打って変わって、いよいよ全事業スタート!という意味を込めてカラフルなデザインにしました。
このデザインは見てもらった人に色々感じて貰えばいいのですが、こんな制作意図で作りました。↓
色は赤青黄などカラフルな色を使っていますが、日本の神社や神楽、日本の文化を連想できるような和の雰囲気にして作り上げました。
デザインは、「八百年」のタイポを左右に伸ばし、「つながる」を想起できるようにしています。外側の白の縁の部分は隠岐神社の紋を配置し、額縁のようにしています。
素材は去年作ってもらったPVの感じで、800年の世界を時空を超えた感じで見て体験してもらえたらと思って作りました。
細かい話ですが、中心の800ロゴからピカってしているいう部分は時空を超える感じとともに、程よい色味やバランスを探って、ここだけで1週間くらいデザインしていました。今見てもけっこういいバランスでできたなと、時間をかけてよかったなと、ホッとしています。
「八百年前と八百年後が ここからつながる」というコピーも書いたのですが、コンセプトとしてもそれらを一言でいいあらわしています。
いかがでしょう?「へー」と思っていただけたら、何度か見返してもらえたら嬉しいです!
今年は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」とのコラボもあって、鎌倉時代の後鳥羽院ともあいまってバッチリのタイミング。(ドラマのラストが、後鳥羽院の起こした承久の乱。)
後鳥羽院・鎌倉時代に触れ、現代を考えることのできた1年でした。
2022年、制作物紹介
・イヴランデモのブランド映像 P(中村組と)
・山本幡男特別展WEBサイト P(小山さんと)
・島前高校レスリング部のリーフレット D(カメラマンの新さんと)
・ラディーチェブランド映像 P(カメラマンの新さんと)
・キンニャモニャ祭りポスター AD(後輩デザイナーたちと)
・3setポスター AD(後輩デザイナーたちと)
・たんごくんの崎みかんステッカー AD(後輩デザイナーたちと)
・ウミガメリブ絵本 D(島後のメンバーたちと)
・北峯さんの名刺 D
・watojiのロゴ/WEB/アプリ D(小山さんたちと)
・北海道大空高校の授業でパンフレット P(高校生たちと)
・島前高校の授業でクリアファイル P(高校生たちと)
・ターンズとのコラボのプロジェクト P(商工会・ターンズと)
・大人の島留学キービジュアルポスター D(中村組と)
・ルアンDM D
[P:プロデュース AD:アートディレクション D:デザイン]
というのを作ったり、関わらせていただいた一年でした。
いろんな人(弟子とか高校生とかとも)と関わって作ったものはやっぱり楽しいし、いろんな発見あるんですよね。ありがとうこございました!
しかし、こうやってふりかえると、いろいろやったなーと思い返せますね。(漏れがあったらほんとすみません。。)
いろいろやりましたが、けっこうPの仕事が増えてきたなという印象です。
いろんな人と一緒にデザインして、「デザインするということ」を広めていきたいなと思っていたので、よかったです!
ちなみに、どれも自分なりにたっぷりと思いを巡らせて制作した(P/ADした)ものなので、一つ一つ思い入れもたっぷりあります。こだわりとかそれぞれいろいろ語れますので、ご興味あればまたの機会にぜひ!
今年も、たくさんのご縁とご依頼をいただき、
本当にありがとうございました!
2022年、アート・デザイン
そんな今年のクリエイティブですが、何かをアウトプットするには、様々な角度からのインプットも超大事です。
気になる展覧会に行ったり、都会に出た時には時間を作って美術館などで刺激やアイデアを染み込ませています。
こちらも、こうやって振り返ってみると、1年間で結構見たなーという感じです。
ヒグチユウコ展
ダミアンハースト展
メトロポリタン美術館展
2121年 Futures In-Sight展
包まれた凱旋門展
ルイヴィトン展
山陰広告賞展(手前味噌ですみません)
ADC展
コジコジ展
ヒロシマアピールズ展
ジブリ展
ゲルハルト=リヒーター展
アリス展
ルートヴィヒ展
既知の宇宙|未知なる日常展
庵野秀明展
岡本太郎展
田名網敬一展
大竹伸朗展
アンディウォーホル展
こうやって並べてみると、けっこう行ったなーという感じです。
一回東京に出ると5個くらい見に行くし、地方の美術館も狙っていったりしたので、1年通じてこれくらいになりました。(来年は海外もいきたいなー)
どれも面白かったし、刺激的で、これみながら色々話したいことはあるのですが、、その中でも1番脳裏に残っているのは、11月に行ってきた「大竹伸朗展」です。大竹さんのアイディアのソース、スクラップブック、絵画やオブジェ、音楽などなど、創作やその過程、たくさんの発見やエネルギーを感じることができました。
圧巻だったのが、45年続けている、スクラップブック。アイディアのソースかもしれないし、アーカイブかもしれない。これ自体がコラージュのアート作品でもあります。
とにかくスクラップブックを通じて大竹さんの脳みその中からパンツの中まで見させてもらった気分で、「これだ」と気づかせていただきました。
さらに、会場で大竹さんとお会いすることができて、アート・デザイン・クリエイティブ、剥き出しの作品作り(自己表現)は、今の時代に必要だなと頭をポカンとやられました。と、少しお話しさせていただきました。どんどん見て、どんどんやるしかないですよねと。
作ってて、ここ良いなと思ったところを大事に取っとかずに、そこから作り直さないと面白いものにならないと。
岡本太郎氏も「でたらめ」や「毒をもて」などとやはり、自分の外にある何かを大事にしてるんだなと思います。
「アートとは何か?アートの外にあるものだ」とどこかで聞いたことがありますが、そういう事なのかもしれないと、グッと腑に落ちました。
アーティストの、試行錯誤する・こだわり続ける・妥協しない・追求しつづける、挑戦の姿勢はほんとすごいなと。全力で生きてますよね。(そう言う人をアーティストとと言うのかもしれません)
だいたいで、とか、ゆるく、とかも悪くはないけど、、、全力のエネルギーはやっぱり、ぐっと突き刺さります。(いろんな人がいていいんですが、これもバランスですよね。)
ちょっとゆるさに偏りがちな今の時代に、こういったズドンと来るアート(思考)は必要なんじゃないかと思いました。
大竹伸朗展、2月まで現代美術館で開催されていますので、ぜひ!
