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ベアリングについて
先日、ウィールを新調した時に、ベアリングも新しいものを購入してみた。色のカワイイものを選ぶか、性能で選ぶか、値段で選ぶか……。買い物って、どれにしよう!と悩むこの時間が一番楽しい♪
■必要な数
ウィールの両側にベアリングが必要なので、4輪のローラースケートには
4輪x2両側x2足分=16個
のベアリングが必要となる。
■サイズは、7mm or 8mm
まずは、自分のフレームの車軸(アクスル、axle)の太さを確認する。4輪(クアッド)のローラースケートのベアリングには、車軸に通す真ん中の穴の大きさのサイズに7mmと8mmがある。アーティスティック・ローラースケートのフレームや、昔ながらの屋内用の靴には7mmが多いが、最近の一般的なスケートは8mmなことが多いようだ。私の場合は、同じ屋内のアーティスティック用でもリスポートの靴に使っているKomplexというイタリアのガチガチアーティスティックなフレームは7mmで、台湾のゴールデンホースの靴セットについてきたフレームは8mmだった。
7mmのベアリングは「627」、8mmのベアリングは「608」という規格で表記されている。また、マイクロベアリングという、中のボールが小さくて軽く早く回転するが衝撃に弱いタイプは、ジャンプができないので使用用途が限られるが7mm用の「167」と8mm用の「688」がある。
8mmのベアリングを使える人は、スケートボードのベアリングが同じサイズでそのまま使えるので便利だ。ローラースケートよりもスケボー界の方がベアリングの種類が多く、性能も良いものがたくさん出ている。ただし、付属されているスケボーのスペーサーは幅があるので使えない。そしてスケボーとはウィールの数が違い、必要なベアリングの数が違うので注意(2箱購入する必要があったりする)。
サイズが分からない場合は、今使っているローラースケートを店舗に持参して「これに使いたい」と言えば、お店の人が見てくれる。自分でベアリング交換するのが不安な人は、平日などの空いている時間に行って「ベアリングを購入したら、交換もお願いできますか?」と聞いてみると、やってくれる店が多いと思う。私は7mmと8mmの両方で使える本格的なベアリングプレスを持っていないので(次はこれを買わねば!)、ウィールからベアリングを外す作業だけお店でお願いしたりしている。
■色
性能の良いベアリングは、色のバリエーションを選べないことが多い。いろいろな色のベアリングが作られてはいるが、その性能にはその色、といった感じで、同じ性能で色違いが欲しい!というニーズには答えてくれないことばかりだ。
色で選びたい場合は、このブランドがカワイイのでおすすめ。ベター・ベアリングス。私も1つ持っている。
オーストラリアのブランドなのだが、海外発送もしてくれる。ABEC7の「Rock Solids」、ABEC7だけどさらに早めで耐久性のある「Lickety Splits」、セラミックの「Flash Lightning」の3種類があり、それぞれに10種類のカラーが用意されている。
■ABECと性能
ベアリングの性能には、ABEC(エイベック)という工業規格がある。3,5,7,9という数字があり、精工に作られているものほど数字が大きくなり、スムーズで早く回転する。つまり、ABECの高いベアリングを使えば、ちょっとプッシュするだけですーっと滑り、スピードも出しやすい。
ただ、Bones(ボーンズ)などの性能の良いベアリングでは、最近このABEC表記を使用しない流れになってきている。ABECが高いほど耐久性も必要になってくるのだが、この点がABECだけでは判断できないからだ。さらにベアリングには、ABECだけでは測れないさまざまな性能の違いがある。だから、ABECではなく信頼できるブランド名と商品の内容で選べ、ということのようだ。
ABEC以外の性能については、業界を牽引するBones社の商品を見てみるとよくわかる。まず中国製とそれ以外に分かれている。リーズナブルな価格の中国製REDS(レッズ)シリーズと、高価なスイスやカナダ製のSWISS(スイス)シリーズがあり、それぞれ同じ作りなのだがやはりクオリティはスイスの方が上だ。
さらにそれぞれのシリーズで耐久性のあるもの、ベアリング内のボールの数が通常7個のところ6個になりさらに回転が速くなるもの、セラミックのもの、などが販売されている。特にアグレッシブ・ローラースケートや、ローラースケートパークで滑る人、アーティスティックでも頻繁にジャンプを飛ぶ人には、耐久性は大きなポイントだ。REDS、SWISSシリーズともに、性能の低いものから高いものへ順番に並べておくので参考にして欲しい。
