王様の孤独を救った太陽
どうぞこの曲をBGMにお読みください。夫が大好きなtacicaの「LEO」です。
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「王様」という言葉に、あなたはどんな印象を持つだろうか。「君主」「権威」「畏敬」あるいは……
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世界は平等なんかじゃない。持って生まれる個性は千差万別だし、同じ性質を持っているはずの一卵性双生児だって、生育環境が違えば全く違う人生を歩む。
それでも人は、より高い場所を目指して努力する。丘を越え、山を登り、空を仰ぐ。いや、時に空さえ征服しようとして、翼を求めることだってあるかもしれない。
その生き方に限界を感じれば、居心地の良い平地や中腹に定住することもあるだろう。大多数の人間はそうして生きている。私もそうだ。
生きていれば時に、疲れて崖下へ転がり落ちることも、絶望して深海に沈むこともあるだろう。けど、何かのきっかけで光を得て再び浮かび上がることもあると、私は知っている。
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「彼」はただ高みを目指しただけだった。自らの才能に甘えず努力を惜しまず、頂点に向かってひたすら走り抜けた。ただ、幼かった。先を焦る彼が中腹で置き去りにしたチームメイト達は、大事な場面で全員がそっぽを向いた。彼のことを独善的な「王様」と呼んで…
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私が「ハイキュー‼」で1番最初に惚れたのは、主人公・日向翔陽…ではなく、もう一人の主人公・影山飛雄です。(全員格好良くて甲乙つけがたいんですけどね。ちなみについ最近アニメを一気に全話見ただけのにわかファンです。原作未読スミマセン)
私、昔からこういうちょっとひねくれたキャラが好きなんですよ…という冗談は置いといて、影山のどこが好きかというと…
・目標に向かう真っ直ぐさ
・素直になれない不器用さ
・バレーボールは天才的なのに勉強できないギャップ(宇都宮が読めないのには驚きました)
・未熟ゆえの過ちを乗り越えていく姿
などなどです。
個人的な見所は、1話で日向に向かって「3年間何やってた」と怒ったことで日向の目が覚めることと、名言「オレにトス持ってこい」をはじめ、日向達の言葉に影山が救われていくことの対比。
時々フラッシュバックする影山のトラウマを、日向がケロッと一蹴していく場面の数々は、見ていて愛おしい。尊い。真っ暗闇に差す光、それこそテールランプのように、道標となって、夜明けへ向かっていく。
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あとこれだけは言いたいっていうのは、影山が白鳥沢に落ちたことは、人間性の面でプラスだったと思うってこと。
白鳥沢は優秀な人材の集まり。もし彼が入学していたら「ここが理想の居場所」と信じて疑わず、中学時代の過ちも「周りがついてこなかっただけ」で片付けていたのではないかと思います。烏野に来て(ここもかなりの人材の集まりだと思うけど)、個性豊かな先輩や同級生と触れ合い、歩み寄る経験を経た彼は、きっと人間的に大きく成長したはず。ていうか、してる!
…というわけで、アニメを見ただけだけど、影山飛雄のさらなる飛躍に期待して、締めくくらせていただきます。
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世界は平等なんかじゃない。
持って生まれる個性は千差万別だ。
でも、だからこそ人は、助け合うんじゃないかな。
太陽の言葉を浴びて、手を取り合うことを知った王様は、きっともう、孤独なんかじゃない。
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