なぜ、私は働くひとの健康を大切にしたいのか
2023年6月に(株)iCAREに入社し、気がつけばもう1年以上経過していた(びっくり!)ということで、最近採用面談時にもよく聞かれるこの質問「なぜ、私はiCAREで働いているのか」について、改めて書きたいと思います。参考までに入社時のnoteはこちらです。
学生時代の出会い
私は中学生〜大学生まで10年間バレーボールを競技としてプレーしていました。高校生の時には、身体能力的にトッププレーヤーになることを諦め、選手を支える側(アスレチックトレーナーなど)の仕事をしたいと考え、地元金沢大学のスポーツ科学課程へと進学しました。そこで保健体育の教員免許も取得したのですが、大学で受けられる授業の中に「公衆衛生」「健康教育」など、いわゆる「保健」に関わる授業に強い興味を感じました。
私が大学生だった1990年代は、65歳以上の人口が14%を超え、「高齢社会」へ突入したタイミングでした。そのため、大学の講義でも将来の日本社会に対する強い危機感ー医療費の増大、若者と高齢者数のバランスの悪さからくる社会保障制度維持の困難さ、労働者人口(15~64歳)の減少による経済規模の縮小などーが問題視されており、学生ながらにこの社会課題の解決に何かできないだろうかとぼんやり感じたことがきっかけでした。
海外から日本を見て決断したこと
しかし、高校時代からの夢であったアスレチックトレーナーと、にわかに興味を持った社会課題の解決、どちらも選びきれず、結局は留学後にどちらの勉強をするか選べるよう、どちらの学科も提供していたUniversity of Alabamaを留学先に決定しました。余談ですが、当時はインターネットが普及し始めていたとはいえ、いまほど情報が掲載されていなかった時代。そんな中で、エージェントに頼らず、留学先の大学調査から手続きまで全て自分で調べ、自分で手続きをして留学をしました。
日本の大学を卒業し、最初の数ヶ月はフロリダ州に、その後学期が始まる前の7月にはアラバマ州へ移動し、最初は語学学習を中心に取り組んでいました。その期間、どちらの選択をするかずっと迷っていたのですが、日本を国外からみる機会を得たことで、社会課題の解決に貢献できることを勉強しようと決心しました。その決心の背景には、貧しい暮らしが残るアメリカ南部の生活を見たことがありました。日本社会では大多数の人がある程度の生活水準を満たせているのに対し、貧富の差が激しいアメリカの社会。さまざまな人種が希望を持って移り住むアメリカ、その背後には、希望を持てない国々が多数あるということに気付かされ、強い衝撃を受けました。労働人口の減少により日本の経済規模が縮小すれば、希望の持てない社会になるかもしれない。それが、「起こり得ることなんだ」と感じたことが決心のきっかけとなりました。
そこで、大学院修士課程でHealth Promotionをmajorとすることとしました。(ちなみに、minerは統計学) 長寿の社会こそ、健康寿命を延伸させることが大切であり、経済規模を縮小させないためにも、働くひとの健康が大切なのではないか、と考えたのです。また、当時アメリカでは日本のような社会保険制度がないため、従業員が医療にかかった時の企業側の負担増が企業における課題となっていました。優良な企業は、それこそ健康になる機会の提供(インセンティブのある施策への参加推奨など)をはじめとする様々な施策を実施し、医療費を抑えようとしていました。これらの施策を日本企業でも役立てることができないかと思い、修士論文ではアメリカ企業のhealth promotion 施策について文献研究をしました・・・が、もうすっかり内容は忘れてしまいました・・・(汗)
いやでも、、もう20年も経ってますから! (大汗)
2003年:大学院修了、日本で働き始める
2011年:iCARE創業
2016年:Carelyローンチ
2019年:iCAREの存在を知る
2023年:iCARE入社
なぜ働くひとの健康を大切にしたいのか
ここまで読んでいただけると、なぜ私がiCAREで働いているのかは、だいたいお分かりいただけたのではないかと思います。
最後にもう一つだけ、当時自分なりに考えた結果を備忘録がてら書いておこうと思います。人ひとり一生を考えた時、仮に平均寿命まで生きられるとしたら、人生のどの期間の健康を最も重視すべきでしょうか。私は「働くひとの健康」が以下の理由で最も大切だと思い、これからも大切にしたいと考えています。
期間の長さから「働くひと」
新生児〜学生:20年
就労期間:45年〜 ←ここが最も長い
退職後期間:人による
体力・機能が衰えるフェーズだから「働くひと」
新生児〜学生:発育発達・成長・体力向上
就労期間:加齢による機能低下・体力低下 ←衰えがはじまる
退職後期間:就労期間の健康状態に影響される
生産する最小単位だから「働くひと」
経済とは、社会が物および財の生産・流通・消費活動を調整するシステムそのもの
学生ももちろん消費はするが、経済活動を主に担っているのは「働くひと」
おわりに
最近同僚から「もっと早く入社してたら、何か違った?」と質問されたのですが、結論このタイミングがベストなタイミングだったのだろうと思っています。一見、回り道のように見えるかもしれませんが、人生に回り道はなく、すべての学んだことが生かされての今があると思います。
iCAREのカスタマーサクセス部では、一緒に働くひとの健康をつくり、希望の持てる社会のために活動するメンバーを募集中です。