シャッセ
シャッセとはフランス語からきた言葉で、英語でも「chasse」と書くのにチャッセではなくシャッセと読む。この言葉、英語に置き換えると「chase(チェイス)」なのだそうだ。つまり追いかける、という意味の言葉らしい。バレエとスケートのシャッセは動きがかなり違うのでややこしいのだが、どちらも片方の足がもう片方を追いかける動きなのでこの名前がついているようだ。
シャッセは、とても簡単な動きだ。やり方は、円の内側にある足をほんのちょっと持ち上げるだけ。でも、それだけなのにとても効率よくスピードを出して滑ることができる動きなのだ。ワルツ音楽にのって、反時計回りの円周上でワン(右)、ツー(左)、シャッセ、ワン(右)、ツー(左)、シャッセ……とストロークの合間に挟みながらリズムよく練習するといい。ストロークはダブルでカウントし(いーち、にーい)、シャッセはシングルビート(いち、に=右、左持ち上げ)と小刻みにリズムをとる。
注意しなくてはならないのは、シャッセする足を上げすぎないこと。うちのコーチは、だいたいスケート靴半分の高さで上げるようにと指導している。ウィールの高さだけしか上げるな、というコーチもいる。上げた足は地面と平行にしたままで。
また、シャッセで持ち上げる足はアウトエッジに、スケーティングレッグはインサイドエッジにしっかり乗る。
シャッセのようなシンプルな動きでは、姿勢やスケーティングの美しさ、汚さが余計に目立つので注意。一つ一つの動きを丁寧に。
■シャッセの動画
残念ながらローラースケートでシャッセを説明している動画はないようなので、いつものようにアイススケートの動画を紹介する。ローラースケートでも、靴が違うだけでまったく同じ動きだ。
・動画その1:キセニア&オレグ
↑ キセニアとオレグの動画。フォアのシャッセ。
↑ こちらは、バックのシャッセ。
その他のアイススケート動画はこちら。
・動画その2:アイスコーチ・オンライン
↑ アイスコーチ・オンラインのロイドが教えてくれる、シャッセの動画。
↑ 同じくアイスコーチ・オンラインから、バックのシャッセ。ヒップをまっすぐにしたまま。必ず足を揃えてからシャッセすること。
・動画その3:シン・アイス
↑ シンアイスのジョン・ヘイズのシャッセ動画。
このイギリス男子2人のシャッセは、うちのコーチが教えるシャッセよりかなり位置が高い。アイス業界ではこの高さなんだろうか?でも、キセニアのシャッセは低いので謎だ。
皆さまはどちらで習いました?
■その他の注意点
シャッセはシンプルで簡単な動きなのだが、それだけに細かなポイントが目立ちやすい。
・姿勢
シャッセをする時にまず注意したいのは、姿勢。顔、肩、腕、上半身などを美しく見せること。
・エッジ
そして、しっかりとエッジにのること。シャッセは円周上での動きであり、フラットなエッジで滑ることはあり得ない。ダンスでは基本的に反時計回りにリンクを滑るので、左足はシャッセの足を下ろすときにしっかりとアウトに乗ること。左足を持ち上げる時、右足はしっかりとインに乗っていること。
・足を揃える
動画でも指摘されているが、かならず左足を持ち上げる前と後には足をきれいに揃えてANDポジションをとること(揃えるとはいえ、両足で滑るのは×)。シャッセ後に右足でストロークする時にも、前に右足を踏み出さないこと。ダンスで足を前に踏み出して良いのはプログレッシブ(ラン)の時だけ。
※かなり細かいことを言うと、シャッセで左足を下ろす時には両足を揃えるため、自然と左足は円周より少し外側を向く。とはいえ、理論的にはそうなのだが、これは滑る時には意識しなくてもよし。とにかく、足を揃える!を意識する。
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