幼い日のクリスマス会。
「とん、とん、とん、やどやさん、どうかひとばん、とめてください」 「どこのおへやもいっぱいですよ」 「こまった、こまった、どうしよう」 「むこうのやどやにきいてください」
これは私が6歳の時に演じた、幼稚園のクリスマス会の劇の1幕。セリフでピンときた方もいるかもしれませんが、キリストの生誕劇です。キリスト教教会の附属であった私の幼稚園では、年長さんが演じることになっていました。年中さんは…よくある童話とかだったかな。合唱(賛美歌)やパネルシアター(あわてんぼうのサンタクロース)とサンタ登場(誰かのお父さん)&プチプレゼント(飴玉とか)よりもずっと印象に残っています。
幼稚園児向けながらポイントはよく抑えてあって、ざっくりした流れは、マリアさま(女子から一番人気の役)が天使たち(二番人気)に受胎を告げられ夫ヨセフと共に旅に出る→ひつじかいたちが天使の声を聞いてお祝いに向かう→博士たちが星の輝きを観測してお祝いに向かう→マリアとヨセフが宿を探す→馬小屋に全員集合&お祝い、というもの。詳しく知りたい方はこちらやこちらを読んでみてください。降誕劇とも呼ぶみたいです。
ちなみに、冒頭のセリフは、マリアとヨセフが、宿を求めて戸を叩く場面です。このセリフ、実は歌になっていて、なんなら今ここで歌えるくらいよく覚えています。ちなみに、宿屋さんは3人いて(私とマリちゃんとトモちゃん。当日、偶然同じキャラ物の黒タイツを履いてきてすごーいと言ってたけど、あれは母親同士で相談してたんだろうなあ)、3人目は「うまごやならば、あいてます。さあさあどうぞ、おはいりください」と続きます。(私は何番目だったかな?そこは覚えてないけど、3人目ではなかった。)
そんな訳で、キリストの生誕劇を演じたことがあるために、私にとってのクリスマスは、ただのお祭り騒ぎではなく、ある程度の宗教性を持っています。(熱心な教徒ではないけれど) そのせいか、世間のクリスマスムードを見ると一歩引いてしまうというか、若い時なんか「このイチャイチャカップルはクリスマスの由来を知ってるのか? 冬至カボチャ食え」と卑屈になることもありました。あ、今はそんなことありません。経済を回すのに必要な戦略だと思ってます。
でも、お祭りの由来を知るって、楽しみが深まる気がしませんか? 2000年以上も続いてきた伝統、文化に思いを馳せるのも、悪くないと思いますよ。