ローラースケートのダンスの試合準備①:パターン編
今、悲しいニュースを見ている。
一昨日から我が街がまたしても3日間のロックダウンに突入したのだが、期間が日曜日の夕方まで延長されたそうなのだ。
今週の土曜日に初めての試合に出場する予定だったのに……!
おそらく試合は延期されて、後日また改めていつになるのか連絡が来るだろうとは思うのだが。デルタ株がこのまま感染拡大していき、数か月のロックダウンということにでもなれば、完全に中止という可能性もある。一緒に初めての試合に出る予定だった娘は、そんなニュースを見てもあっけらかんとしているが、私はもう、デルタ株のバカーっ!という気分で仕方がない。デルタ株のバカバカバカーっ!
しょうがないので、トレーニングや準備期間が延びて良かったと思うことにする。といっても、うちのクラブの練習場も当然今は閉鎖されているので、イメージトレーニングでもするしかないが。
今回、私はソロダンス(アイスダンスの陸上版みたいなやつ)、娘はフィギュア(図形)で初めての試合に出ることになっていた。
■初心者用ダンス競技のパターン
毎回書いているが、このページから初めて私のnoteにやって来る人もいるかもしれないので、念のため。アーティスティック・ローラースケートのダンス競技というのは、ローラーダンスとは別物だ。ローラーダンスはポップスやR&Bで踊るノリノリ系だが、アーティスティックのダンス競技はアイスダンスと同じく社交ダンス系である。
今回の試合で決められているダンスのパターンは「シティ・ブルース」と呼ばれる基本のスタイルをさらにシンプルにしたもの。スピードは88BPM(Beat per minute、つまり1分間に88ビート)という、ダンス競技では一番ゆっくりなテンポの曲が使われる。当日まで何の曲になるかは分からないが、必ず同じテンポの曲になるので、どんな曲だろうが滑りにはまったく影響しない。
そして、ダンスのパターンではほぼ必ず左足からスタートする。右足を後ろに置いてTスタートのポジション&両腕を横(といってもほんの少し前ぎみ)に広げて美しい姿勢を保ち、数カウント聞き流してから左アウトエッジでスタートする(ダンスで滑る時には、というかどの競技でも、エッジなしのフラットな状態で滑ることはない)。このスタート前にその場でちょっとした振り付けのようなものを入れる人もいる。そして4拍子なら、最初の4カウント(ワルツなら3カウント)は助走みたいなもので始まる。
↑ これが一般的なシティ・ブルースのパターン。今回の試合ではこれをさらにシンプル化して、ラン(プログレッシブ)、クロス、ホールド(スケーティングレッグが後ろに伸びたらそのままホールド)しかないパターンになっている。
初めてこのパターンを教えてもらったときには、なにそれ簡単すぎでしょ~などと思ってしまったのだが。
アーティスティック・ローラースケートのダンスと言う競技は、一つ一つのステップの正確さ、音とリズムにどれだけ正確に合わせられるか、が要求される。これくらい簡単だ、と思っていた動きでも、練習を重ねるうちに一つ一つを正確に美しく滑るように矯正されていった。
普通のスケーティングとホールド、姿勢、リズム感には割と自信があったのだが、一番直されたのは、ラン(プログレッシブ)だった。ランを直されていった詳細は、以前書いたランについてのnoteに追記として書き足しておいた。
簡単に言うと、私が今までやっていたランだと、プログレッシブの時に足を外側から大きく持って来ていて雑すぎる、ということだった。
そして自信のあったリズム感も、実際にやってみると、常にリズムを崩さずパターンをこなすって意外と難しいことなんだな、というのがよく分かった。ランを正確にこなすことを意識すると、リズムにちょっと遅れてしまったり。うまくランが出来なくて「あ、やってしまった」と思うと、すぽんと頭が真っ白になって音が聞こえなくなってしまい、そこから元のリズムに戻って立て直すのが難しかったり。
初めは簡単なパターンから一つ一つ習得して試合経験もつんでいくしかないのだな、とそんな当たり前のことがよーく分かった。
だけど、音とリズムに乗って滑るのって、本当に気持ちが良い。太古の昔から人がリズムに合わせてたき火の回りで踊ったりしてきたのは、やはりそれが人間の本能だからなんだろうな、などと思ってしまう。
今週末の試合は、せめて延期になるよう祈るしかない。今のうちに、アイスダンスの選手たちの美しいランをたっぷり見ておこうと思う。ロックダウンが起きてしまうようなこの時代にYoutubeがあって本当によかった。
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