【REDS】レッズ
中国製でリーズナブルな価格。手軽に使える人気商品。
↓ もっといいやつ
【REDS Big Balls】レッズ ビッグボール
中国製でリーズナブルだがベアリング内のボールが通常の7個ではなく6個で、摩擦が少なくなりスムーズに回転が早くなる。
↓ もっといいやつ
【Super REDS】スーパーレッズ
中国製でリーズナブルだが「スイス」と同じ作りで速く回転し耐久力がある。
↓ もっといいやつ
【Ceramic Super REDS】セラミック スーパーレッズ
中国製でリーズナブルだがセラミックで軽く摩擦が少ないため回転が早い。回転による熱への耐久性にも強く、錆びない。
【Swiss】スイス
スイス製で高品質。かなり耐久性もあり回転が早くスムーズ。プロ、アマともに世界中で一番人気のあるベアリング。
↓ もっといいやつ
【Swiss 6】スイスシックス
REDSのビッグボールズのスイス高品質バージョン。ベアリング内のボールが7個ではなく6個で大きくなるため、強度も上がり、摩擦が少なくスムーズに回転が早くなる。
↓ もっといいやつ
【Swiss Ceramics】スイス セラミック
Bonesのベアリングの中では最高品質。セラミックボールは錆びず、回転による熱への耐久性も強い。軽くて摩擦が少なく回転数も上がりやすい。
いろいろ悩んで、今回私が購入したのはBones Swiss。普段、屋内のつるつるした床でかなり硬いウィール&かなり早いベアリングを使っているので、できるだけ同じように早くてスムーズな使用感で、さらに屋外でも安心して使える耐久性のあるものが欲しかった。ネットでよく見るBonesのSwissを使ってみたかった!というのもあるが。
箱を開けると、ロゴのシールが入っていた。かわいい。
使ってみた感想は、柔らかいウィールと屋外スポーツコートの地面でも結構早くてスムーズな滑りができて、なかなか良かった。摩擦の大きい柔らかウィール&屋外の地面で滑ると、すぐに滑りが止まってしまうような感覚があったりするが(←今まで使っていたチーズボールズのチェダーの使用感)、このベアリングを使うと滑りが伸びる感じがあった。
本当は、青いウィールの色によく合うブルーのSwiss6が欲しかったのだが。2箱買うと、なんと約200ドル(2万円くらいの感覚)もするのだ。こんなにちっちゃい部品だってのに!ベアリングが、屋外用に使ってる台湾製のローラースケート本体より高くなってしまうのはどうかと思ったので、やめておいた。良いベアリングは、もっと良い靴に合わせないともったいないかも。
ただ、ベアリングは小さな部品とはいえ、滑りを大きく左右するかなり重要なパーツだ。じっくり選んで、お財布に余裕のある時にはできるだけ良い物を購入した方が後悔しない。
そういえばうちのコーチの1人は、先日レッスン中に何もないのに転んだと思ったら、同時にぽーん!とベアリングが壊れて部品が飛んで、ウィールも転がっていってしまい、片足スケートであたふたしていた。見てる私たちは目が点になりながら、そんなこともあるのね、と大変勉強になりました笑
ベアリングの交換方法はこちら
ベアリングのクリーニングについてはこちら
追記:ABEC11
私が屋内のアーティスティック用に使っているベアリングは、ABEC11と表記されている。ABECには9までしかないはずなのだが、たまにABEC11と表記された製品があるようだ。厳密な工業規格の表記ではなく、ABEC9より上の製品だと表現するための肩書きのようなもの、といった感じだろうか。正式な工業規格ではないといっても、私のベアリングは怪しい製品という訳でもなく、使用感がかなり良くて早いベアリングなのは確かだ。
追記その2:ABECだけでは品質を計れない
先日、屋内用のウィールをダンス用に交換したので、ベアリングを新調した(詳しくはこちら)。今回ボスが選んでくれたのは、Komplexのカーボン・グラファイトのABEC5。1回のプッシュ(蹴り)で気持ちよく滑りが伸びて、なかなか良い感じ。これまで使っていたABEC11の製品より距離が伸びるくらいだ。やはりベアリングの品質は、ABECだけでは計れないなと実感した。
同じメーカーの製品同士ならABECの数字が高いモデルの方が良い製品なのは確かだが、違うメーカーや違う材質のベアリングを比べる時にはABEC以外の要素について考える必要がある。
良質の製品を作るメーカーかどうかが、やはり一番分かりやすい目安なのかもしれない。Komplexは、アーティスティック・ローラースケートの世界選手権に出る選手たちが使用することも多い、プレートやウィールでも定評のあるメーカーだ。
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