僕も会期中にもう一度行こうと思っています。
(あ、スクラップブックを見たい方は、喜多屋海士までご連絡ください。)
こうやって見返していてふと気づいたのが、大竹さんのアートもそうなのですが、岡本太郎さん、田名網さん、アンディウォーホルさん、けっこうコラージュっていうことが共通点であるなと思いました。
(例えば、岡本太郎さんの絵は、モチーフの組み合わせとも見れます)
コラージュってカオスでもあるし、コラボでもあるんですよね。超多様な。
コラージュって技術もあるとは思いますが、組み合わせのセンスですよね。それが何かになっていく過程はセンスだし、その過程でセンスは磨かれていくのかもと。
デザインのレイアウトも、いろんな素材のコラージュともいえますし、コラージュで色々発見できそうです。
今年の島前高校の授業の最終回に、少しセンスの話をしました。
世の中の変化の加速度がどんどん増す時代、オールマイティで褪せない能力はセンスだと思うから、ぜひセンスを磨いてみてくださいと。
センスは先天的なものじゃないし、センスのいい環境を自分で選択することで自分のセンスも磨かれていきますから。
例えば、センスは、デザインのみならず、服選び、ソファ選び、料理の味付け盛り付けだってセンスは生かされます。コミュニケーションやビジネスや生き方だって、いい選択をするにはセンスが生きてくると思います。
そのために、センスがいいなって感じたモノゴトを積極的に見て感じて取り入れてみて、自分なりにどんどん深めていく(←ここ大事)のが、人生にいいんじゃないかなと思っています。もちろん僕も、まだまだずっとです。
2022年、思ったこと
今年1年、後鳥羽院をきっかけに様々な文化・芸術に触れることによって、今まで見てきたアートも違ったふうに捉えることができて、文字通り世界が変わりました。
僕はデザイナーという職業というのもありますが、やはり地方に暮らしていて、1番足りないなと感じるのはやっぱりアートやデザイン的クリエイティブ要素だと思います。
地方にはそれぞれ素敵な文化があるのに、それをうまく伝えることができていないのがもったいない。逆にいうと東京に人が集まるのは東京の文化をしっかり伝えられているっていうのもあるんじゃないかなと。(食や芸能・祭りなどの江戸文化のように)
もうちょっと言うと(僕はデザイナーという職業というのもありますが)、「カルチャー」こそが「今の日本に1番必要な部分なんじゃないかな」と思いました。
例えば外国人からしたら円安で給料も安く、物価も高くて、英語も通じない日本に住む/来るのは、やっぱりそこの文化が好きだからだと思います。(じゃないと香港とかにいきますよね)
もし「カルチャー」がなくなってしまったら、そこはきっと無機質な場所になってしまい、魅力が減ってしまいます。
食文化などもありますが、伝統のような物質的ではない文化もそれを支えているんじゃないかなと。守る文化もあれば、壊す文化も、創る文化も。文化を意識することが、文化になるのかもしれない。
本気で、きちんと、文化を掘って磨くこと。海士町のかかげる「ないものはない」というのも、ここにつながるなと、改めて思いました。(本気で、きちんと作ったものは、やっぱりずっと残りますからね。)
だから、「カルチャー」こそが「今の日本に1番必要な部分なんじゃないかな」と思い、タイトルのサムネをcultureと入れて作りました。
世界中ではコロナに戦争、気候変動に景気後退、国内では人口減少に物価高など、世の中大変なことが起きて気が滅入ることが多いですが、、ずっと昔から同じようなことがなんどもあって、(なんども懲りずに繰り返しながら)その都度人類はより良い未来に向けて乗り越えてきています。
ワールドカップでは、最高の選手たちの気合の入ったゲームで世界が一つにハッピーになったように、楽しいことだっていっぱいありますよね。きっとこれからも。
と言うのを来年はもっと意識して何かできることを(気合を入れて)していきたいなーと思っています。
だから僕も、もっと素敵なクリエイティブで、ほんのちょっとでも町や世の中を楽しくできたらいいなと、そんな沢山のことがあった2022年を振り返ってみて、思いました。
元気があれば何でもできる!
今年もありがとうございました!
来年もよろしくお願いします!
(1、2、3、ダー!)
それでは皆さん良いお年をお迎えください!!