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へたったウィールの位置交換と、2種類のウィールの組み合わせ方

 先日、いつものように練習していたら「あらー、ウィールがずいぶんへたってきちゃったわねー」とコーチに言われたので、屋内用の靴のウィールも交換することにした。うちのクラブでは、なんでも必要なものがあれば、ボスにお任せするとそれぞれのメンバーに合わせてちょうどいい道具を選んでくれる。しかも一般店舗よりも安い価格で販売、付け替えまでやってくれるので、本当にありがたい。

 今回ボスが私に選んでくれたウィールは、Komplex(コンプレックス)。アーティスティック・ローラースケート業界では、Rolle-Line(ロールライン)とともに人気のあるメーカーだ。イタリア製なのだが、最近はアメリカの選手もコンプレックスのフレームやウィールを使っている人が多いようだ。私もフレームにKomplexを使っている。

 ボスが選んでくれたウィールは、Angel(エンジェル)というシリーズの硬さ51、直径57㎜のもの。あまり好みの色ではない、オレンジがかったクリーム色(Peach)なのがちょっと残念だが、硬さがちょうどいいのでしょうがない。他の硬さはみんなもっとかわいい色なんだけどね……。

 Angelはフィギュア(図形を描く競技)とフリースタイル用に開発された硬めのウィールだ。フィギュア用は直径が大きめの63mm、フリースタイルでは57㎜。フィギュアではワンプッシュでかなりの距離を滑らなければいけないため大きめのウィールを使い、フリースタイルでは小回りのきく小さめのウィールを使う。私はフリースタイルをやっていないのだが、前にも書いたように57mmが使いやすいので、ほぼお任せながらもサイズだけは事前にリクエストを出しておいた。

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↑ KomplexのAngel。硬さはHD51。サーモプラスティック・エラストマーという素材で、ポリウレタン製のウィール(98A、78Aとか)よりも硬め。

 これまでずっと使っていたのはRolle-LineのGiottoのグレー(硬さ49D)で、結構気に入っていたのだが、このKomplexを使ってみて驚いた。Roll-Lineのグレーの方が数字的には柔らかいはずなのに、このKomplexの51の方がしっかりとグリップがきくのだ。それもなんとも不思議な感じで、グリップがきいてスケーティングレッグがプッシュしやすいのに、滑った感触はちゃんと硬いウィールなのである。

 このウィール、良いわー♪


■ウィールがへたってきたら、位置を交換しよう

 ウィールがへたってきたら、すぐに気前よく新しいウィールに交換できればそりゃいいのだが。その前にウィールの位置を交換することで、もう少しウィールの寿命を延ばすことができる。私も新しいウィールを購入する前に、しばらくこの方法を使っていた。

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 これが、交換前の私のRolle-LineのGiottoのウィール。こんな風に、ウィールの外側だけ汚れなくなってきたら、その部分がすり減ってしまった証拠だ。

 へたってきたウィールは、どれが一番状態が良いか、悪いかを見極めて、場所を入れ替える。

<基本のルール>

1)一番状態の良いウィールは、前のインサイドに使う(緑の部分)

2)一番状態の悪いウィールは、後ろのアウトサイドに使う(茶色の部分)

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 また、へたり具合を均一にするために、2~3か月に一度ウィールの位置を入れ替えている、という知人もいる。その場合はそれぞれの靴の対角線上にあるウィールをペアにして、緑と茶色を入れ替え、さらに印のない部分のウィールの前後も入れ替える(前アウト←→後ろイン、を入れ替える)のだそうだ。私はマメではないので、へたってきてから入れ替えればいいんじゃない~?と思うのだが。


■2種類のウィールを組み合わせる

 アーティスティックでは、2種類のウィールを組み合わせて2つの硬さのそれぞれの良さを取り入れる選手が多い。ただし、違うウィールを混ぜ合わせて使う場合は、基本的に同じメーカーの同じシリーズで、硬さだけ違うウィールを使う。直径のサイズはもちろんだが、幅やリップ、素材などが同じ方が無難だ。

<基本的なセッティング>

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 基本的には茶色に硬いウィール、緑に少し柔らかめのウィールを使う(例:茶色にHD52、緑にHD50、など)。これだと、スピンで使う位置に硬めのウィールが来る。反時計回りのストロークで主に使う右足のインサイドの前輪には、柔らかいウィールが来てプッシュしやすくなる。

<滑りやすい床の場合>

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 滑りやすい床の場合は、緑に柔らかめのウィールを使い、茶色に少し硬めのウィールを使う(例:緑に90A、茶色に93A、など)。つるつるした床で、思いがけずスリップしてしまうのは、特にスケーティングレッグでプッシュする時だ。ストロークをする時に、最後に床を離れるのは緑の部分となるが、そこに柔らかめのウィールを使っておけばコントロールしやすくなる。

 ローラーダービーの人にはこのページに紹介されている組み合わせも良さそうだ。



 しかし私は室内用のウィールは絶対に屋外では使わないし、つるつるの体育館の木の床でしか使っていないのに。しばらく使えば、ウィールってこんなにもすり減ってしまうものなのね。


 ウィールについては、こちらの過去記事リストも参照。


追記:2種類のウィールの組み合わせ方に基本のセッティングを追加した。


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